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こんにちは。2022年6月より、日本では『ドラゴンボール』の新作(しんさく)アニメ映画が劇場公開(げきじょうこうかい)されています。劇場公開とは、映画を映画館(えいがかん)で上映(じょうえい)し、観客(かんきゃく)に見せることです。
タイトルは『ドラゴンボール超(SUPER) スーパーヒーロー』。漢字(かんじ)で「超(ちょう)」と書いて、英語(えいご)の「スーパー」と読ませます。漢字に意味(いみ)がある、日本語ならではのタイトルですね。
この映画はマンガ『ドラゴンボール』の原作者(げんさくしゃ)、鳥山明(とりやまあきら)が脚本(きゃくほん)も書いています。彼が作りたい物語(ものがたり)が映画になったのです。
映画には敵(てき)として、「レッドリボン軍(ぐん)」が登場(とうじょう)します。マンガ『ドラゴンボール』の初期(しょき)、つまり最初(さいしょ)の頃(ころ)に登場した敵です。私は昔(むかし)からのファンには懐かしい(なつかしい)敵だと思いました。
この映画には新しいヴィラン、悪役(あくやく)の「ガンマ1号(いちごう)」「ガンマ2号」が登場します。私はこの名前(なまえ)を聞いて驚き(おどろき)ました。
アニメ『ドラゴンボール』は、東映(とうえい)アニメーションという会社(かいしゃ)の作品です。そして東映という映画会社(えいががいしゃ)が、1968年に『ガンマー第3号 宇宙大作戦(うちゅうだいさくせん)』という、SF特撮(エスエフとくさつ)映画を作っています。
『ガンマー第3号 宇宙大作戦』は、深作欣二(ふかさくきんじ)という映画監督(かんとく)の作品(さくひん)です。日本映画が好きな人なら、深作欣二は2000年の映画『バトル・ロワイアル』の監督だと、ご存じ(ごぞんじ)かもしれません。
さらに日本映画に詳しい(くわしい)人なら、深作欣二は侍(サムライ)や忍者(にんじゃ)が登場する時代劇(じだいげき)、アウトローが主人公の任侠(にんきょう)映画…ヤクザ映画とも言います。子供向け(こどもむけ)のヒーロー映画にコメディなど、あらゆる映画を作りました。
アニメから時代劇・ヤクザ映画まで様々な(さまざま)な映画と作ってきた、東映という会社を代表(だいひょう)するのに相応しい(ふさわしい)映画監督が、深作欣二です。
さて、『ガンマー第3号 宇宙大作戦』は宇宙ステーションにモンスター、怪物(かいぶつ)が現れるSF映画です。日本の映画ですが海外(かいがい)向けに作られた作品で、出演者(しゅつえんしゃ)は外人(がいじん)、外国(がいこく)の俳優(はいゆう)が演じて(えんじて)います。
日本では子供向けに、出演者は日本の声優(せいゆう)が日本語に吹き替えて(ふきかえて)喋る(しゃべる)、日本語吹替版(ふきかえばん)が作られ劇場公開されました。
しかしこの映画、子供が見るにはモンスターが怖い(こわい)、実(じつ)にショッキングな映画でした。「子供の頃見た、あの映画がトラウマ(psychological trauma)になったよ!」という人が沢山(たくさん)います。こんな映画を日本では「トラウマ映画」と呼びます。あなたにも子供の頃見てしまった、「トラウマ映画」がありますか?
鳥山明は1955年生まれです。きっと東映の『ガンマー第3号 宇宙大作戦』は彼の「トラウマ映画」であり、ゴジラ・ガメラのような怪獣(かいじゅう)映画と異なる(ことなる)、一味違う(ひとあじちがう)特撮映画だったのでしょう。
その鳥山明が、東映アニメーションの新作アニメ映画『『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』で、「ガンマ1号」「ガンマ2号」というキャラクターを登場させたのです。何だか面白いと思いませんか?
私の「トラウマ映画」ですか?『ガンマー第3号 宇宙大作戦』と同じ1968年に作られた、SFホラー映画『吸血鬼(きゅうけつき)ゴケミドロ』です(笑)。ぜひ、あなたが目撃(もくげき)してしまった、あなたの「トラウマ映画」を私に教えて下さい。それでは、さようなら。
【注】話の中で「外人」という言葉を使いました。「外国の人」という意味で昔は広く使われ、今も多くの日本人が同じ意味で使っているので、今回は使用してみました。差別的な意図はありませんのでご了承下さい。
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