グローバル化が進む昨今、会社からビジネス英語の習得や向上を求められる人も多いのではないでしょうか。
海外の取引先や海外支社の社員との連絡などで、問題なくスムーズに英語でのコミュニケーションができれば、仕事もさらに円滑に進んだり自分への自信にもつながることでしょう。
しかし日本の社会人は毎日仕事が忙しく、英語の勉強に割ける時間を見つけるのも一苦労ですよね。
そこで本記事では、米国の四年制大学で学士を取得した筆者が、忙しい社会人でもビジネス英語を効率的に習得できる勉強方法とおすすめの学習アプリを紹介します。
ビジネス英語の勉強方法5ステップ
忙しい社会人がビジネス英語を習得するためには、ただ闇雲に問題集を解いているだけでは果てしなく時間がかかってしまいます。
ですのでより効率的に勉強を進めるために、まずはじめに以下の<ビジネス英語の勉強方法5ステップ>を押さえておきましょう。
ステップ①:目標を明確に設定する
ビジネス英語の勉強を本格的に始めることを決心した際、まずはじめにやるべきことは明確な目標の設定です。
ただ「なんとなく」「英語ができたら何かと良さそうだから」と言ったモチベーションだとなかなか集中できなかったり継続できなかったりしてしまいます。
自分がビジネス英語を習得して具体的に何がしたいのか、何を達成したいのか、理想の自分の姿を明確にしておくことで勉強のモチベーションを高く保つことができます。
目標を設定する際は、以下のようにできるだけ具体的に書くことを意識しましょう。
ビジネス英語学習の目標例:
- 海外の取引先とのメールのやりとりを翻訳機を使わずにできるようになる。
- アメリカ支店への海外派遣を目指す。
- TOEICで800点以上取る。
- 英語でのプレゼンを自然に堂々とできるようになる。
- 海外の取引先とより良い関係を築けるくらい、コミュニケーションを取れるようになる。
目標が明確で具体的であるほどビジネス英語習得までの道のりがはっきりと見え、「今、自分は何をすべきなのか」がわかるようになります。
ステップ②:発音の勉強
ビジネス英語を習得する目的の多くの根本となる部分は「コミュニケーション」でしょう。
実際に英語話者と対面し会話をすることで、商談をしたり一緒に働いたりします。
そこで非常に大切となるのは、英語の発音の勉強です。
学生時代の英語の授業で「綺麗な発音で英語を話すのがなんとなく恥ずかしかった」「わざとカタコトの発音で練習していた」という経験のある方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、ビジネス英語ではそれは通用しません。相手に自分の意見や提案をはっきりと伝えるために、発音の練習はしっかりと行いましょう。
発音の練習はスピーキングの練習にもなり、口の動かし方や音の出し方がわかるようになりため、リスニングの向上にもつながります。
ステップ③:基礎の文法・単語の復習
何事においても、基礎がしっかりとしていることは最も重要です。
ビジネス英語も然り、基礎ができていなければ英語力の向上は不可能でしょう。中学英語もあやふやなのに、業界の専門用語や難しい言い回しが多く登場するネイティブのビジネスシーンへの参加は難しいでしょう。
ですのでビジネス英語を習得する際は、中学校で習う基礎的な文法や単語の復習から始めるのをおすすめします。中学英語は誰もが一度は習っているものですので、ある程度勉強しなおせばそれほど時間をかけずに思い出せるはずです。
基礎文法や基本単語に特化した教材やアプリを利用して、英語の基礎を固めましょう。
ステップ④:リーディング・リスニングの学習
英語学習において「インプット」系のスキルとして挙げられるのはリーディング・リスニングの2つです。
読む・聞くと言った動作を通して、頭の中に英語をインプットしていきます。
リーディングのおすすめ学習法
ビジネス英語においてリーディング力を向上させるためには、ビジネスシーンで頻出の単語や表現をインプットすることから始めましょう。
ここでポイントとなるのは、頻出語彙や表現を実際のビジネスシーンと紐付けながら頭に入れていくということです。テスト勉強のように参考書に日本語訳を書き込んでただただ暗記していくのではなく、オフィスでの状況や様々な取引のシチュエーションを思い描きながらインプットしていくことで、実際に必要な時にその表現がスッと出てくるようになります。
英語のビジネス新聞や時事ニュースの黙読・音読は、実生活と英語の表現がリンクしやすいのでおすすめです。
リスニングのおすすめ学習法
ビジネス英語のリスニング力を向上させるには、ニュースやビジネス系ポットキャストなどを聞くのがおすすめです。
映画や音楽といった商業的なコンテンツは、日常的でカジュアルな表現が多く使われるためビジネス英語の学習にはあまり向いてないでしょう。もし洋画で学びたい場合は、自身の業界を舞台にした作品を選ぶと、実際に使われる自然な表現を学ことができるでしょう。
