【第10回】もうすぐ、夏の全国高等学校野球(baseball)選手権大会が始まります。
【第10回】もうすぐ、夏の全国高等学校野球(baseball)選手権大会が始まります。
08:14
2022年7月31日
描述
こんにちは。日本で毎年(まいとし)行われる、毎年恒例(こうれい)の大きなスポーツイベントに全国高等学校野球選手権大会(ぜんこくこうとうがっこうやきゅうせんしゅけんたいかい)があります。全国の高等学校=高校(こうこう)の野球チームの日本一、ナンバー1(No.1)を決める大会です。 このイベントは単に(たんに)「高校野球」、また開催(かいさい)される場所(ばしょ)の阪神甲子園球場(はんしんこうしえんきゅうじょう)にちなんで「甲子園」とも呼ばれます。春と夏に実施(じっし)されるので、「春の高校野球」とか「夏の甲子園」などと言われることが多い、日本の有名(ゆうめい)なスポーツイベントです。 【一部省略】 夏の酷く(ひどく)暑い時期(じき)、酷暑(こくしょ)の中でまだ若い選手(せんしゅ)が何度(なんど)も試合をする、これは健康(けんこう)に悪いイベントだ、それを新聞社がビジネスにしている、「大人が若者を搾取(さくしゅ)している」、別の言い方をすれば「大人が若者を食い物(くいもの)にしている」、と批判(ひはん)されてもいます。 そして高校野球には長い歴史(れきし)があり、今も昔のやり方で高校生(こうこうせい)の選手を指導するチームが沢山(たくさん)あるようです。科学的(かがくてき)・合理的(ごうりてき)なトレーニングより、ともかく沢山厳しい(きびしい)練習(れんしゅう)をさせる、そんなチームが多数あるようです。 野球を楽しむ(たのしむ)こと、技術(ぎじゅつ)を磨いて(みがいて)身に付ける(みにつける)ことより、ひたすら練習して心(こころ)を鍛え(きたえ)辛く(つらく)ても耐える(たえる)気持ち、「根性」(こんじょう)を身に付けることを重視(じゅうし)する、古い考え方がまだ強く残っています。 スポーツを題材(だいざい)にした、厳しい(きびしい)練習をして、根性を身に付ける姿を描いたマンガやアニメを「スポ根」、と呼びます。1960~70年代「スポ根」のマンガやアニメは日本で人気ジャンルでした。今は有名(ゆうめい)だけど古臭い(ふるくさい)、時代錯誤(じだいさくご)な作品(さくひん)として、パロディの対象(たいしょう)となってマンガやアニメで笑い(わらい)のネタにされることも多いです。 「根性」を重視する指導(しどう)は、監督(かんとく)やコーチによる暴力(ぼうりょく)を許し(ゆるし)、その行為(こうい)は選手のためになる指導だと容認(ようにん)する考え方を生みました。 そんな指導を受けた人が監督・コーチになると、同じように選手に暴力をふるう。それを見た選手も先輩(せんぱい)が後輩(こうはい)に暴力をふるう、こんな事はあってはならない行為(こうい)だ、と現在(げんざい)大きな批判にさらされています。 監督や先輩や上司に従う(したがう)、以前から行われていたルールや慣習(かんしゅう)なら、間違って(まちがって)いても従う…という悪い伝統(でんとう)は、高校野球だけでなく日本の様々(さまざま)な分野(ぶんや)で、たとえば会社(かいしゃ)などの組織(そしき)でも、私の好きな映画を作る映画業界(えいがぎょうかい)でも大きな問題(もんだい)になっています。 現在、高校野球はプレイヤーである若い選手のためになる、配慮(はいりょ)した練習が行われるようになりました。また過酷(かこく)な試合のスケジュールを変更するなど、選手の負担(ふたん)を軽減(けいげん)する試み(こころみ)も実施(じっし)されています。 それでも、高校野球は伝統あるイベントだから、と大きな変化(へんか)を望まぬ(のぞまぬ)人も沢山います。日本の様々な分野で見られる、「良き伝統」と「悪い伝統」が入り混じった(いりまじった)もの、その1つが高校野球だと私は考えます。 それでも、私は「夏の甲子園」を楽しみにしています。選手たちは必死に(ひっしに)プレイし、その姿に一喜一憂(いっきいちゆう)=一つのプレイに喜び(よろこび)、一つのプレイに憂いる(うれいる)、つまり心配(しんぱい)するでしょう。 今年も多くの試合が様々なドラマを生み、多くの日本人を感動(かんどう)させるはずです。今回のお話、野球に興味(きょうみ)の無い方には理解(りかい)出来なかったですか?でも、あなたの国にも同じように、人々を熱狂(ねっきょう)させる人気(にんき)を持つスポーツがありませんか?それでは、さようなら。
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Ken先生の映画・歴史・カルチャートーク
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