「イタリア語で「Ciao」(チャオ)ってどういう意味?」「どういうときに使われるの?」と疑問に感じているイタリア語学習者もいるでしょう。
イタリア語で「Ciao」(チャオ)は、出会いや別れのときに気軽に使えるフレーズです。
実際にイタリアの街を歩いていると、いろいろなところで「Ciao(チャオ)!」と挨拶している声が聞こえてきます。
この記事では、北イタリアに住んで6年目、イタリア人のパートナーを持つ筆者が、「Ciao」(チャオ)の使い方や例文、「Buongiorno」(ブォンジョルノ)との違いなどについて解説します。
カタカナで表記した読みは、強調して発音するところが太字になっているので、ぜひ参考にして発音してみてください。
イタリア語「Ciao」(チャオ)の語源は?
今ではイタリアのどこに行っても耳にする「Ciao」(チャオ)ですが、おもしろい語源があるのをご存知でしょうか。
もともとイタリア語の「Ciao」(チャオ)は、ヴェネツィアの言葉であるヴェネト語に由来すると言われています。
古代ヴェネツィアの挨拶である「s’ciavo(あなたの奴隷です)」という意味の、相手を敬う表現として使われていたそうです。
「s’ciavo」から「s’ciao」、そして「Ciao」という現在の挨拶の言葉に転じていきました。
「Ciao」(チャオ)という覚えやすい響きで、世界中の人に親しまれている言葉ですが、古代では違った形で使われていたようです。
【関連記事】イタリア語のあいさつ一覧!自己紹介や日常会話などシーン別に徹底解説
「Ciao」(チャオ)はイタリア語の挨拶を意味する
「Ciao」(チャオ)は、イタリア語で出会いと別れのどちらの場面でも使われる、とても便利な言葉です。
ここでは「誰に対して」「どんな場面で使えるのか」を解説します。
親しい間柄で使われる
「Ciao」(チャオ)は、フレンドリーな間柄の相手に使えます。そのため、友人にはもちろん、家族や親戚にも使います。
イタリアでは、休日に友人の家に集まって、昼食を食べたり遊んだりする機会が少なくありません。そんなときには、必ずと言っていいほど友人の友人もいます。
もちろん初対面ですが、友人の家での集まりというフランクな場なので、「Ciao」(チャオ)と挨拶するのが自然です。
「Ciao」(チャオ)は親しい間柄で使われるフレーズなので、ビジネスの場面には適していません。ビジネスシーンでは、時間帯に合わせて以下のフレーズを使いましょう。
例:
【おはようございます】
Buongiorno(ブォンジョルノ)
【こんばんは】
Buonasera(ブォナセーラ)
1日中使える便利な言葉
地域によって差がありますが、以下のようにシーンに合わせてフレーズを使い分けることができます。
- 朝から夕方ごろまで:Buongiorno(ブォンジョルノ)
- 夕方以降:Buonasera(ブォナセーラ)
- 「おやすみ」の意味:Buonanotte(ブォナノッテ)
一方で、「Ciao」(チャオ)は、1日中どの時間帯でも使える魔法の言葉です。
困ったときはとりあえず、元気に明るく「Ciao」(チャオ)と挨拶しましょう。
別れ際にも使える
「Ciao」(チャオ)は、出会ったときの挨拶としてだけ使えるのではありません。「バイバイ」と別れ際の挨拶としても使えるのです。
イタリア語を学ぶうえで、はじめは覚えなければならない単語やフレーズがたくさんあります。
日本語には存在しない、女性名詞や男性名詞を覚えるのも簡単ではありません。
難しいイタリア語ですが、「Ciao」(チャオ)の一言で挨拶が完結するのは、簡単で嬉しいポイントの一つです。
電話の終わりには「Ciao」(チャオ)を連発
イタリア人はおしゃべり好きな人が多く、街を歩いていると電話をしている人をよく見かけます。
街の人や友人を見ていてもそうですが、電話を切るときには「Ciao」(チャオ)を連発するのです。
2〜3回「Ciao」(チャオ)を繰り返すのではなく、「CiaoCiaoCiaoCiaoCiaoCiao」とお互いに言い合ってから電話を切ります。
すべての人がそうではありませんが、イタリアを訪れたときには電話をしているイタリア人にも注目してみてください。
「Ciao」(チャオ)を使った実際に街でよく聞くフレーズ5選
「Ciao」(チャオ)だけで挨拶を交わす人もいますが、「Ciao」(チャオ)に呼びかけの言葉を加えて挨拶する人も多くいます。
ここでは、実際に街でよく聞く「Ciao」(チャオ)を使ったフレーズを5つ紹介します。
フレーズ①:「Ciao bella!/bello!」(チャオ ベッラ!/ベッロ!)
