ふるさとの中元節の祝い方が好きです。 中国の伝説によると、中元節頃、地獄の扉が開いて、死霊が人間の世界に戻って来ています。中元節にお墓参りをしません。各地の祭り方が若干違いますが、ほとんどは死後の世界で使うと言われる紙銭や金元宝(写真1)などを燃やして先祖に送ります。 ふるさとでは、紙銭、金元宝や紙製服装などを小分けにして、先祖のお名前を書いて燃やして送ります。そのほかに、もうひとつの小包を準備して祭る子孫のない死霊に送ります。中元節にふるさとでさといもを食べます。皮なしがダメで、皮つきのまま茹でます。悪霊が家に入らないようにするために、玄関や窓である植物のをつるします。あの植物の葉に触れると痒くなり、そのせいかもしれないが、悪霊を追い出す手段として選ばれました。そのほかに、家の周りに線香やろうそくを立てて燃やします(写真2)。 また、ふるさとで中元節に天灯を飛ばす風習があります(写真3)。ほかの地区でも天灯を飛ばす風習がありますが、ふるさとの天灯が大きくて(写真4)、爆竹や花火などをつけて飛ばすことがあります(写真5)。 中元節が鬼の節とも言われて、悪霊も人間の世界に戻って来て夜遊びをしないなどの禁忌がありますが、私は天灯を飛ばすことが大好きなので、中元節が好きです。しかし、現在、天灯が火災を引き起こす可能性が高いことを理由に禁止されて、ふるさとでこの風習がだんだん消えていきました。