韓国語は他の外国語と比べて、日本人にとっては習得が難しくないといわれています。一方で、色々な理由で難しいと感じる方も多いようです。
- どのくらい勉強すれば話せるようになるのか
- 韓国語で難しいのはどういうところか
- 克服するにはどのようにすればよいか
韓国語の勉強を始めた方にとって、これらが気になるケースも多いでしょう。
この記事では、韓国語学習歴が10年以上で、日韓翻訳の業務経験のある筆者が、韓国語の習得が難しいとされる理由や、その解決法などについて解説します。
韓国語を学び始めた方はぜひ参考にしてください。
※記事中のカタカナ表記については、あくまで韓国語の読み方の目安とお考えください。
韓国語の習得には何時間かかる?
韓国語の習得にはどのくらい時間がかかるでしょうか。また、同じく隣の国の言語である中国語と比べるとどちらが難しいでしょうか。
韓国語と中国語ではどちらが難しい?
中国語教材の作成経験や日中・中日翻訳の経験もある筆者からみると、韓国語と中国語は「こちらのほうが難しい」とは断定できません。
あくまで筆者個人の意見ですが、言語習得のスキルに分けてみてみると、以下の3つが特徴として挙げられます。
- リスニングとスピーキングは語彙力を身につければ韓国語のほうが早く習得できる
- ライティングも韓国語のほうが早く上達する
- リーディングは中国語のほうが早く上達する
なお、言語の習得難易度や習得目安時間については、学習者の母語が何語であるかによって変わります。ここで述べる韓国語と中国語の習得難易度については、日本語を母語とする人を想定していることをご了承ください。
リスニングとスピーキングは語彙力を身につければ韓国語のほうが早く習得できる
韓国語と中国語は、語順の違いと発音の難易度の違いが顕著です。
韓国語の語順は日本語とほとんど同じですが、中国語は英語などと同じSVO文型を基本文型とするため、基本的に日本語とは語順が異なります。
発音の難易度については意見が分かれると思いますが、筆者個人は中国語のほうが発音習得が難しく感じます。
中国語には、日本語や韓国語にない「声調」があるため、ピンイン(読み方のローマ字表記)が同じでも、声調が違うと全く別の意味になるということがよくあるからです。
ライティングも韓国語のほうが早く上達する
ライティングに関しても、韓国語と中国語で語順と文構造の違いがあるからです。
韓国語のほうが日本語に近い特徴を備えている分、習得しやすいと言えます。
ただし、中国語は日本語・韓国語のような用言の活用がないので、活用変化を覚えなくてもよい点で難易度が少し下がります。
リーディングは中国語のほうが早く上達する
リーディングに関しては、中国語の漢字のほうがハングルよりも視覚的に認識しやすいため、中国語のほうが上達しやすいです。
また、漢字が表意文字であるのに対してハングルは表音文字であり、例えていえば「精密な仮名文字」であるといえます。
特に、漢字語では日本語と同じように同音異義語が多くありますが、日本語では漢字で書けば区別できます。しかし、韓国語の場合、同音異義語がすべて同じつづりになるので、どれにあたるのかは前後の文章から判断しなければなりません。
中国語の文法は日本語や韓国語とは全く違うので、正確に読解するためには文法知識も必要です。しかし、やはり漢字は日本人にとって視覚的に最も認識しやすい文字であるといえます。
ただし、中国語の簡体字独特の簡略化した漢字もかなり多くあります。また、意味が同じでも日本語とは異なる漢字を使う単語も多いので、上級レベルの文章を解釈するには相応の語彙力が必要です。
韓国語の習得時間は約1,000時間
韓国語を日本語と同じように話せて、韓国語の会話も理解できるレベルに到達するまでに必要な時間は、約1,000時間とされています。
約1,000時間の学習時間は、英語の場合と比較すると明らかに少ないことがわかります。
たとえば、日本語の環境で育った人が英語を1,000時間ほど学んで到達できるレベルは、英検でいえば準2級程度です。
英語の場合「1,000時間=小学校高学年から中3くらいまでの学校での勉強時間」を前提としているので、他の外国語を勉強する場合と条件が同じではありません。
英語と韓国語は前提の知識量が異なるものの、韓国語は学習にかかる時間は比較的少なく済むのです。
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韓国語の習得が難しい3つの理由
韓国語は、語順が日本語と同じであることや、日本語と似た単語が多いことなどから習得しやすいと考えられる一方で、習得に難しさを感じることもあります。それは主に次の3つの理由によります。
- 文字(ハングル)を覚えるのに時間がかかる
- 韓国語独特の音や発音変化のルールを習得するのに時間がかかる
- 動詞・形容詞の活用変化を覚えるのに時間がかかる
理由①:文字(ハングル)
韓国語が難しく感じる一番の理由は、特有の「文字」です。
中国語の簡体字も日本語の漢字とは異なる形の文字が多いですが、日本語の漢字を知っていればなんとなく分かることも多くあります。
ハングルの場合、読み方を知らなければ、読むことも書くこともできません。
全く知らない文字を1から覚えることになるため、なかなか覚えられないと感じるのは無理もないでしょう。
理由②:韓国語独特の音や発音変化のルール
韓国語には、濃音・激音といった日本語にはない音があります。
母音の数も日本語より多いので、日本語の母音にない音があったり、似ているが少し違っている音があったりするのも難しさの原因です。
また、連音化や濃音化・激音化などの発音変化がたびたび起こるので、つづりと実際の発音が違うこともよくあります。