イタリアでは、「美しい女性(または男性)」という意味の「Bella」(ベッラ)や「Bello」(ベッロ)を使って呼ぶことが頻繁にあります。
「Bella」(ベッラ)は女性に向けて、「Bello」(ベッロ)は男性に向けて使います。
たとえば、野菜や果物などを売っている市場を歩くと、お店の人は、よく「Ciao bella!」(チャオ ベッラ!)とお客さんに声をかけていました。
また、友人同士でも使えるので、誰にでも使える便利なフレーズといえるでしょう。
なお、この表現はイタリア語初心者の人こそ使うべきフレーズです。イタリア人の名前は発音が難しいものがあったり、うっかり忘れてしまったりすることがよくあります。
本人に再度名前を聞きにくい場合は、「Ciao bella!/bello!」(チャオ ベッラ!/ベッロ!)と挨拶しておけば安心です。
後で誰か親しい人に、こっそりその人の名前を聞いておきましょう。
フレーズ②:「Ciao tesoro!」(チャオ テゾーロ!)
「Tesoro」(テゾーロ)とは「宝物」という意味です。
「Ciao tesoro!」(チャオ テゾーロ!)は、直訳すると「やあ、宝物!」という意味ですが、「やあ、私の大切な人」という意味で使われます。
お店で店員さんが使っているのを耳にしたことがありますが、恋人や家族、子供や仲の良い友人(同性)にも使えるフレーズです。
なお、「Tesoro」(テゾーロ)の語尾は男性・女性で変化しません。
フレーズ③:「Ciao amore!」(チャオ アモーレ!)
「Amore」(アモーレ)は、サッカーの長友選手が話していて、日本でも有名な言葉になりましたよね。
イタリア語で、「愛する人」という意味です。
情熱の国イタリアでは、恋人や配偶者、家族、子供、友人、そして犬までも「Amore」(アモーレ)と呼ぶことがあります。
男女どちらでも語尾は変わらず「Amore」(アモーレ)です。恋人や配偶者同士で、「Amo」(アモ)と省略して呼び合っているのをよく耳にします。
日本にはない習慣ですが、お互いを「私の愛する人」と呼び合うのは、さすが情熱の国といったところでしょう。
フレーズ④:「Ciao cara!/caro!」(チャオ カーラ!/カーロ!)
