「イタリア語ってどんな言語なの?」「勉強してみたいけど何から始めたらいいのかわからない」と感じている人もいるのではないでしょうか。
イタリア語は日本語とは文法や発音が大きく異なるため、はじめのうちに正しい知識を身につけることで、その後の学習もスムーズに進められるでしょう。
この記事では、北イタリア在住6年目、イタリア人パートナーをもつ筆者が、これからイタリア語を学びたい人のために入門編を詳しく解説します。
イタリア語初学者の方はぜひ参考にしてください。
イタリア語の文法における3つの特徴
イタリア語はラテン語を起源としており、女性名詞と男性名詞が存在します。
また、フランス語やスペイン語とも共通していますが、動詞がすべての主語と時制によって変化します。学習初期には、活用が覚えられずに戸惑うことがあるかもしれません。
ほかの特徴としては、代名詞を使うことで文章を短くできます。
ここでは、イタリア語の入門編として文法の特徴を3つ紹介します。
特徴①:女性名詞と男性名詞がある
イタリア語だけでなく、フランス語やスペイン語も同様ですが、女性名詞と男性名詞が存在します。
女性名詞と男性名詞というと、「女の子」を表す単語は女性名詞、「男の子」を表す単語は男性名詞というのは想像がつくでしょう。
しかし、「車」は女性名詞で、「机」は男性名詞であることを予想するのは簡単ではありません。
このように、それぞれの名詞には性が存在しますが、人の性別とは関係なく性がつけられているものが数多くあります。
イタリア語を学ぶうえで、女性名詞と男性名詞を覚えることはとても重要です。なぜなら、動詞の活用や形容詞の変形、冠詞の選択がうまくできずに、正しい文章を作れないからです。
実際のところ、間違えたとしても何ら問題ありません。ミスをすることで記憶に定着しやすくなるので、どんどん話して覚えていきましょう。
特徴②:動詞の活用が複雑
イタリア語に限ったことではありませんが、動詞の活用は数え切れないほどあります。
英語でいうbe動詞にあたる動詞「essere」を例に活用を見てみましょう。
なお、カタカナと太字表記は発音の参考にしてみてください。
主語(日本語) | 主語(イタリア語) | 動詞essere |
私 | Io(イオ) | sono(ソノ) |
あなた | Tu(トゥ) | sei(セイ) |
彼/彼女 | Lui/Lei(ルイ/レイ) | è(エ) |
私たち | Noi(ノイ) | siamo(スィアーモ) |
あなたたち | Voi(ヴォイ) | siete(スィエーテ) |
彼ら | Loro(ロロ) | sono(ソノ) |
このように、時制と主語によって形が変化します。まずは、よく使う動詞から繰り返し覚えていきましょう。
特徴③:代名詞を使うと文章がとても短くなる
イタリア語は代名詞を使って端的に物事を伝えることがよくあります。
これは英語の「it」に置き換えるなどして、二度同じことを言うのを避ける働きと同様です。
たとえば、「このプレゼントをあなたに送ります」とすると、英語では「I send you this present」となります。
イタリア語では「Ti mando questo regalo(ティ マンド クェスト レガーロ)」です。
間接目的語の「Ti」が前に出てきており、「mando」が英語の「send」、「questo regalo」が「this present」にあたります。
そして、お互い「questo regalo」が周知のものであれば、代名詞の「それ」にあたる「lo」に置き換えて、「Te lo mando」(テ ロ マンド)になります。
発音はカタカナ通りでよいので、日本人にとっては発音しやすく感じるのではないでしょうか。
頭の中で代名詞に置き換えて文章を組み立てるのに、最初は時間がかかるかもしれませんが、練習すればリズムよく話せるようになるでしょう。
イタリア語の発音における3つの特徴
イタリア語の発音にはいくつか決まりがあります。しかし、ルールを覚えれば決して発音は難しくありません。
ここでは、イタリア語の発音に関する特徴を3つ解説します。
英語と違う発音に慣れながら規則を覚え、どんどん練習していきましょう。
特徴①:【H】は母音と一緒になると無音になる
1つ目の特徴として「H」の発音が挙げられます。イタリア語のアルファベット読みは「アッカ」です。
そして、「H」は、母音が後に続くと発音しないというルールがあります。
