中国語の文法に対して、どんなイメージをお持ちでしょうか?
文法を難しく感じている初心者の方も多いかもしれません。
ですが、文法は語学を習得する上で大事な学習項目です。
今回は、中国語学習経験が豊富な筆者が
- 中国語の文法の特徴
- 初心者に合った文法の勉強方法
- おすすめの問題集・教材
などをご紹介します。
文法学習で悩んでいる方はぜひご参考にしてください。
中国語の文法は簡単?その特徴とは
中国語を長年勉強していて、英語も勉強したことがある私にとっては、中国語の文法の方が英語よりも簡単だと感じています。
英語 : I teach you
私 教える あなた
中国語: 我 教 你
私 教える あなた
それぞれの文法は「S(主語)+V(動詞)+O(目的後)」です。
実は、基本の文法の形は英語と中国語は同じなのです。
それに英語のように単語の変化というものがありません。
動詞の過去形、現在形、現在進行形や名詞の単数、複数などを覚える必要はありません。
このことから、英語に馴染みのある日本人なら、中国語の文法は比較的受け入れやすいと思います。
中国語の文法は単語の順番(語順)が大切
中国語は動詞の変化がない上に、日本語の「てにをは」にあたる助詞もありません。
ではどのようにして、時制や意味を伝えるのかというと、語順が大切になってきます。
「我 教 你(私はあなたに教えます)」の「私・あなた」を入れ替えると、「你 教 我」となり、助詞を必要とせず意味を変えることができます。
中国語の基礎的な文法
中国語と英語の文法は似ているとは言っても、品詞などパターンによっては違う語順になることはもちろんあります。
しっかり基本の語順を覚えてしまえば効率的に文法の勉強を進めることが出来ます。
初心者がまずは押さえるべき文法をいくつか紹介します。
文法①:現在形
例1: 我学习中文。wǒ xué xí zhōng wén
私は中国語を勉強します
主語+動詞+目的語の基本語順です。
文法②:現在進行形
進行形を表す時によく使われる単語は「正在 zhèngzài (ヂォン ザイ)」です。
「ちょうど〜をしているところ」と言う表現で使います。
例1: 他 正在 学习(呢)。tā zhèng zài xué xí (ne)
彼はちょうど勉強をしているところです。
「正在+V+(呢)」の形で、呢は省略可能です。
中国語の進行形は現在の他にも、過去・未来を表す文章でも使うことができます。
過去形については後ほどご紹介します。
例2: 昨天 我 去 学校 的 时候,他 正在 学习。
zuó tiān wǒ qù xué xiào de shí hòu ,tā zhèng zài xué xí.
昨日私が学校へ行った時、彼はちょうど勉強をしていた。
文法③:未来形
中国語で未来形を表す時は、単語の変化などありません。現在形も過去形も全く同じ単語を使用します。
例1: 我明天学习中文。wǒ míng tiān xué xí zhōng wén.
私は明日勉強します。
現在形でも出てきた文章に、時制を表す単語「明天(明日)」を加えると、未来形になります。
例2: 我明天打算学习。wǒ míng tiān dǎ suàn xué xí.
私は明日勉強をするつもりです。
助動詞「打算」は、〜するつもり、〜する予定という意味でよく使われる表現です。
文法④:過去形
過去形を表す表現もいくつかあります。中国語に時制表現はないので、動作の状況などにより時間の表現をします。
例1: 我看了一部动画。wǒ kàn le yī bù dòng huà.
私は一つのアニメを見ました
まず紹介するのは、動詞のすぐ後ろに「了」を置く方法です。
簡単な方法なので、初級でも使いやすいと思います。
「了」=過去形と思いがちですが、全て過去形とは限りません。
「了」が表すのは「動作の完了」です。
※我吃饭了=ご飯を食べることの完了を表すので、「ご飯を食べました」となります。
吃饭了!=ここでの了は変化を表しているので、ご飯になった=「ご飯よ〜!」という意味になります。
例2:我明天买了书。wǒ míng tiān mǎi le shū.
私は昨日、本を買いました。
未来形でも紹介したように、時間を表す単語を使うことで表現することも出来ます。
他にも「上个月(先月)・10年以前(10年前)」などの単語が使えます。
文法⑤:否定形
中国語の否定文をつくるには「不」と「没有」を使うのが基本です。
どちらも副詞なので、主語の後、述語の前に置きます。
例1: 我不学习中文。wǒ bù xué xí zhōng wén.
私は中国語を勉強しません
中国語の否定文のほとんどがこの「不」を使用します。
例2:他还没有回来。tā hái méi yǒu huí lái.
