英語学習を続けている方のなかには、イギリス英語とアメリカ英語の違いが気になるという方も多いのではないでしょうか。
「イギリス英語とアメリカ英語、どっちを選んで勉強したらいいの?」「イギリス英語とアメリカ英語は具体的にどう違うの?」などの疑問や悩みをお持ちの方もいるかもしれません。
この記事では、イギリスに9ヶ月間留学した経験のある筆者が、イギリス英語とアメリカ英語を選ぶ3つのポイントや、イギリス英語とアメリカ英語の具体的な4つの違いなどについてわかりやすく解説します。
イギリス英語とアメリカ英語、それぞれを学ぶメリットも紹介しますので、どちらを勉強しようか迷っている方はぜひ参考にしてください。
イギリス英語かアメリカ英語を選ぶ3つのポイント
イギリス英語かアメリカ英語のどちらを勉強すべきかは、一人ひとりの英語学習の目的や、今後のプランなどによって異なります。
どちらかを選択するときに意識してほしい3つのポイントについて、一つずつチェックしていきましょう。
ポイント①:将来自分が行きたい国で選ぶ
将来自分が行きたい国がある方は、その国で使われている英語を学ぶのがベストです。
イギリス旅行に行きたい、イギリスの大学に進学したいという方であればイギリス英語を学んだほうが良いでしょう。将来的にアメリカに移住したいという方であれば、アメリカ英語を勉強する必要があります。
英語を使ってどの国で何がしたいのか、選ぶ前に改めて考えてみると良いでしょう。
ポイント②:仕事相手がどこの国かで選ぶ
仕事で英語を使う機会があるという方は、仕事相手がどこの国なのかというのも重要なポイントです。
海外と取引がある会社に勤めている場合、取引先の国で使われている英語を学んだほうが良いでしょう。
外国人と同じ職場で働いている方は、上司や同僚が話している方の英語を学んだほうがコミュニケーションがスムーズになります。
仕事でより使う機会が多い方の英語に絞って勉強してみると良いのではないでしょうか。
ポイント③:発音などが好きな方で選ぶ
海外に行く予定や仕事で英語を使う予定もないという方は、シンプルに好きだと感じるほうの英語を勉強しましょう。
海外映画やドラマを見ていて、発音や言い回しがかっこいい、好きだと思う直感をもとに選択するのもおすすめです。
お気に入りの海外アーティストや俳優・女優がいる方は、その人が話しているほうの英語に憧れがあるかもしれません。
好きだなと思う方の英語を選んで勉強すれば自然に学習意欲も高まるでしょう。
イギリス英語とアメリカ英語の具体的な4つの違い
イギリス英語とアメリカ英語には、主に発音、スペル、単語、文法などに違いがあります。それぞれ具体的にどのような違いがあるのか詳しく見ていきましょう。
違い①:発音
イギリス英語とアメリカ英語では、母音や子音の発音方法にさまざまな違いがあります。
イギリス英語にはたくさんのアクセントがありますが、ここではイギリスの標準発音である容認発音(Received Pronunciation、RP)、そのなかでも現代のModern RPの発音と、アメリカ英語を比較して見ていきましょう。
イギリス英語とアメリカ英語の発音で、特に違いが明らかなのは「R」の発音と「T」の発音です。
- Rの発音
イギリス英語では、「R」は「right」、「room」など、あとに母音が続くときだけ発音されます。「word」のように、「r」のあとに子音が来るときや、「colour」など、語末が「R」のときは発音されません。
一方、アメリカ英語では、「R」はつねに発音されます。「R」をしっかり、よく響くように発音するのがアメリカ英語の特徴です。
- Tの発音
イギリス英語では「T」は「T」のまま、スペルどおりに発音されます。例えば「letter」は、レターのように発音すれば良いので、カタカナ英語に近い発音と言えるでしょう。
一方、アメリカ英語では母音と母音にはさまれた「T」は、「D」や「R」に近い音に変化するのが特徴です。そのため「letter」の発音は、レダーやレラーに近い音に聞こえます。
【関連記事】イギリス英語の発音の特徴7選!アメリカ英語の違いとおすすめ練習法も解説