たとえば、動詞の「avere(アヴェーレ)」は、「持っている、飼っている」を意味する単語で、直説法の現在形は主語によって以下のように変化します。
主語 | Avereの活用 |
【私】Io(イオ) | ho(オ) |
【あなた】Tu(トゥ) | hai(アイ) |
【彼/彼女】Lui/Lei(ルイ/レイ) | ha(ア) |
【私たち】Noi(ノイ) | abbiamo(アッビァーモ) |
【あなたたち】Voi(ヴォイ) | avete(アヴェーテ) |
【彼ら】Loro(ロロ) | hanno(アンノ) |
それぞれ「H」が先頭にきていますが、発音しないので注意しましょう。この規則によって、外来語の単語も「H」を発音せずにいいます。
例)
【ホンダ】
HONDA
(オンダ)
【ホテル】
Hotel
(オテール)
【趣味】
Hobby
(オッビィ)
特徴②:【GLI】はギとリの間のような音になる
イタリア語の発音の中で、日本人にとって難しいと感じるのが「GLI」の発音ではないでしょうか。
発音の方法は、口をカタカナの「ニ」の形にしながら「リ」と発音するイメージです。もしくは、「LLI」のように「L」を2回繰り返すときの発音に近いです。
例をもとに練習してみましょう。
例)
【家族】
Famiglia
(ファミッリア)
【うさぎ】
Coniglio
(コニッリオ)
【にんにく】
Aglio
(アッリオ)
【娘】
Figlia
(ファッリア)
【妻】
Moglie
(モッリエ)
特徴③:【RR】は母音と一緒になると巻き舌になる
3つ目の特徴として、「RR」の発音です。イタリア語のイメージとして、巻き舌で話すことが多い言語と思っている人も多いでしょう。
規則として、「RR」の後に母音が続くと、巻き舌のような発音になります。
例を参考にしながら発音してみましょう。
例)
【ビール】
Birra
(ビッラ)
【フェラーリ】
Ferrari
(フェッラーリ)
【水色】
Azzurro
(アッズーロ)
しかし、完璧な巻き舌で発音しなければならないわけではありません。実際にイタリア人のなかでも、巻き舌で発音できない人もいます。
巻き舌を意識して発音するというイメージで練習していきましょう。
ゼロから始めるイタリア語学習の3ステップ
「イタリア語をゼロから勉強したい」「勉強したけど忘れてしまった」という人は、以下の3ステップでイタリア語の基礎を学んでいきましょう。
ステップ①:アルファベットの読み方を覚える
まずはアルファベットの読み方を覚えるのが1つ目のステップです。アルファベットの読み方は英語と異なるので、一気に覚えてしまいましょう。
以下のアルファベットの読み方一覧を参考にしてください。
大文字 | 小文字 | 発音 | 読み(カタカナ) | 発音記号 |
A | a | a | ア | /a/ |
B | b | bi | ビ | /b/ |
C | c | ci | チ | /k//tʃ/ |
D | d | di | ディ | /d/ |
E | e | e | エ | /e//ɛ/ |
F | f | effe | エッフェ | /f/ |
G | g | gi | ジィ | /ɡ//dʒ/ |
H | h | acca | アッカ | 発音しない |
I | i | i | イ | /i//j/ |
J | j | i lunga | イッルンガ | /j/ |
K | k | cappa | カッパ | /k/ |
L | l | elle | エッレ | /l/ |
M | m | emme | エンメ | /m/ |
N | n | enne | エンネ | /n/ |
O | o | o | オ | /o//ɔ/ |
P | p | pi | ピィ | /p/ |
Q | q | qu | ク | /k(w)/ |
R | r | erre | エッレ | /r/ |
S | s | esse | エッセ | /s//z/ |
T | t | ti | ティ | /t/ |
U | u | u | ウ | /u//w/ |
V | v | vi,vu | ヴィ | /v/ |
W | w | doppia vu | ドッピアヴ | /ts//dz/ |
X | x | iks | イクス | /ks/ |
Y | y | ipsilon | イプシロン | /i/, /j/ |
Z | z | zeta | ゼータ | /ts/, /dz/ |
