イタリア語をある程度学び、ネイティブスピーカーとコミュニケーションが取れることは、言語学習における大きな喜びです。挨拶の表現や文法を学び始めれば、フランクなイタリア人と楽しく会話ができるかもしれません。
しかし実生活において重要な要素となるのが、数字です。数字の表現を知らずして、イタリア語を使うのは至難の業。
そこで本日は、イタリア語における日常的な数字からニュースで目にする大きな数も含めて、わかりやすく解説します!
また、数字を使った日常的な表現もいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
イタリア語の数字 読み方と表記|1から100まで
イタリア語で会話する中で最も使用頻度が高いのが、1から100までの数字です。
まずは数字の基本から覚えましょう。
1から10まで
1から10までの数字から始めます。
日本人にも馴染みやすい発音を持つイタリア語ですので、聞いたことがある響きもあるのではないでしょうか。
太字部分にアクセントをつけて発音してみてください。
【1】
uno(ウーノ)
【2】
due(ドゥエ)
【3】
tre(トレ)→「レ」のあとに小さな「ツ」が入る感覚で
【4】
quattro(クアットロ)
【5】
cinque(チンクエ)
【6】
sei(セーイ)
【7】
sette(セッテ)
【8】
otto(オット)
【9】
nove(ノーヴェ)
【10】
dieci(ディエーチ)
11から20まで
次は11から20までです。「17」からの表現に注意してみてください。
【11】
undici(ウンディチ)
【12】
dodici(ドーディチ)
【13】
tredici(トレッディチ)
【14】
quattrodici(クアットロディチ)
【15】
quindici(クインディチ)
【16】
seidici(セイディチ)
【17】
diciasette(ディチャセッテ)
【18】
diciotto(ディチョット)
【19】
dicianove(ディチャノーヴェ)
【20】
venti(ヴェンティ)
21から30まで
「21」以降は、基本のパターンさえ覚えてしまえば難しくありません。
【21】
ventuno(ヴェントゥーノ)→小さい「ウ」を意識してみてください
【22】
ventidue(ヴェンティドゥエ)
【23】
ventitre(ヴェンティトレ)
【24】
ventiquattro(ヴェンティクアットロ)
【25】
venticinque(ヴェンティチンクエ)
【26】
ventisei(ヴェンティセイ)
【27】
ventisette(ヴェンティセッテ)
【28】
ventotto(ヴェントット)→「ヴェンティ」の母音「i」が抜けるところに注意
【29】
ventinove(ヴェンティノーヴェ)
【30】
trenta(トレンタ)
40から100まで
20から100までの数え方は、21からのパターンに準じることになります。
たとえば「31」は「トレントゥーノ」になり、以下39まで、29までの数え方と同じです。十の位の数値が変わっても、この法則はそのまま活用してくださいね。
覚える必要があるのは、それぞれの10の位の呼び方です。40以降、100までの呼び方を見てみましょう!
