「我慢」と「自慢」
「我慢」という言葉を初めて見た時、変だと思いました。どうしてこの関係がまったくない二つの漢字を組み合わせたら、耐え忍ぶという意味となってしまうのか。そして、「自慢」と「我慢」だが、「自」も「我」も自分のことなのに、意味がまったく違うのはなぜなのか。
ネットで調べてみると、「我慢」という言葉は仏教用語で、中国の学僧が古代インドのお経を翻訳する時作り出した言葉だそうです。後に中国から日本に伝わりました。仏教には、「七慢」(しちまん)という言葉があります。「慢」は「慢心」の意味で、「七慢」とは七つの慢心を言います。それらは慢・過慢(かまん)・慢過慢(まんかまん)・我慢(がまん)・増上慢(ぞうじょうまん)・卑慢(ひまん)・邪慢(じゃまん)ということです。その中の「我慢」とは自己に執着し、つまり我執(がしゅう)といい、その我執から、自分を高く見て他人を軽視(けいし)するということです。これから見ると、我慢はもともと自慢と殆ど同じ意味とは言えますよ。