「イタリア語のアルファベットの発音が知りたい」「読み方は英語と違うので難しいのでは?」と思っている人も多いでしょう。
アルファベットの読み方の習得は、言語の基本です。イタリア語のアルファベットは、英語とは読み方が少し違います。
この記事では、北イタリア在住6年目、イタリア人に日本語を教えていた筆者がアルファベット一覧と読み方や、発音時の注意点を紹介します。
アルファベットの読み方をマスターできれば、イタリア旅行でレストランのメニューやスーパーの商品を読めたり、街の標識を正しく読めるようになるでしょう。
なお、カタカナで表記した読みは、強調して発音するところを太字にしているので、ぜひ参考にしてください。
イタリア語のアルファベット一覧表
イタリア語のアルファベット一覧表をご覧ください。英語の読み方とは少し違っていることがわかります。
大文字 | 小文字 | 発音 | 読み(カタカナ) | 発音記号 |
A | a | a | ア | /a/ |
B | b | bi | ビ | /b/ |
C | c | ci | チ | /k//tʃ/ |
D | d | di | ディ | /d/ |
E | e | e | エ | /e//ɛ/ |
F | f | effe | エッフェ | /f/ |
G | g | gi | ジィ | /ɡ//dʒ/ |
H | h | acca | アッカ | 発音しない |
I | i | i | イ | /i//j/ |
J | j | i lunga | イッルンガ | /j/ |
K | k | cappa | カッパ | /k/ |
L | l | elle | エッレ | /l/ |
M | m | emme | エンメ | /m/ |
N | n | enne | エンネ | /n/ |
O | o | o | オ | /o//ɔ/ |
P | p | pi | ピィ | /p/ |
Q | q | qu | ク | /k(w)/ |
R | r | erre | エッレ | /r/ |
S | s | esse | エッセ | /s//z/ |
T | t | ti | ティ | /t/ |
U | u | u | ウ | /u//w/ |
V | v | vi,vu | ヴィ | /v/ |
W | w | doppia vu | ドッピアヴ | /ts//dz/ |
X | x | iks | イクス | /ks/ |
Y | y | ipsilon | イプシロン | /i/, /j/ |
Z | z | zeta | ゼータ | /ts/, /dz/ |
最初は難しく感じるかもしれませんが、はじめのうちに一気に覚えてしまうのがポイントです。
【関連記事】イタリア語のあいさつ一覧!自己紹介や日常会話などシーン別に徹底解説
イタリア語のアルファベットにはない5文字
公式には、「J,K,W,X,Y」の5文字はイタリア語のアルファベットにはありません。
しかし、これらの5文字は外来語の単語などに使われます。
それぞれについて、具体的な単語を見てみましょう。なお、カタカナの読み方は、太字のところを意識して発音してください。
例)
【ジョーカー】
Jolly
(ジョリィ)
【キウイ】
Kiwi
(キウィ)
【週末】
Weekend
(ウィーケンドゥ)
【レントゲン】
Xray
(イクスレイ)
【ヨーグルト】
Yogurt
(ヨーグルトゥ)
イタリア語の発音で気をつけるアルファベット7つ
イタリア語の発音には、英語とは違うものがあるので、はじめは混乱するかもしれません。慣れるまでいろいろな単語を読んで、ルールを覚えましょう。
しかし、なかには文字で見るだけではわかりにくい発音もあるため、実際に音を聞いて発音を学ぶのが効果的です。
ここでは、イタリア語の発音で気をつけるべきアルファベットを7つ紹介します。
気をつけるアルファベット①:【H】
アルファベット一覧表のとおり、「H」はイタリア語で「アッカ」と読みますが、単語の中に含まれている「H」は、発音しません。
動詞の「Avere(アヴェーレ)」を例に解説します。
動詞「Avere(アヴェーレ)」は「所有している、持っている」という意味で、英語でいう「Have」にあたります。この「Avere」(アヴェーレ)は、主語によって以下のように活用します。
主語 | Avereの活用 |
【私】Io(イオ) | ho(オ) |
【あなた】Tu(トゥ) | hai(アイ) |
【彼/彼女】Lui/Lei(ルイ/レイ) | ha(ア) |
【私たち】Noi(ノイ) | abbiamo(アッビァーモ) |
【あなたたち】Voi(ヴォイ) | avete(アヴェーテ) |
【彼ら】Loro(ロロ) | hanno(アンノ) |
注意したいのは、この「H」は発音しないという点です。単語の例をいくつか見てみましょう。
例)
【ホテル】
Hotel
(オテール)
【ホンダ】
HONDA
(オンダ)
【趣味】
Hobby
(オッビ)
このように「H」から始まる単語は外来語が多く、「H」を発音せずに言うことがほとんどです。
気をつけるアルファベット②:【C】
「C」は「チ」と発音します。
そのため「CI」は「チ」、「CE」は「チェ」になります。そして、「CA」は「カ」、「CU」は「ク」、「CO」は「コ」という発音です。