【40】
quaranta(クアランタ)
【50】
cinquanta(チンクアンタ)
【60】
sessanta(セッサンタ)
【70】
settanta(セッタンタ)
【80】
ottanta(オッタンタ)
【90】
novanta(ノヴァンタ)
【100】
cento(チェント)
イタリア語の数字 読み方と表記| 200から2兆まで
筆者撮影
ゼロの数が増えると、イタリア語の数字の読み方は少し複雑になります。
日本の「万」に当たる単位が存在しないためですが、これを機会にぜひ覚えてみてください。
一気に200から2兆までの数字を紹介します。
【200】
2duecento(ドゥエチェント)→「cento」は200以降も変化しません
【300】
trecento(トレチェント)
【1000】
mille(ミッレ)
【2000】
duemila(ドゥエミーラ)→「mille」の倍数は「mila」になります
【3000】3
tremila(トレミーラ)
【1万】
diecimila(ディエーチミーラ)
【10万】
centomila(チェントミーラ)
【100万】
un milione(ウン・ミリオーネ)
【200万】
due milioi(ドゥエ・ミリオーニ)
【1000万】
dieci milioni(ディエーチ・ミリオーニ)
【1億】
cento milioni(チェントミリオーニ)
【10億】
un miliardo(ウン・ミリアルド)
【1兆】
mille miliardi(ミッレ・ミリアルディ)
【2兆】
duemila miliardi(ドゥエミーラ・ミリアルディ)
【参考】本多孝昭 (著)『本気で学ぶイタリア語』 ベレ出版, 2016
イタリア語の数字|少数
イタリア語の小数は、日本の記号と異なります。
表記の違いは以下の通りです。
【日本】
1.2
【イタリア】
1,2
小数点以下を表す点は日本では「ピリオド」ですが、イタリアでは「コンマ」になります。
「コンマ」はイタリア語では「ヴィルゴラ(virgola)」と言います。
そのため、「1,2」は「ウーノ・ヴィルゴラ・ドゥエ」という少し長いフレーズです。
以下、小数の読み方についていくつかの例を見ていきましょう。
【1,23】
uno virgola ventitre(ウーノ・ヴィルゴラ・ヴェンティトレ)
【1,02】
uno virgola zero due(ウーノ・ヴィルゴラ・ゼロ・トレ)
小数の表現は少し複雑ですが、実生活ではあまり使うことはありません。
【参考】Numeri Decimali
イタリア語の数字|分数
筆者撮影
こちらもあまり使うことはないかもしれませんが、分数の表現方法です。
イタリア語で分数を発音する場合は、分子が先に来ます。さらに複雑なことに、分母は序数となります。
少し難しいかもしれませんが、序数についてもわかりやすく解説するのでぜひ参考にしてくださいね。
【3分の1】
un terzo(ウン・テルツォ)
【5分の3】
tre quinti(トレ・クインティ)→分子が複数の場合は分母が複数形に変化します。
ただし、以下のように例外もあるので注意しましょう。
【2分の1】
un mezzo(ウン・メッゾ)
「2」の序数は「セコンド(secondo)」ですが、2分の1に関しては「半分」という意味で「メッゾ(mezzo)」と呼びます。
【参考】Frazione e numeri razionali
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イタリア語の数字|覚え方
イタリア語の数字は覚えることが多く複雑に見えるかもしれません。
しかし、実際の生活で使用する数字を覚えることは、決して難しくありません。また発音も、ほぼローマ字読みとなるためとてもシンプルです。
イタリア語の数字の覚え方、そして覚えておくと便利な数字の表現を解説します。
覚え方①:はじめに基数を覚える
まず初めに覚えなくてはいけないのが、基数です。
パターン化する21以降は、基礎さえ覚えていれば応用できます。
しかし、1から21までの基数はきちんと頭に入れておきましょう。買い物をする場合にも、基数さえ覚えておけばスムーズにお会計を済ませられます。
覚え方②:序数を覚える
基数の次に重要なのが、序数。
序数はものの順序を表すための言い方です。いわゆる「1番目」「2番目」という数え方になります。
イタリア語の序数は、1から10までが不規則ですが、11以降は原則として「-esimo」を語尾に付け加えましょう。
【1】
primo(プリモ)
【2】
secondo(セコンド)
【3】
terzo(テルツォ)
【4】
quarto(クアルト)
【5】
quinto(クイント)
【6】
sesto(セスト)
【7】
settimo(セッティモ)
【8】
ottavo(オッターヴォ)
【9】
nono(ノーノ)
【10】
decimo(デーチモ)