女性の場合は「Cara」(カーラ)、男性の場合は「Caro」(カーロ)と変化します。
イタリア語で「親愛なる、愛おしい、大切な人」などの意味があります。
英語の「Dear」にあたる言葉ですね。
イタリアでは日常生活でよく使われ、親しい友人やお店の店員さんもお客さんに向けて使います。
堅苦しい言葉ではなく、誰にでも気軽に使える言葉なので、日常会話に取り入れてみましょう。
フレーズ⑤:「Ciao ragazzi!/ragazze!」(チャオ ラガッツィ!/ラガッツェ)
「Ragazzo」(ラガッツォ)とは、単数の「男の子、少年」という意味で、「Ragazzi」(ラガッツィ)とすると、「男の子たち、少年たち」と複数になります。
「Ragazza」(ラガッツァ)は「女の子」、「Ragazze」(ラガッツェ)はその複数形です。
たとえば、友人の家に遊びに行くと複数の人がいるとしましょう。
そこで、みんなにまとめて挨拶するときは、「Ciao ragazzi!」(チャオ ラガッツィ!)と言います。
男性も女性もいる場合は、「Ragazzi」(ラガッツィ)を使います。女性だけの場合は、「Ragazze」(ラガッツェ)を使いましょう。
ちなみに、日本語の「男の子」「女の子」とは違い、イタリア語の場合は20代〜40代くらいの男女にも「Ragazzo」(ラガッツォ)や「Ragazza」(ラガッツァ)を使います。
なお、10代くらいの男の子には「Ragazzino」(ラガッツィーノ)、女の子には「Ragazzina」(ラガッツィーナ)を使いましょう。
【関連記事】イタリア語の単語集!日常会話で使う単語を品詞別に紹介
「Ciao」(チャオ)と「Buongiorno」(ブォンジョルノ)との違い
「Ciao」(チャオ)と「Buongiorno」(ブォンジョルノ)は、どちらも挨拶に使える言葉ですが、「Buongiorno」(ブォンジョルノ)は「おはようございます」という意味で、朝から夕方ごろまで使えます。
目上の人にも使え、ビジネスシーンでも失礼のない挨拶の基本の言葉です。
一方、「Ciao」(チャオ)は、出会いと別れのどちらにも使える便利な言葉です。
しかし、フランクな場で使うフレーズなので、ビジネスシーンなどで、目上の人や初対面の人には使わないように気をつけましょう。
イタリアだけでなく世界に広がる「Ciao」(チャオ)
「Ciao」(チャオ)は、イタリアだけでなく世界各国で使われているフレンドリーな挨拶の言葉です。
たとえば、イタリア語と綴りは違いますが、スペイン語では「Chao」(チャオ)と言われ、挨拶の言葉として親しまれています。
スペイン語では主に、別れの挨拶として「バイバイ」と同じように使われます。
ほかにも、フランスやドイツなど多くの国でイタリア語の「Ciao」(チャオ)は愛されているのです。
「Ciao」(チャオ)を使ってネイティブと気さくに会話してみよう
「イタリアが好きで、イタリア語を学んでみたい」「イタリア旅行で使えるフレーズを知りたい」と考えている人も多いでしょう。
しかし、「イタリア語教室に足を運ぶ時間がない」「費用が高い」など、なかなか一歩を踏み出せない人もいるはずです。
そのような方は、自分の好きな時間に、好きな場所でゼロから学べるオンラインレッスンのitalkiがおすすめです。
italkiなら自分の好きな講師を選べて、最短30分からレッスンができます。ネット環境があれば、スマホひとつでイタリア語を学べるのも魅力のひとつです。
日本にいながら、お茶を片手にネイティブと話せる環境なら、今まで続かなかった語学の勉強も無理なく続けられるでしょう。
italkiは添削やクイズ機能など、無料サービスが充実しているのもポイントです。
早速アプリをダウンロードして試してみてください。
>トライしたい方はぜひitaIkiのオンラインレッスンに参加してみてください。
まとめ:イタリア語の「Ciao」(チャオ)はマスター必須の挨拶表現
この記事では、イタリア語の「Ciao」(チャオ)の語源や、使い方、例文を紹介しました。
- 「Ciao」(チャオ)は、ベネツィアの言葉で「s’ciavo(あなたの奴隷です)」という意味が由来
- 「Ciao balla!」(チャオ ベッラ!)など気軽に使えるフレーズがある
- 「Ciao」(チャオ)は、出会いと別れのどちらの場面でも使える万能なフレーズ
今ではイタリアだけでなく、世界各国で使われている「Ciao」(チャオ)ですが、面白い語源がありました。
イタリア語は、日本人にも発音しやすい単語が多く、普段から耳にしていた単語がイタリア語だったという新しい発見もあり、楽しく学べる言語です。
おしゃべり好きのイタリア人と楽しく話してみたい人は、italkiを使ってみてください。
【関連記事】イタリア語を独学で勉強する方法を紹介!習得するための5つのコツやおすすめのサイトやアプリも!
【関連記事】イタリア語の数字一覧!1から2兆までの読み方や覚え方はこれだけ見れば大丈夫