【第9回】名古屋で開催されていた、大相撲夏場所が終わりました
【第9回】名古屋で開催されていた、大相撲夏場所が終わりました
08:45
2022年7月25日
描述
こんにちは。2022年、元号(げんごう)なら令和(れいわ)4年の7月24日、大相撲夏場所(おおずもうなつばしょ)が終わりました。大相撲とは一年(いちねん)に6回行われる(おこなわれる)、日本相撲協会(にほんすもうきょうかい)主催(しゅさい)の相撲興行(こうぎょう)です。 夏場所は名古屋(なごや)で行われるので、名古屋場所とも呼ばれます(よばれます)。場所という言葉の意味(いみ)はお判り(おわかり)でしょう。しかし相撲で使う言葉の「場所」は、英語(えいご)に訳(やく)する、英訳(えいやく)するとグランド・トーナメント(Grand Tournament)の意味になります。 「相撲興行」という言葉を使いました。興行とは観客(かんきゃく)を集め(あつめ)お金(かね)を払って(はらって)もらって、お芝居(しばい)や音楽(おんがく)、映画(えいが)などを見せる商売(しょうばい)、ビジネスです。 相撲は日本の国技(こくぎ)、日本を代表(だいひょう)するスポーツです。かつて神様(かみさま)に捧げる(ささげる)儀式(ぎしき)として、天皇(てんのう)や貴族(きぞく)が集まる(あつまる)宮廷(きゅうてい)で行われる(おこなわれる)行事(ぎょうじ)となり、とても大切(たいせつ)なイベントになっていました。 長い歴史(れきし)を持つ相撲の世界は、様々(さまざま)な特殊(とくしゅ)な言葉が使われます。例えば(たとえば)相撲の場所が終わる最後(さいご)の日を、「千秋楽」(せんしゅうらく)と呼びます。 この言葉は伝統(でんとう)ある舞台劇(ぶたいげき)、歌舞伎(かぶき)の世界でも使われます。そして千秋楽の日、略(りゃく)して「楽日」(らくび)という言葉は、今も演劇(えんげき)や映画(えいが)の興行の最後の日を示す(しめす)言葉として、これらの業界(ぎょうかい)関係者(かんけいしゃ)に使われています。 【一部 省略】 相撲取りの後援者(こうえんしゃ)、支援(しえん)者としてパトロン(patron)のように振る舞う人を、相撲の世界では「タニマチ」と呼びます。今、「料理を振る舞う」、「パトロンのように振る舞う」と言いました。それぞれの「振る舞う」の意味は分かりますか? 「タニマチ」とは「谷町」、大阪(おおさか)にある街(まち)の名です。昔、ここに住むお医者(いしゃ)さんが、あるいはお金持ち(おかねもち)が、お相撲さんの有名なパトロンになりました。それで、このような人物を「タニマチ」と呼ぶようになった、と言われています。 相撲の世界から生まれた「タニマチ」という言葉は、日本では他(ほか)の世界でも、芸術家(けいじゅつか)や芸能人(げいのうじん)やスポーツ選手のパトロンの意味で使われます。そしてタニマチが渡すお金などを、お相撲さんは「ごっつあんです!」と言って受け取る…、というイメージを多くの日本人は持っています。 「ごっつあんです!」は「ごちそうさまです」の意味です。力士は体の大きな太った(ふとった)人が多いので、多くの人が声が低い(ひくい)、だから「ごっつあんです!」になるのです。日本人にお相撲さんの真似(まね)をして下さい、と言うと多くの人がこんな風(ふう)に、「ごっつあんです!」と言うと思いますよ。 お相撲さんには日常(にちじょう)の挨拶(あいさつ)の言葉に「ごっつあんです!」を使う人もいます。さて、日本人は先輩(せんぱい)や会社(かいしゃ)の上司(じょうし)にお酒や料理を振る舞ってもらう、奢って(おごって)もらった時、お礼に「ごちそうさまです」と言いますが、親しみとジョークの意味を込めて力士のように「今日は、ごっつあんです!」と言ったりします。 もっとも、最近(さいきん)では「ごちそうになります」を略した「ゴチになります」、という言葉を使う人の方が多いかもしれません。「先輩、ゴチになります」などと言います。とても親しい間柄(あいだがら)なら、「ありがとうございます」を略した「あざーっす」を加えて、「ゴチになります、あざーっす!」と言う若い人もいるでしょう。 このような表現(ひょうげん)を、日本のマンガやアニメ、ドラマやバラエティー番組(ばんぐみ)で目にしたことはありませんか?日本の奇妙(きみょう)な言葉には、相撲など昔から続く文化にルーツがあるものが多数あり、また現在の流行から新しく生まれたものもあります。日本語を知ることは、日本の文化を知ることにもなります。 それでは、さようなら。どうも、「ごっつあんです!」。最後まで聞いていただき、「どもっ、あざっす!」。「どもっ、あざっす!」なんて本当に、本当に親しい人にしか使ってはいけない言葉です。先生(せんせい)や上司に言うと怒られ(おこられ)ますよ!どうも、ありがとうございました。
播客频道
Ken先生の映画・歴史・カルチャートーク
播客创作者