「キ」「ケ」を表す場合は、「CHI」(キ)「CHE」(ケ)のように、間に「H」が入るので注意しましょう。
「C」 | 読み方 |
CA | カ |
CI | チ |
CU | ク |
CE | チェ |
CO | コ |
CHI | キ |
CHE | ケ |
気をつけるアルファベット③:【G】
次に気をつける発音は「G」です。
「GA」は「ガ」、「GU」は「グ」、「GO」は「ゴ」と発音しますが、「GI」は「ジ」、「GE」は「ジェ」になるので注意が必要です。
「ギ」「ゲ」の発音は、「GHI」(ギ)、「GHE」(ゲ)となります。
「G」 | 読み方 |
GA | ガ |
GI | ジ |
GU | グ |
GE | ジェ |
GO | ゴ |
GHI | ギ |
GHE | ゲ |
気をつけるアルファベット④:【S+C】
イタリア語の子音である「SC+I」や「SC+E」が含まれる単語は、読み方に注意が必要です。
発音記号では「/ʃ/」ですが、唇を前に出して舌先は上顎につけずに、「シュ」という発音になります。
「SC+I」「SC+E」のときに、この発音になります。ここで、「SC」の2つのルールを見ていきましょう。
1つ目のルールは、「SC」の前に母音、そして「SC」のあとに「I」か「E」がくる場合は、日本語の促音(っ)の発音に似ている音になることです。
例)
【出る】
uscire
(ウッシィレ)
【魚】
pesce
(ペッシェ)
【乾かす】
asciugare
(アッシュガーレ)
【知識】
conoscenza
(コノッシェンツァ)
2つ目のルールは、「SC+I」のあとに母音が続くと、「I」の音が消えるということです。
例)
【スカーフ】
sciarpa
(シャルパ)
【ストライキ】
sciopero
(ショーペロ)
【小魚】
pesciolino
(ペッショリーノ)
「SC」+「A」「O」「U」の場合は、それぞれ「SCA」(スカ)、「SCO」「スコ」、「SCU」(スク)と発音します。
気をつけるアルファベット⑤:【GN】
「GN」は日本語にはない発音で、「ニャ」「ニュ」「ニョ」と似ているようで少し違います。
「GN」の発音記号は「/ɲ/」です。
多くの単語は「母音+gn+母音」の組み合わせで、発音は「ンニャ」「ンニュ」「ンニョ」のようなイメージです。
単語をいくつか見てみましょう。
例)
【トイレ】
bagno
(バンニョ)
【栗】
castagna
(カスタンニャ)
【スペイン】
spagna
(スパンニャ)
【ニョッキ】
gnocchi
(ンニョッキ)
気をつけるアルファベット⑥:【GLI】
「GLI」も日本語にはない発音で、イタリア人にとっても難しい発音の一つです。
発音記号では「/ʎ/」と表されます。
発音は日本語の「リ」に近いように聞こえますが、実際は「GLI」の代わりに「LL」にして読んでみると近い発音になるようです。
例)
【うさぎ】
coniglio
(コニッリオ)
【家族】
famiglia
(ファミッリア)
【ボトル】
bottiglia
(ボッティッリア)
【にんにく】
aglio
(アッリオ)
気をつけるアルファベット⑦:【RR】
イタリア語といえば「巻き舌」をイメージする人が多いのではないでしょうか。
実際には、すべての「R」を巻き舌にするのではなく、「RR」と二重になったときに巻き舌を使います。
例)
【ビール】
birra
(ビッラ)
【バター】
burro
(ブッロ)
【走る】
correre
(コッレレ)
【茶色】
marrone
(マッローネ)
【関連記事】イタリア語の単語集!日常会話で使う単語を品詞別に紹介
イタリア語のアルファベットでわからない音はネイティブから習うのが効率的
「イタリア語のアルファベットは難しい?」「イタリア語を学びたいけど、何から始めたらいいのかわからない」とお悩みの人もいるかもしれません。
イタリア語のアルファベットには、日本語にない発音があります。実際にネイティブの発音を聞いて、真似をしながら発音の練習をするのが効果的といえるでしょう。
オンラインレッスンができるitalkiなら、多数のネイティブ・プロの講師が在籍しており、自分の好きな講師を自由に選べます。
インターネット環境があれば、いつ・どこでもレッスンできるのも魅力のひとつです。
最短30分からレッスンを受けられるので、忙しい日々でも、スキマ時間にサクッとイタリア語を学べます。
添削やクイズなど無料のサービスも充実しているので、まずはitalkiのアプリをダウンロードして自分のレベルをチェックしてみましょう。
>トライしたい方はぜひitaIkiのオンラインレッスンに参加してみてください。
まとめ:イタリア語のアルファベットの読み方をマスターしよう!
この記事では、イタリア語のアルファベットについて解説しました。
- イタリア語のアルファベットには、日本語にはない発音がある
- 「J,K,W,X,Y」の5文字は、主に外来語の単語に使われる
- 「H」は発音しない
イタリア語のアルファベットの読み方は英語とは少し違うため、最初は慣れないこともあるかもしれません。
しかし、アルファベットの読み方はイタリア語の基本なので、しっかり覚えてイタリア旅行などで役立てましょう。
【関連記事】イタリア語を独学で勉強する方法を紹介!習得するための5つのコツやおすすめのサイトやアプリも!
【関連記事】イタリア語学習サイト13選を一挙紹介!~初心者から上級者向けまで~