若月凉
生きる   谷川俊太郎 生きているということ いま生きているということ それはのどがかわくということ 木漏れ日(こもれび)がまぶしいということ ふっと或るメロディを思い出すということ くしゃみをすること あなたと手をつなぐこと 生きているということ いま生きているということ それはミニスカート それはプラネタリウム それはヨハン・シュトラウス それはピカソ それはアルプス すべての美しいものに出会うということ そして かくされた悪を注意深くこばむこと 生きているということ いま生きているということ 泣けるということ 笑(わら)えるということ 怒(おこ)れるということ 自由ということ 生きているということ いま生きているということ いま遠くで犬が吠(ほ)えるということ いま地球がまわっているということ いまどこかで産声(うぶごえ)があがるということ いまどこかで兵士が傷(きず)つくということ いまぶらんこがゆれているということ いま いまが過ぎていくこと 生きているということ いま生きているということ 鳥ははばたくということ 海はとどろくということ かたつむりははうということ 人は愛するということ あなたの手のぬくみ いのちということ これは初めて読んだ日本語の詩です~
25 août 2021 07:03
Commentaires · 4
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谷川俊太郎さんの詩がお好きでしたら、『二十億光年の孤独』という詩も面白いかもしれませんね。 http://www.poetry.ne.jp/zamboa_ex/tanikawa/
26 août 2021
とても良い詩ですね。日本人にとっても、おそらく一度は聴いたこと(読んだこと)があると思います。心に響く言葉だと思います。
25 août 2021