ASPECTは、時制(現在、過去、未来)に比べると、たしかに難しい概念です。
なので外国人向けの教科書には、過去形、現在形という説明で書いていると思います。
(それはそれで、問題ないと思います)。
ただ、それは結局、「初心者向け説明」にすぎません。Subinさんは、すでに日本語中級者だと思います。ならば、そろそろASPECTの概念を知ってよい頃です。
日本語ASPECTについて疑問(ここでなぜ過去形?なぜ現在形?)があれば、またお書きください。お答えいたします。
※ ふつうの日本人はASPECTの概念は知りません。日本人はみんな日本語がしゃべれます。しかし、日本語の仕組みについては知らないのが普通です。これは「自転車に乗れること」と「なぜ自転車に乗れるか説明できること」は別、という話です。
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たとえば、以下の文章。なぜ未来と過去の両方で「食った」というように同じ形で良いのか?
これは、アスペクトが分からないと、完全理解するのは困難だと思います。
1.食ったら、さっさと帰れ
(食べてる途中。まだ食べ終わってない。食べ終わるのは未来)
2.食ったのなら、さっさと帰れ
(高確率で(99%)、もう食べ終わっている。食べたのは過去)
なお、以下の文は1,2と「異なる意味」になります。
食うなら、さっさと帰れ
食うのなら、さっさと帰れ
(まだ食べ始めてもいない。食べるのは未来)
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※ ASPECTは、日本語特有の概念ではありません。英語でもASPECTはあります。has ....ed,いわゆる完了形がそれです。
>時制がないてことはかなりショックでした。。
時制がない言語は世界で珍しくありません。
中国語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語など、いずれも時制はありません。
アラビア語もたぶん、弱いです。ロシア語などスラブ語は、時制とアスペクトが同等に重要です。
※ 中国語には、時制だけでなく(動詞の形式としての)ASPECTもありません。