違い②:スペル
イギリス英語とアメリカ英語ではスペルにも違いがあります。ここではスペルの違いのなかでも、特に代表的な語末のパターンの違いを3つ見てみましょう。
- イギリス英語-yse/アメリカ英語‐yze
「分析する」という意味の単語は、イギリス英語では「analyse」なのに対して、アメリカ英語では「analyze」となります。
- イギリス英語-our/アメリカ英語-or
「色」という単語は、イギリス英語では「colour」です。一方、アメリカ英語のスペルは「color」で、より実際の発音に近いスペルになっています。
- イギリス英語-re/アメリカ英語-er
「中心」という意味の単語は、イギリス英語では「centre」です。アメリカ英語では「center」なので、語末のスペルが逆になると覚えてください。
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いは『イギリス英語の手帖』が作成している以下の資料が参考になります。
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違い③:単語
イギリス英語とアメリカ英語では、同じ意味でもまったく別の単語が使われていることが珍しくありません。
単語の違いのなかで、特によく知られているものを3つ紹介します。
- 地下鉄
イギリス英語で地下鉄は「underground」と書き、ロンドンの地下鉄は市民から「tube」というニックネームで呼ばれています。
一方、アメリカ英語の場合、地下鉄は「subway」です。
- フライドポテト
イギリス英語のフライドポテトは「chips」で、白身魚のフライにフライドポテトを添えた、イギリスの名物料理フィッシュアンドチップスは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
一方、アメリカ英語では、フライドポテトは「french fries」です。
- アパート
イギリス英語でアパートは「flat」と書く一方で、アメリカ英語の場合は「apartment」と書きます。
最近では、イギリスでも「apartment」という言葉が使われるようになってきました。
しかし、イギリスでの「apartment」は日本語のアパートのイメージとは違い、より高級な部屋の意味で使われています。
違い④:文法
イギリス英語とアメリカ英語では、文法にもいくつかの違いがあります。そのなかから2つの文法の違いを見てみましょう。
- 現在完了形と過去形
イギリス英語では、現在に繋がる過去について話すときは、現在完了形が使われるのが一般的です。
一方、アメリカ英語では過去形を使って表されることが多く、イギリス英語ほど現在完了形は使われません。
イギリス英語の場合:
【デイビッドは具合が悪い。アイスクリームを食べ過ぎたんだ。】
David feels ill. He’s eaten too much ice cream.
アメリカ英語の場合:
【デイビッドは具合が悪い。アイスクリームを食べ過ぎたんだ。】
David feels ill. He ate too much ice cream.
- 集合名詞のあとのbe動詞、動詞
イギリス英語とアメリカ英語では、集合名詞のあとに続くbe動詞、動詞の使われ方に違いがあります。
集合名詞とは、特定の人やもののグループを表す単語のことで、staff、government、class、team、familyなどが挙げられます。
イギリス英語では、集合名詞は複数形として扱われることが一般的です。単数形が使われる場合もありますが、複数形を使うことのほうが多いでしょう。
一方、アメリカ英語の場合、集合名詞は単数形として扱われています。
イギリス英語の場合:
【週末に私の家族が来るの。】
My family are coming this weekend.
アメリカ英語の場合:
【週末に私の家族が来るの。】
My family is coming this weekend.