BBCやVOA提供といった欧米の多くのニュース媒体は、無料でニュースを配信しているので活用してみてください。様々な業界のスペシャリストが彼らの専門知識をプレゼンする「TedTalk」というチャンネルも、フォーマルな英語のリスニング力を鍛えるのにおすすめです。
ステップ⑤:ライティング・スピーキングの学習
英語学習において「アウトプット」系のスキルとして挙げられるのはライティング・スピーキングの2つです。特にスピーキングは多くの日本人が苦手とする分野でしょう。
書く・話すといった動作を通して、今までに得た英語力をアウトプットしていきます。
ライティングのおすすめ勉強法
ビジネス英語におけるライティングの学習は、自分の目的や業務内容に繋がる練習がおすすめです。
たとえば、海外の取引先と英語でメールのやりとりをするためにビジネス英語を勉強しているのなら、ネイティブが実際に送るビジネスメールの基本構成やテンプレ・定型文などを覚え、シチュエーション別に実際にメールを書く練習をしてみましょう。
その他にも、プレゼンの台本作成や資料の作成などで使える簡潔でわかりやすい英文の書き方を練習することでライティング力は鍛えられます。
自分が書いた文章は、チューターやネイティブスピーカーなど、英語の話せる人に添削してもらうのが理想的です。
スピーキングのおすすめ勉強法
ビジネス英語においてスピーキング力を磨くには、実際に会話の練習をすることが不可欠です。
オンライン英会話などを利用して、チューターにビジネスシーンを想定した会話練習をしてもらうと効果的なトレーニングになるでしょう。
スピーキング力を向上させるには、とにかく「英語を話す」ことが大切です。頭の中で考えていることを英語で言葉にする練習を積み重ねましょう。
ひとり言を英語で言うのも、言葉に詰まりづらくさせるのにおすすめな練習方です。慣れてきたら、自分の業務や特定のビジネスシーンを想定したロールプレイを一人で行う練習もスピーキング力の向上に繋がるでしょう。
ビジネス英語の勉強におすすめのアプリ
ここからは忙しい社会人でも簡単にビジネス英語学習に取り組める、おすすめのアプリを5つ紹介します。
アプリ①:italki
italkiは生徒と講師を繋ぐオンライン英会話型の言語学習プラットフォームで、利用者は全世界で500万人以上にものぼります。様々な言語のプロ講師やチューターが全世界に2万人以上登録しており、生徒は自分の性格やニーズにあった講師を選ぶことができます。
講師はマンツーマンの日常英会話練習からライティングの添削、ディスカッションの練習など、生徒の目的に合わせた英語学習のサポートをしてくれます。
ビジネス英語の習得を目的とした場合、自分の講師と状況を設定したロールプレイで実践的なスピーキングの練習をすることができる上、自分の現状を客観的に判断してもらえる点が非常におすすめです。
italki (iOS)
italki (Android)
(講師とのレッスンは有料)
アプリ②:スピークバディ
スピークバディはAIと英会話練習を行うことでスピーキング力の向上を図るアプリです。音声認識やデジタル音声など最先端のAI技術を用いて開発されたアプリで、AIとの会話であるにも関わらず自然なフリートークができます。
アプリは日本人に多くみられる「英語の学習経験はあるにもかかわらず、いざ英語で話そうとすると言葉が出てこない人」のために開発され、オンライン英会話や英会話スクールでいきなりネイティブスピーカーと話すのはハードルが高い人でも、AIとなら気楽に始められるのが特徴です。
スピークバディ (iOS)
スピークバディ (Android)
(一部有料)
アプリ③:レシピー
レシピー(旧POLYGLOTS)はニュース英語を学習できる人気アプリで、英語のニュースを通じてフォーマルな表現やビジネスなどの専門用語を学ぶことができます。
実際の時事問題やビジネスニュースなどを取り上げているため、英語と実生活のイメージの関連付けがしっかりと行え、難しい表現でも頭に入りやすいのが特徴です。
レシピーでは、英語のニュース記事から語彙や表現の学習ができるほか、AIを用いた発音練習も行うことができます。
レシピー (iOS)
レシピー (Android)
(一部有料)
アプリ④:Speaking Biz
Speaking Bizは海外駐在員など、実際にビジネスシーンで英語を利用する人が多く登録する、ビジネス英語に特化した英語学習プラットフォームです。
一つ一つのレッスンが簡潔に終わるため、スキマ時間に簡単にビジネス英語を勉強することができます。
StandardとAdvancedから、自分のレベルにあったレベルで学習を進められ、ビジネスシーンで頻出する語彙や表現を身に付けることができます。
Speaking Biz
(有料)
アプリ⑤:TED