ステップ②:身近にある単語を覚える
次に、身近にあるものの名前を覚えていきましょう。
日常生活で使う単語を覚えることで、会話の意味がわからなくても、ところどころで単語が聞こえてくるようになります。
数字や月、日にち、部屋にあるものなど、イタリア語ではどのように発音するか調べましょう。
例)
【トイレ】
Bagno
(バンニョ)
【机】
Tavolo
(ターヴォロ)
【椅子】
Sedia
(セーディア)
【水】
Acqua
(アクア)
【眼鏡】
Occhiali
(オッキアーリ)
【靴】
Scarpe
(スカルペ)
【関連記事】イタリア語の単語集!日常会話で使う単語を品詞別に紹介
ステップ③:簡単な形容詞を覚える
最後のステップは、「形容詞を覚える」です。形容詞は日常生活でとてもよく使われる単語です。
なかでも、「おいしい」を表す単語がいくつもあります。美食の国であるイタリアならではですよね。
いくつかの「おいしい」を表す表現をみていきましょう。
例)
【おいしい】
Buono
(ブォーノ)
【とてもおいしい】
Buonissimo/Molto buono
(ブォニッスィモ/モルト ブォーノ)
【最高!】
Ottimo/Perfetto
(オッティモ/ペルフェット)
【おいしい】
Squisito
(スクイズィート)
「Squisito」は「Buono」と同様に「おいしい」という意味ですが、上品なレストランなどでもふさわしい単語です。
イタリア語を学ぶべき理由3つ
イタリア語を学ぶことは、イタリア文化を知ることに直結します。
今まで知らなかった世界を体感し、新しい自分と出会えるチャンスと言えるでしょう。
ここでは、イタリア語を学ぶべき理由を3つ紹介します。
理由①:イタリアンを楽しめるから
イタリア料理は日本でも馴染み深いものですよね。特にピザは、イタリアの代名詞といっても過言ではないでしょう。
日本食が寿司だけではないように、イタリア料理もピザだけではなく、ほかにも魅力的でおいしい料理がたくさんあります。
イタリア語を学ぶことで料理のメニューが理解でき、今まで食べたことがない料理にも挑戦してみたくなるかもしれません。
何より、メニューに書かれている内容が理解できるのは嬉しいですよね。
理由②:芸術を深く知れるから
イタリアは美食の国というだけでなく、レオナルド・ダ・ヴィンチなど多くの芸術家たちが生まれた国でもあります。
ヴィーナスの誕生を代表作とするサンドロ・ボッティチェッリも、イタリアの芸術を語るうえで忘れてはいけない芸術家の一人です。
イタリア語を学ぶことは、歴史や芸術の学習につながり、今まで以上にイタリアを好きになれるでしょう。
理由③:一度は訪れるべき国だから
イタリアは世界遺産が最も多い国です。訪れる場所一つひとつに深い歴史があり、美しい街並みに圧倒されるでしょう。
また、イタリア人は陽気な人が多く、街を歩いているだけでも人々のエネルギーが伝わってくるはずです。
どの地域も食べ物はおいしく、街全体が美術館のような素晴らしい街並みに囲まれ、まるで異世界のような魅力あふれるイタリアは、一度は訪れるべき国でしょう。
イタリア語の入門者におすすめの勉強サイト
「イタリア語を学びたいけど難しそう」と考えている人も多いのではないでしょうか。
語学を学ぶ際、覚えなければならないことはたくさんあります。しかし、独学で進めていくうちに「なぜこの文法を使うのだろう」など、さまざまな疑問が出てくるでしょう。
オンラインレッスンのitalkiなら、ネイティブに気軽に質問でき、独学で頑張りたい人にもおすすめのツールです。
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添削やクイズ機能など、無料で利用できるサービスも充実しているので、まずはアプリをダウンロードしてイタリア語を学んでみましょう。
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まとめ:イタリア語の入門編から少しずつ勉強しよう!
この記事では、イタリア語の特徴など学習する前に知っておきたい入門的な内容を解説しました。
- イタリア語には女性名詞と男性名詞が存在する
- 主語や時制によって動詞の形が変化する
- 規則を覚えれば発音は難しくない
- イタリア語を学ぶことは、イタリアという国を深く理解すること
あまり難しく考えずに、まずはitalkiを活用してイタリア語に触れるところから始めてみましょう。