「イギリス英語にはあこがれるけど、アメリカ英語との違いや勉強法がわからない」と考える人は多いものです。

British accentとも言われるイギリス英語は、世界的にも魅力的なアクセントです。イギリス訛りの英語を使いこなせば、知的な感じでステキですよね。

アメリカ英語に慣れている日本人には、イギリス英語の勉強は難しいと感じるかもしれません。イギリス人やアメリカ人と3年間チームで働いた筆者も、慣れないアクセントに大変苦労しました。

そこで、この記事ではイギリス英語の特徴やアメリカ英語との違いを解説します。実際に効果のあった効果的な勉強法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

イギリス英語の特徴4つ

日本人にとって、イギリス英語は「聞きとりにくい英語」という印象かもしれません。しかし、海外のイギリス英語に対する印象は異なります。

特徴①:イギリス英語は「知的」で「かっこいい」イメージがある

地域密着化型のグローバルシティガイドであるTimeOutが行った調査では、約25%の人が「イギリス英語は最もセクシーだ」と答えています。(2020年30カ国37,000人を対象に調査)

また、2022年にPreply社がアメリカ人1,000人を対象に行った調査でも「イギリス英語が最も知的で、セクシーである」という結果が出ています。

2位に位置するオーストラリア英語も、イギリス英語から派生したものです。このことからも、世界的にBritis accentが好意的に捉えられていることがわかります。

引用元:

特徴②:イギリス英語は「地域差」が大きい

イギリスは、次の4つの国で成り立っており、地域によって奉献の差が大きいのが特徴です。

  1. イングランド
  2. ウェールズ
  3. スコットランド
  4. 北アイルランド

イギリス英語の方言を細かく分ければ、40もの種類があるといわれています。イギリスには、いまだ根強く階級社会が残っており、地域や訛りによって教養や社会的地位が判断されます。

有名なイギリスの方言は、次の9つです。

  1. RP(標準英語)
  2. スコティッシュ(スコットランド)
  3. ジョーディー(ニューキャッスル地方)
  4. スカウス(リバプール)
  5. ヨークシャー(イングランド北部)
  6. ウェルシュ(ウェールズ)
  7. ウェスカウントリー(西部地方)
  8. エセックス(ロンドン北部)
  9. コックニー(東ロンドンの下町)

イギリス国内でも「ヨークシャー訛りはかっこいい」「ウェルシュ訛りは美しい」など、地域ならではのイメージがあります。

特徴③:イギリス英語は「ローマ字読み」に近い

イギリス英語は、ローマ字読みどおりに発音することが多いのも特徴です。

【イギリス英語の発音例】

  • water:ウォーター
  • tomato:トマートー
  • butter:バター
  • girl:ガール
  • box:ボックス

サムライEnglishに代表される、日本人が陥りがちなローマ字読みですが、無理に修正しなくても「イギリス英語で話しているだけ」と思われるかもしれません。

アメリカ英語の発音は、ローマ字読みでは伝わらないことがほとんどです。詳しい違いは後ほど説明します。

特徴④:イギリス英語を話す国の数はアメリカ英語より多い

イギリス英語とアメリカ英語の世界的な使用状況について、次のことが言えます。

  • イギリス英語を話す国のほうが多い
  • アメリカ英語を話す人口のほうが多い

イギリスは歴史的背景から、支配してきた国の数だけイギリス英語を話す国が存在します。また、アメリカ英語話者のほうが多いのは、長い間ビジネスの中心としてアメリカが君臨してきたためです。

イギリス英語とアメリカ英語の違い

世界共通語でもある英語は「イギリス英語」と「アメリカ英語」に大別されます。具体的には、次の4つの点において異なります。

  1. 発音
  2. スペル
  3. 単語
  4. 文法

発音や単語については、私たち日本人はアメリカ英語をベースに学習しているため「聞き取りにくい」「そもそも単語を知らない」と感じてしまいます。

スペルに関しては、語尾が異なるだけであることがほとんどです。見た目で理解できるため大きな問題になることはありません。

【例】

  • colour(イギリス英語)color(アメリカ英語)
  • theatre(イギリス英語)theater(アメリカ英語)

文法の大きな違いは「過去形」の作り方です。アメリカ英語は「過去形」、イギリス英語は「過去完了」の使用を好みます。

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イギリス英語の発音の特徴

イギリス英語の発音には、母音と子音それぞれに次のような特徴があります。

【子音の特徴】

  • 「r」を発音するとき、しないときがある
  • 「t」をはっきり発音する
  • 「l(エル)」には明るい/ 暗い音がある
  • 「/j/」を発音するとき、しないときがある

【母音の特徴】

  • 母音を短く発音する
  • 「ア」には7つの発音がある
  • 「オ」には3つの発音がある

これらの特徴によって、British accent独特の響きを作り出しています。

イギリス英語の発音について、さらに詳しく知りたい人は関連記事を参考にしてください。

イギリス英語の勉強法4ステップ

イギリス英語を習得するには「インプット」と「アウトプット」を繰り返すのが有効です。

インプットとは、リーディング、リスニングなど英語で情報を頭に入れることです。反対に、アウトプットとはライティングやスピーキングなど、すでに持っている知識を使って、発信することを指します。

ステップ①:イギリス英語のドラマや映画を観る

まずは、インプットとしてイギリス英語に触れる時間を増やしましょう。好みにあったイギリス英語の映画やドラマを見るのがおすすめです。

学習のためには、何度も繰り返し視聴する必要があります。繰り返し見ても飽きにくい作品が良いでしょう。

次のステップで、音声や字幕を変えながら視聴します。

  1. 日本語字幕・英語音声(イギリス英語の音に慣れる)
  2. 英語字幕・日本語音声(単語やフレーズを確認する)
  3. 英語字幕・英語音声(スペルと音を一致させる)

上記のステップを繰り返し、イギリス英語に耳を慣れさせていきます。

ステップ②:お気に入りのイギリス英語フレーズを見つける

次に、映画やドラマの中からお気に入りのフレーズを3つほど見つけましょう。次のような基準で選ぶと、実践的な英会話をするときに役立ちます。

  • 意味が深く感動するフレーズ
  • 日常的に使えそうなフレーズ

例えば『ハリーポッターと死の秘宝パート1(2010年)Harry Potter and the Deathly Hallows』では、次のセリフがあります。

【やましいことがなければ、恐れることはない】
You have nothing to fear, if you have nothing to hide.