TEDは様々な業界のプロフェッショナルによる、バラエティ豊富なトピックのプレゼンを無料で視聴できるアプリです。その業界の一流の人たちが、一般の人でもわかりやすいように話してくれるプレゼンテーションなので、自分でも使えるプレゼンスキルのヒントを得ることができます。
テクノロジーや医学・科学・心理学・文化人類学など、テーマの数は2,000以上にものぼり、自分の興味や業界に合わせて動画を選ぶことができるので、飽きずに学習しやすいことが特徴です。
ビジネス英語を勉強するメリット
ここからは、学習のモチベーションを保つためにも知っておくべき「ビジネス英語を勉強するメリット」を3つほど紹介します。
メリット①:習得しやすい
日常英会話を習得するのに必要な語彙数は3,000〜4,000語と言われるのに対し、ビジネス英語に必要な語彙数は半分以下の1,500語ほどしかありません。
ビジネス英語では自分が業務で必要になる単語や表現を絞って学ぶことにより、日常英会話よりも効率的に英語学習を進めることができます。
またビジネス英語は「自分が仕事で実際に使う場面がある」という、英語と実生活のつながりを直接的に感じることができるため、主体的に学習することができるのです。
メリット②:キャリアアップにつながる
日本は自動車や半導体電子部品などの技術を海外に多く輸出する国にも関わらず、英語を話せる人材が多くありません。
中国など他のアジア諸国の輸出力が上がっている中、日本が国際的な競争力を保つためにも人材の英語力は非常に必要とされています。
社会人がビジネス英語を習得すれば人材としての価値が高まるため、仕事の選択肢が増え、キャリアアップにもつながることが期待されます。
メリット③:モチベーションを保ちやすい
ビジネス英語の学習は、日常英語の学習に比べてモチベーションが保ちやすいのも特徴です。
上記で挙げたように、ビジネス英語を習得することによって自分の仕事に直接活かせたり、キャリアアップにもつながるため、モチベーションを落とさずに勉強を継続しやすいでしょう。
ビジネス英語の勉強で身に付けるべきスキル
次に、実際に英語のビジネスシーンで求められるスキルを解説します。これらを踏まえてビジネス英語の学習を進めていくようにしましょう。
スキル①:発音
1つ目は発音です。ビジネスシーンの英語で最も大切なことは「相手に伝える」ということです。
そのためには、ネイティブスピーカーに通じる発音を身に付ける必要があります。
あまりにも強いアクセントのある英語を話すと、相手になかなか聞き取ってもらえなかったり、ミスコミュニケーションにも繋がってしまいます。
自分のメッセージを相手にしっかりと届け、ビジネスを円滑に進めていくためにも、正しい発音を身につけることは大切です。
スキル②:リーディング・リスニング
2つ目はリーディング・リスニング、いわゆる「インプット」系のスキルです。
資料やメールを読んだり、会議やプレゼンなどで相手が伝えたいことをきちんと理解するために、リーディング力・リスニング力は磨きましょう。
特に電話でのやりとりは顔が見えず雑音なども入るため、難易度が高くなってきます。英語での電話が業務で多くある方は、特に高度なリスニング力を身に付けられるよう練習しましょう。
スキル③:ライティング・スピーキング
3つ目はライティング・スピーキング、いわゆる「アウトプット」系のスキルです。
メールや資料作成、プレゼンテーションや会議などで自分の意思や提案を相手にきちんと伝えるために、ライティング力・スピーキング力を鍛えましょう。
英語でのビジネスメールはルールや定型文が多く存在するため、英文メールの業務が多い方はメールに特化した練習をするのがおすすめです。
英語話者の多い環境で仕事をする場合は特に、オフィスの中で明確な意思疎通を図るためにもスピーキングの練習は積み重ねましょう。
※②と③はあくまでも手段であり、ビジネスシーンでは実践的なコミュニケーションスキルも必要になってきます。ビジネスシーンで交渉力や相手の話を聞き出す会話が重宝されるのは日本語でも英語でも同じことです。これは実際に英語を仕事で使っていく上で少しずつ得られていくものでしょう。
まとめ
本記事では社会人に向けた、ビジネス英語習得のための勉強方法をおすすめアプリ5種類とともに解説しました。
- ビジネス英語ステップ① : 目標や目的を明確にする。
- ビジネス英語ステップ② : 発音の勉強をする。
- ビジネス英語ステップ③ : 基礎の文法・単語を復習する。
- ビジネス英語ステップ④ : インプット(リーディング・リスニング)の勉強をする。
- ビジネス英語ステップ⑤ : アウトプット(ライティング・スピーキング)の勉強をする。
アウトプット系の学習には英語ネイティブの第三者にアドバイスを貰うのが理想的です。italkiなら英語ネイティブの講師とのマンツーマンのレッスンで、発音の評価や自然な言い回しなどを教わることができるため、ビジネス英語の学習におすすめです。無料お試しレッスンも提供しているので、ぜひ利用してみてください。