彼はまだ帰ってきていません。
「没有」を使うケースはより限定されています。
没有を使うケース:
- 経験の否定
- 過去・完了の否定
- 結果補語の否定
例:3 我没有时间。wǒ méi yǒu shí jiān.
私は時間がありません
肯定文「我有时间(私は時間があります)」を否定する場合は、「没」を使用します。
所有している・存在するという意味の「有」を否定する際に「不」は使用できません。
文法⑥:疑問形
主な中国語の疑問文は5パターンあります。
初級レベルでよく出てくるのは疑問形1〜3なので、少なくともこれらは理解しておいた方が良いでしょう。
疑問形1:是非疑問文
例1: 吃饭了吗? chī fàn le ma?
ご飯は食べましたか?
文末に「吗」をつけることで疑問形になります。これが最も基本的な形です。
疑問形2:疑問詞疑問文
例1: 你去哪里? nǐ qù nǎ lǐ?
あなたはどこへ行きますか?
疑問詞を使用した疑問形です。
訪ねたい箇所に「什么时候(いつ),谁(誰),哪个(どれ),多少(どれくらい)」を入れて置き換えてください。
疑問形3:選択疑問文
例1:你去北京还是去上海?nǐ qù běi jīng hái shì qù shàng hǎi ?
北京に行きますか?それとも上海に行きますか?
「还是」を使用し選択を問う疑問形です。
疑問形4:反復疑問文
例1: 你去不去北京?nǐ qù bù qù běi jīng ?
あなたは北京に行きますか?
形容詞・動詞・助動詞の肯定と否定を反復させる疑問文です。
疑問形5:省略型疑問文
例1: 我已经吃饭了,你呢?wǒ yǐ jīng chī fàn le ,nǐ ne?
私は既にご飯を食べました。あなたは?
「呢」を使用する省略形疑問文です。聞きたいことがわかっている場合に使用する表現です。
自分の名前を名乗り、あなたは?と聞く時などにも使用できます。
中国語初心者におすすめの文法勉強法
中国語の文法の種類は、実はそこまで多くありません。
1級〜6級(最上級)まで設定されているHSKで例えると、3級・4級ではほぼ全ての文法が出てきます。
そのため、初級のうちにしっかり基礎文法を理解しておく必要があります。
解説が載っている文法用の教材を使用し、解説を読む→例文を解くということを繰り返しましょう。
間違えた問題は必ず振り返り、解説を読んで理解するようにしてください。
中国語の文法を勉強するためのおすすめの問題集
文法を勉強するときは、動画などを聞くだけや、会話の練習をするだけでは上達しません。
解説がしっかり載っている問題集で勉強することをおすすめします。
特に初心者の方は、教材を一冊終わらせてすぐ次の教材・問題集に移るのはおすすめしません。
中国語に慣れるという意味でも同じ教材を何度か繰り返しやってください。文法や単語などを覚える事もできます。
おすすめ問題集①:新ゼロからスタート中国語 文法編
ゼロから中国語を勉強する方におすすめの教材です。
ピンインの解説、練習から載っています。
ボリュームはそこまでありませんが、最初からガッツリやらずに、まずはこの教材で中国語に慣れたい方には程よいかと思います。
特徴:ボリュームはそんなに多くない、文法のポイントが抑えられている、見やすい
デメリット:単語は少なめ、カタカナの読みが付いている
おすすめ問題集②:本気で学ぶ中国語
“中国語の学習は「建物を建てる」行為と同じである”と主張する著者(趙 玲華)が作った総合教材です。
495ページにわたって発音・会話・文法を詳しく解説している内容になっています。
CD4枚分の会話の構文も多く掲載されていて、会話の練習をする事もできます。
特徴:ピンイン読みが表記されている、詳しい解説・構文が多い
デメリット:ボリュームが多いのが合わない人もいる
>>本気で学ぶ中国語
まとめ
初級でもよく使うと思われる中国語の文法をいくつかご紹介しました。
初心者のうちに基本文法をマスターし着実にレベルアップしましょう。
中国語の文法は英語と似たところもありつつ、英語よりもシンプルです。
入門・初級に向いた文法用の教材を用意し、少しずつ勉強すればしっかり身に付けることができるでしょう。
ネイティブの中国人から文法を教えてもらいたいときは、italkiがオススメ。
教師の資格を持った講師がたくさんいるので、基礎からしっかり学ぶことができます。
またレッスンは1回単位でも受講できるので、気軽にお試し方にピッタリです。
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