上記のフレーズは、友達を励ましたり、自分を鼓舞したりするときに使えそうです。

ステップ③:イギリス英語の単語やフレーズを発音練習する

ここからは、少しずつアウトプットに移行していきます。

お気に入りのフレーズを見つけたら、発音練習を始めましょう。映画やドラマの登場人物になりきって練習するのが秘訣です。

具体的には、次の手順でオーバーラッピングやアテレコを行います。

オーバーラッピングとは、お手本の音声と同時進行で発音することです。また、アテレコとは、音声を消して登場人物の口の動きに合わせて発音することを指します。

具体的には、次の手順で発音練習をします。

  1. 音声の速度を落としてオーバーラッピングする
  2. 徐々に速度を上げながらオーバーラッピングする
  3. アテレコをする

アテレコの段階へ進むまでに、オーバーラッピングのステップを何度も繰り返す必要があるかもしれません。ノーマルスピードで発音できるまで練習しましょう。

オーバーラッピングやアテレコでは、発音だけでなく表情やジェスチャーも真似するのがおすすめです。

以下の映画は、聞き取りやすいイギリス英語が使われていておすすめです。

  • ブリジット・ジョーンズの日記シリーズ(Bridget Jones’s Diary)
    ヒュー・グラントのオックスフォードアクセントがチャーミングです。
  • ハリーポッターシリーズ(Harry Potter)
    ハグリッド役のイギリス英語はWest countryの田舎のなまりを話しています。
  • チャーリーとチョコレート工場
    お子さまも一緒に楽しめる世界的名作。アメリカ人のジョニーデップは作品内でイギリス英語を使っています。

ステップ④:イギリス人講師と英会話レッスンで実践練習する

いよいよ、本格的なアウトプットの開始です。練習したフレーズを自分のものにするためには、実際に使ってみるのが一番です。

そこでおすすめなのが、英会話レッスンを利用して、イギリス人講師と実際に会話してみることです。大切なのは「練習したフレーズを使う」という意識を持ってレッスンを受けることです。

実際の場面でフレーズを使用することで、エピソード記憶となり知識が深く定着します。エピソード記憶とは「思い出」のように、実際の体験にもとづいた記憶のことです。

日本人がイギリス英語を勉強するメリット・デメリット

日本人がイギリス英語を勉強する場合の、メリットとデメリットを紹介します。デメリットへの対処法も紹介するので参考にしてください。

メリット:発音しやすい

イギリス英語には、日本人の苦手な発音が含まれず、発音しやすいのがメリットです。

例えば「r」の発音は、日本人が苦手な音の代表です。学校では「舌を巻いて、唇をすぼめながら発音しなさい」と言われて気恥ずかしさを感じた人もいるでしょう。イギリス英語なら、音を伸ばして発音するだけです。

また「t」の発音に関しても、アメリカ英語ではほとんど発音しないか「ラ行」と「ダ行」の間のように発音します。日本人が苦手意識を持ちやすい音のひとつです。イギリス英語ではローマ字読みと同じ「タ行」で発音します。

「r」と「t」の音を含む ”water” を例に挙げると、次のような発音になります。

  • アメリカ英語「ウァラァ」
  • イギリス英語「ウォーター」

英語には「発音できない英語は聞き取れない」という原則があります。裏を返せば「発音できれば聞き取れる」ということです。日本人にとってイギリス英語が発音しやすいなら、聞き取りもしやすいはずです。

デメリット:教材が少ない

日本人がイギリス英語を学ぶデメリットは、教材が手に入りにくいことです。

日本での英語教育はアメリカ英語をベースにカリキュラムが組まれており、販売されている英語教材もアメリカ英語で収録されているものがほとんどです。

イギリス英語のみで構成されている教材は少ないため、インプットやアウトプット教材を自分自身でピックアップしていく必要があります。

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まとめ|イギリス英語を本格的に勉強したいあなたへ

イギリス英語は世界的にみても「かっこいい」と評価されるアクセントです。イギリス英語を本格的に勉強するには、イギリス英語の特徴4つを確認しておきましょう。

  1. 世界的に「知的」で「かっこいい」イメージがある
  2. 方言の「地域差」が大きい
  3. 発音が「ローマ字読み」に近い
  4. イギリス英語を話す国の数はアメリカ英語より多い

イギリス英語を習得するには、次の4つのステップで勉強するのがおすすめです。

  1. イギリス英語のドラマや映画を観る
  2. お気に入りの単語やフレーズを見つける
  3. 単語やフレーズを発音練習する
  4. イギリス人講師と英会話レッスンで実践練習する

耳慣れないため難しく感じるイギリス英語ですが、日本人にとってはローマ字に近く発音しやすいのがメリットです。オーバーラッピングのトレーニングや、イギリス人講師との英会話で徐々に聞き取りやすくなるでしょう。

この機会にイギリス英語の勉強を本格的に始めて、「知的」で「セクシー」なBritish accentを使いこなしてください。

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