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Recitation for Japanese learners.
You can practice shadowing,
and repeating with this reading.
シャドーイングやリピーティングにもどうぞ。
(the text below. 本文は下部にあります。)
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『羅生門』 第三話 芥川龍之介・著
'Rashomon' #3
Written by Ryunosuke Akutagawa
その代わりまた鴉がどこからか、
たくさん集ってきた。
昼間見ると、その鴉が何羽となく輪を描いて、
高い鴟尾のまわりを啼きながら、
飛びまわっている。
ことに門の上の空が、
夕焼けであかくなる時には、
それが胡麻をまいたように はっきり見えた。
鴉は、勿論、門の上にある死人の肉を、
啄みに来るのである。――もっとも今日は、
刻限が遅いせいか、一羽も見えない。
ただ、所々、崩れかかった、
そうしてその崩れ目に長い草のはえた
石段の上に、鴉の糞が、
点々と白くこびりついているのが見える。
下人は七段ある石段の一番上の段に、
洗いざらした紺の襖の尻を据えて、
右の頬に出来た、大きな面皰を気にしながら、
ぼんやり、雨のふるのを眺めていた。
漢字
鴉 からす
集まって あつまって
昼間 ひるま
何羽 なんわ
輪 わ
描いて えがいて
鴟尾 しび
啼きながら なきながら
夕焼け ゆうやけ
胡麻 ごま
勿論 もちろん
死人 しびと
啄み ついばみ
刻限 こくげん
崩れかかった くずれかかった
下人 げにん
紺 こん
襖 あお
据えて すえて
頬 ほお
出来た できた
面皰 にきび
眺めて ながめて
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