最初はこれらをとても覚えきれない、覚えるのが面倒だと思ってしまう人もいるでしょう。
理由③:動詞・形容詞の活用変化
韓国語では、名詞・副詞は変化しませんが、動詞と形容詞は多様に変化します。
変化の仕方は日本語と似ているのですが、外国語として1から覚えるとなると、ハードルの高さを感じてしまう人が多いようです。
韓国語の習得が難しい理由を解決する方法
韓国語の文字や発音、活用変化などをマスターするのに手間がかかることは否定できません。
しかし、これらを習得するのに特別の才能が必要なわけではありません。以下、韓国語の習得が難しく感じられる理由を解決する方法を解説します。
理由①:「ハングルが覚えられない」の解決方法
ハングルが覚えられないことの解決方法は、日々の学習の中で音声と文字を繰り返し照らし合わせるのがおすすめです。
ハングルは数が限りなくあるように思えますが、日本語の漢字に比べればずっと少なく、母音+子音の組み合わせのパターンも規則的です。
しかし、文字だけを覚えようとすると、韓国語学習そのものに挫折してしまうおそれもあるため、音声と文字をセットにすると理解しやすくなります。
具体的な方法として、以下の内容を参考にしてください。
- 「アンニョンハセヨ」「カムサハムニダ」などの挨拶表現や簡単な会話表現の音声を繰り返し聴く(文字は見ても見なくてもよいが、それぞれの表現の意味はわかる状態で聴く)
- ハングル表とその会話表現の文字を参照しながら、「カムサ ハムニダ→감사 합니다」などと、音に文字をあてていくイメージで文字を覚える
このやり方をほかの色々な挨拶表現や会話表現でも実践すると、言葉の理解が深まるのはもちろん、幅も広げられるでしょう。
理由②:「韓国語独特の音や発音変化のルールを覚えられない」の解決方法
濃音・激音や、日本語にない母音については、文字を見ながら音声を繰り返し聞くことで解決できます。
- 入門書やネットの解説記事などの発音解説部分の音声
- 通常の単語集
上記だけでなく、文字と音声を同時に確認できればなんでもOKです。
発音変化のルールについては、最初からすべて覚える必要はありません。最初にひととおり学習してから、日々の学習の中で繰り返し確認していけば次第に身につきます。
どうしても早く覚えたい場合は、以下の方法もおすすめです。
- 参考書の発音変化のルールの説明または発音変化についての解説記事を、ノートまたはスマホのメモ帳などにまとめる
- ほかの人に教えるつもりで、まとめた内容を説明する
ご自身に合う方法で、音声を有効活用しましょう。
理由③:「動詞・形容詞の活用変化を覚えるのに時間がかかる」の解決方法
動詞や形容詞の活用変化を早く覚えたい場合は、以下の方法を実践してみてください。
- 動詞・形容詞の活用変化辞典を用意する(収録語彙数500以上のもの)
- 動詞または形容詞を1日10個ずつくらい選び、主語や目的語などを少し足しながらそれぞれの活用形を声に出して読んだり書き写したりして暗記する
- 同時に文法参考書の「語尾」の項目をまとめて勉強する
短期集中でこの方法を実践してから通常の作文練習などのアウトプットを積み重ねていけば、活用変化に強くなれるでしょう。
【関連記事】韓国語が難しい4つの理由とは?独学の難しさを克服する3つの方法を解説
韓国語の習得時間を短縮したいならネイティブと練習しよう
最短で韓国語を習得したい方には、アプリを活用した学習が効果的です。
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特に、発音のコツや、教科書では学べないリアルな表現などを強化したい方はぜひ取り入れてみてください。
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オンラインレッスンは最短30分から受講可能、料金は都度払いなので金銭的な負担がとても少ないのが特徴です。
ネイティブやプロの講師も多数在籍しているので、本格的なレッスンを受けられます。
添削やクイズ機能など無料で使える機能も充実しているので、韓国語力を伸ばしたい方はぜひアプリをインストールしてみてください。
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独学でわからないところはコミュニティで質問できる
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韓国語についてわからないことを質問できるので、周りに韓国語ネイティブがいない人はぜひ使ってみてください。
スマホの場合
- 画面下部の地球マークをタップ
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まとめ:ポイントを押さえて韓国語の習得時間を短縮させよう
この記事では、韓国語の習得に必要な時間、中国語との習得難易度の比較、韓国語が難しいと感じる3つの理由と解決方法を紹介しました。
韓国語以外にも色々な特殊文字言語を学んでいる筆者からみて、韓国語学習はまずハングルと発音をマスターすることによって「壁」がなくなり、一気に道が開けるように思えます。
ただし、最初に文字と発音を完璧にマスターする必要はなく、会話表現や文法の学習を積み重ねていく中で、頻繁に文字と音の関係を確認していけばよいでしょう。
日本人が韓国語を難しいと感じる部分の多くは、勉強で得た知識をネイティブとのコミュニケーションで実践することで強化できます。
独学で韓国語を勉強している方も、アプリなど気軽にネイティブとのコミュニケーションをとれるツールを利用して、韓国語に慣れるようにしていきましょう。
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