イギリス英語とアメリカ英語どっちが多いか
世界的に見て、イギリス英語とアメリカ英語はどちらが多く話されているのでしょうか。
世界で英語を話している人の人口で見ると、アメリカ英語を話している人の方が多いと言われています。しかし、英語を話している国の数で見ると、実はイギリス英語が話されている国のほうが多いのです。
イギリス英語とアメリカ英語が実際にどの国で話されているのか見てみましょう。
イギリス英語が使用されている国
過去にイギリスの植民地であった国を中心に、世界中の多くの国で、イギリス英語が話されています。具体的には、以下に挙げた国はイギリス英語がベースです。
- アイルランド
- オーストラリア
- ニュージーランド
- インド
- マレーシア
- 香港
- マルタ
- 南アフリカ
- 西アフリカなど
ヨーロッパ諸国の学校でも、英語教育にはイギリス英語が使われています。
アメリカ英語が使用されている国
アメリカ英語が話されているのも、過去にアメリカ領となった歴史のある国です。具体的には以下の国がアメリカ英語を使用しています。
- フィリピン
- プエルトリコなど
カナダに関しては、発音や文法はアメリカ英語に近いですが、スペルはイギリス英語式のものが使われてます。
日本や韓国の学校で教えられている英語は、アメリカ英語が中心です。
イギリス英語とアメリカ英語どっちが簡単か
イギリス英語とアメリカ英語はそれぞれに特徴があり、どちらが簡単とは言い切れません。
日本人が小学校から中学、高校、大学まで教えられている英語は、主にアメリカ英語です。アメリカの映画やドラマに触れる機会も多いので、アメリカ英語のほうに馴染みがある方が大半ではないでしょうか。
一方、イギリス英語は先ほど述べた「R」や「T」の発音をはじめ、日本人にとって発音しやすい特徴があると言われています。
「イギリス英語には慣れていなかったけど、勉強してみたら意外に簡単に感じた」という方もいるかもしれません。
イギリス英語とアメリカ英語それぞれのメリット
イギリス英語を学んだ場合とアメリカ英語を学んだ場合で、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。イギリス英語、アメリカ英語、それぞれのメリットをまとめました。
イギリス英語を学ぶメリット
イギリス英語を学ぶメリットは以下の点が挙げられます。
- イギリスへの留学、移住に役立つ
- オーストラリア人、ニュージーランド人ともコミュニケーションが取りやすくなる
- ヨーロッパ、インド、アフリカなど世界のさまざまな国の人に通じやすい英語が学べる
- 世界会議でも使われているフォーマルな英語が学べる
- 話し相手に上品で知的なイメージを持ってもらいやすい
- 発音が日本人向き
- イギリスの映画やドラマなどがより楽しめるようになる
アメリカ英語を学ぶメリット
アメリカ英語を学ぶメリットは以下のとおりです。
- アメリカへの留学、移住に役立つ
- 話し言葉はカナダ英語に近いため、カナダ人ともコミュニケーションが取りやすくなる
- 日本の学校で習った英語なので勉強し慣れている
- シンプルでカジュアルな英語が学べる
- アメリカの映画やドラマなどがより楽しめるようになる
自分が学ぶ理由や目的に照らし合わせて、メリットが大きいほうを選びましょう。
関連記事:【初心者必見】英会話を独学で身につける方法!おすすめの勉強方法や教材も紹介
英語の理解はネイティブスピーカーと話すのがおすすめ
英語を深く理解するには、ネイティブスピーカーと話す機会をできるだけ多く持つようにするのがおすすめです。
会話練習を重ねることで、実践的な英語力が身につくでしょう。
日本国内でネイティブと話したいときにおすすめしたいのが、オンライン言語学習プラットフォームのitalkiです。
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まとめ|イギリスとアメリカ英語の違いを理解して学ぶ言語を決めよう
イギリス英語とアメリカ英語のどっちを学ぶべきか、選ぶ際のポイントや具体的な違いなどについて解説しました。
- イギリス英語かアメリカ英語を選ぶ際は、①将来自分が行きたい国で選ぶ、②仕事相手がどこの国かで選ぶ、③発音などが好きな方で選ぶ
- イギリス英語とアメリカ英語の具体的な違いは、①発音、②スペル、③単語、④文法
- 世界で話している人口はアメリカ英語が多いが、話されている国はイギリス英語が多い
イギリス英語とアメリカ英語のどちらを選んだほうがいいのかは、一人ひとり違います。
どちらを勉強すべきか迷っている方は、将来英語を使ってどこで何がしたいのか、仕事で使う可能性が高いのはどちらの英語か、改めて考えてみると良いでしょう。
イギリス英語とアメリカ英語、どちらを選んでも大丈夫ですが、選んだ後はどちらかに絞って勉強するのがおすすめです。
それぞれの違い、特徴を理解したうえで、学ぶ言語を決めるようにしましょう。
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