【第5回】2022年7月、東京で妖怪の展覧会が開かれます!
【第5回】2022年7月、東京で妖怪の展覧会が開かれます!
05:01
June 14, 2022
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こんにちは。今年の夏、2022年7月より東京・六本木(ろっぽんぎ)で、妖怪(ようかい)の絵を集めた展覧会(てんらんかい)、『水木しげるの妖怪(ようかい) 百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)展』が開催(かいさい)されます。 百鬼夜行は「ひゃっきやこう」とも読みます。「100の鬼(おに)が夜(よる)行く(いく)」、「妖怪たちが夜、行列(ぎょうれつ)になって騒いで(さわいで)歩く(あるく)」、という意味です。  今から900年前の書物(しょもつ)『今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)』に、100年以上(いじょう)昔に百鬼夜行が目撃(もくげき)された、と書かれています。  日本人は昔、人に災い(わざわい)をもたらす、目に見えない存在(そんざい)がいると信じていました。また昔からの神道(しんとう)の自然(しぜん)を畏れ敬う(おそれうやまう)信仰(しんこう)と共(とも)に、悪い事をすると報い(むくい)がある、罰(ばち)が当たる(あたる)という仏教(ぶっきょう)の教えが、日本人に広まっていきます。  やがてこの世(よ)には、人の目に見えない妖怪がいる。妖怪は突然(とつぜん)人に災いをもたらすこともある。だから妖怪を怒らせないように、悪い事や危ない事をしてはいけない、という考えが広まるようになりました。  しかし今から200年以上前の平和(へいわ)な江戸時代(えどじだい)、日本人は怪談(かいだん)など怖い(こわい)話を楽しむようになると、妖怪は奇妙(きみょう)で面白い(おもしろい)存在になり、多くの人が楽しむようになります。日本には江戸時代、妖怪を楽しむ「妖怪ブーム」があったのです。 ところが江戸時代が終わると、妖怪は昔の誤った(あやまった)考えが生んだものとされます。民俗学(みんぞくがく)から妖怪を研究(けんきゅう)する学者(がくしゃ)もいましたが、妖怪を信じるのは間違いだ、迷信(めいしん)だと多くの人が信じるようになります。 その妖怪を『ゲゲゲの鬼太郎(きたろう)』などの漫画(マンガ)を描き復活(ふっかつ)させたのが、水木しげるです。『ゲゲゲの鬼太郎』は1965年頃にマンガが人気になり、アニメも作られ日本に新たな(あらたな)「妖怪ブーム」が起きました。 水木しげるは江戸時代やそれ以前に書かれた絵、民俗学者の研究を参考(さんこう)にして妖怪を描きました。日本人が忘れかけていた、昔の妖怪の姿を、現代(げんだい)に甦らせた(よみがえらさせた)のです。 『水木しげるの妖怪 百鬼夜行展』は、水木しげるが生まれてから100年、生誕(せいたん)100年を記念して開催されます。彼の作品だけでなく、彼に影響を与えた昔の妖怪の絵、書物など文献(ぶんけん)を見ることができます。  水木しげるが生んだ「妖怪ブーム」の後、妖怪は日本でポップカルチャーのキャラクターになります。その後何度も妖怪はブームになり、妖怪が登場(とうじょう)する映画やマンガ・アニメやゲームなどがたくさん作られます。『鬼滅の刃(きめつのやいば)』や『呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)』も、そんな作品だと言えるでしょう。  あなたが楽しんでいる日本のマンガやアニメから、日本の歴史(れきし)や日本人の習慣(しゅうかん)、考え方を学ぶこともできます。このような視点(してん)から、日本のサブカルチャーを楽しんでみませんか?それでは、さようなら。
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