以上が、不規則に変化する序数です。
11以降は語尾が規則的に変わるだけになりますので、難しくありませんね。
【11】
undicesiimo(ウンディチェージモ)
【12】
dodicesimo(ドーディチェージモ)
【20】
ventesimo(ヴェンテージモ)
【30】
trentesimo(トレンテージモ)
【100】
centesimo(チェンテージモ)
イタリア語の序数は、日本でも身近なところで耳にすることがあるかもしれません。
【花形の女性歌手】
Prima Donna(プリマ・ドンナ)
【(イタリア料理の)1皿目】
Primo Piatto(プリモ・ピアット)
【参考】在里寛司 ・池田 廉 ・郡 史郎 ・西村暢夫 ・米山嘉晟編 (1999)伊和中辞典(第2版)小学館
【参考】本多孝昭 (著)『本気で学ぶイタリア語』 ベレ出版, 2016
覚え方③:日常で使う数え方を覚える
日常的によく使われる数字の覚え方を見ていきましょう。
倍数
【2倍】
doppio(ドッピオ)
【3倍】
triplo(トリープロ)
【4倍】
quadruplo(クアドループロ)
5倍以降は、数字に「ヴォルテ(volte)」という言葉をつけて発音します。
【5倍】
cinque volte(チンクエ・ヴォルテ)
2つで1組の物を数えるフレーズ
靴下やズボンなど、2つで1組を指す場合は「パイオ(paio)」という言葉を使います。
「paio」は複数形になると「paia」に変化しますので、注意してくださいね。
【靴1足】
un paio di scarpe(ウン・パイオ・ディ・スカルペ)
【ズボン2本】
due paia di pantaloni(ドゥエ・パイア・ディ・パンタローニ)
ダースを使った数え方
ダースを使った数え方は頻繁に使われませんが、いざという時のために覚えておきましょう。
【12本の瓶】
una dozzina di bottliglie(ウナ・ドッツィーナ・ディ・ボッティッリャ)
【24本のペン】
due dozzine di penne(ドゥエ・ドッツィーネ・ディ・ペンネ)
頻度の表現
頻度を表すときには、「回」「度」の意味を持つ「ヴォルタ(volta)」という言葉を数字のあとにつけます。
【1回】
una volta( ウナ・ヴォルタ)
【2回】
due volte(ドゥエ・ヴォルテ)→複数になると「volta」の語尾が変化します。
【初めて】
prima volta(プリマ・ヴォルタ)
【2回目】
seconda volta(セコンダ・ヴォルタ)
【何度も】
tante volte(タンテ・ヴォルテ)
電話番号
イタリアの電話番号は、固定電話の場合はたいてい「0」から始まります。9桁が普通です。
省庁などのフリーダイヤル(Numero verde)は「800」から始まるので覚えておきましょう。
イタリアの文化省の電話番号を例に、読み方を説明します。
06 6723 2177(ゼロ・セイ・セッサンタセッテ・ヴェンティトレ・ヴェントゥーノ・セッタンタセッテ)
800 99 11 99(オットチェント・ノヴァンタノーヴェ・ウンディチ・ノヴァンタノーヴェ)
一の位の単数でも通じます。
06 6723 2177(ゼロ・セイ・セイ・セッテ・ドゥエ・トレ…)
【参考】在里寛司 ・池田 廉 ・郡 史郎 ・西村暢夫 ・米山嘉晟編 (1999)伊和中辞典(第2版)小学館
覚え方④:分数を覚える
分数を覚える場合は、以下のポイントに気をつけましょう。
- 分子から発音する
- 分母は序数である
- 分子が複数の場合は、分母の序数も複数形となる
覚え方⑤:小数を覚える
小数を覚える場合は、4つのポイントを押さえてください。
- 小数点は「ピリオド」ではなく「コンマ」を使う
- 「コンマ」は「ヴィルゴラ」と読む
- ヴィルゴラ以下がゼロから始まる場合は数字はひとつずつ読む(例:0,03 ゼロ・ヴィルゴラ・ゼロ・トレ)
- ヴィルゴラ以下が0以外から始まる場合は、十の位や百の位で読む(例:3,14 トレ・ヴィルゴラ・クアットロディチ)
まとめ
イタリア語の数字で最低限意識すべきポイントは、以下の通りです。
- 1から21まで暗記してしまえば、その後の数字はパターン化されている
- 日本の「万」に相当する単位がないため、「mille(1000)」「milione(100万)」「miliardo(10億)」を基準に表現する
- 「cento(100)」は複数になっても語尾が変化しない
- 序数は1から10までは不規則であるが、11以降は「-esimo」を付加する
- 分数、小数は日本と読み方が変わるので注意が必要である
こうした数字の規則を覚えるには、実践するのが近道です。
たとえ間違えても、陽気なイタリア人は笑いながらつきあってくれるケースが大半。
勇気を出してぜひトライしてみてくださいね!
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