韓国ドラマやK-POPの歌詞の影響で韓国語を勉強していなくても「オッパ」という言葉は知っている方も多いのではないでしょうか。
「オッパ」は直訳すると「お兄さん」なのですが、それだけで覚えてしまうと大変な目に遭ってしまう可能性があります。
この記事では、独学で韓国語能力試験6級に合格し、韓国で現地就職した筆者が「オッパ」の意味や使い方を紹介します。
使い方によっては失礼になってしまうこともあるので、この記事で正しい使い方をマスターしましょう。
韓国語で「オッパ」とは
「オッパ」とは、女性が年上の男性を呼ぶときに使用される敬称の一種です。
年上の男性全員に使えるわけではありません。
相手との関係性に応じて使い分けが必要な言葉なのです。
「オッパ」の主な意味
韓国語の「オッパ」は直訳すると「お兄さん」という意味ですが、使う状況に応じて「お兄ちゃん」や「〇〇さん」のように若干ニュアンスが変わります。
ちなみに、「オッパ」は韓国語で「오빠」と表記し、「오」が「オ」、「빠」が「ッパ」にあたります。
「オッパ」単体で呼ぶことも「〇〇オッパ」のように名前のあとにつけて使うことも可能です。
「オッパ」が使われる理由
韓国は儒教の影響もあり、年上の人を敬う文化が強く残っています。そのため、相手が自分より年上か年下かを非常に重視する傾向です。
実際、韓国では自己紹介のときに自分の生まれ年を言ったり、相手の年齢を確認したりすることも珍しくありません。
相手が年上であることがわかる「オッパ」という呼び方は、文化的背景の影響を受けた韓国ならではの呼び方だと言えるでしょう。
「オッパ」の使い方
「オッパ」の使い方は、大きく以下の3つに分けられます。
- 2人称
- 1人称
- 3人称
一見簡単そうですが、使い方を間違えると恥ずかしい思いをしたり、勘違いをさせてしまったりするかもしれません。
使い分けの具体例も紹介しているので、特に韓国語初心者の方はしっかりと押さえておきましょう。
①2人称
「オッパ」という言葉をもっとも使うのは、女性が年上の男性を呼ぶときです。
2人称で使える相手は大きく分けて2種類なので、順番にチェックしていきましょう。
実の兄に対する呼びかけ
「お兄さん」の意味を持つ「オッパ」は、実の兄を呼ぶときに使えます。
というより、妹が実の兄を呼ぶときに「オッパ」以外の敬称を使うことはほぼありません。
実の兄が複数いる場合は、名前のあとに「オッパ」をつけたり、長男を「クンオッパ(큰오빠)」、次男を「チャグンオッパ(작은오빠)」と呼んで区別します。
ちなみに、「クンオッパ(오빠)」は「大きいお兄さん」、「チャグンオッパ(작은오빠)」は「小さいお兄さん」という意味です。
会話の中で実の兄であることを強調したい場合は、「チンオッパ(친오빠)」と言うと血のつながった兄であることを伝えられます。
親しい年上男性に対する呼びかけ
実の兄以外にも、年上の親しい友人や知り合いのお兄さんを「オッパ」と呼ぶことができます。
年下の彼女(妻)が年上の彼氏(夫)を呼ぶ際にも使われることがあります。
可愛らしい印象を与える呼び方なので、親しい間柄で「オッパ」と呼ばれると、韓国男性は嬉しくなるそうです。
反対に、使い方次第では相手を勘違いさせてしまうこともあるので、慎重に使いましょう。
初対面で「オッパ」呼びをすると距離感が近すぎると思われる可能性があるので、こちらも控えるのが無難です。
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②1人称
「オッパ」は意外にも男性が自分を指すときにも使われます。
といっても日本語の「僕」のようにいつでも使えるのではなく、妹や恋人、気になっている相手といった、限定的な相手のみに使える表現です。
特別な関係ではないのに自分を「オッパ」と呼ぶ人は、韓国ではあまり好かれないといわれています。
それでもしつこく自分を「オッパ」呼びする人は「オッパ病」と言われ、恋愛対象ではない人にされると嫌悪感を抱く人も多いそうです。
男性の方は、自分を「オッパ」と言いすぎないよう気をつけましょう。
③3人称
三人称とは、話し手や聞き手以外の第三者で会話のなかにはいない人物を指します。
そんな三人称としても、この「オッパ」は使うことができます。
「昨日オッパとご飯を食べに切った」のように実の兄や親しい年上の男性を会話に出すときにぜひ使ってみましょう。
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「オッパ」の使い方で注意すべき4つのこと
「オッパ」の使い方を3種類紹介しましたが、使う前に注意すべきポイントがいくつかあります。特に注意したいのが以下の4点です。
- 使えるのは女性だけ
- 親しくなってから使う
- 年齢が離れた男性に対しては使わない
- 職場では使わない
これらを押さえておかないと、相手に失礼と思われたり、不快な思いをさせてしまう可能性もあるので、必ず覚えておきましょう。
注意点①:使えるのは女性だけ
「オッパ」という呼び方を使えるのは年下の女性のみです。
韓国ドラマなどで男性が「オッパ」と言っているのを見かけないのは、このためです。
ちなみに、男性が年上の男性を呼ぶときは「ヒョン(형)」という別の敬称を使います。
性別によって相手の呼び方が変わるのは韓国ならではの文化で、女性が年上の女性を呼ぶ場合は「オンニ(언니)」、男性が年上の女性を呼ぶ場合は「ヌナ(누나)」を使います。
呼び方を間違えると相手にびっくりされるので、しっかりと覚えておきましょう。
注意点②:親しくなってから使う
「オッパ」という表現は、かなりフレンドリーなニュアンスが含まれているので、初対面の人に使うと馴れ馴れしい印象を与えてしまうかもしれません。
親しくなるまでは日本語の「〜さん」にあたる「ッシ(씨)」をつけましょう。
また、このとき注意したいのが、苗字に「ッシ(씨)」をつけて呼ばないことです。
同じ名字が多い韓国で名字に「ッシ(씨)をつけるのは、失礼にあたるので注意しましょう。
例外として、K-POPアイドルや俳優などの芸能人は親しくなくても「オッパ」と呼ぶことができます。
年上の推しがいたら、ぜひ「オッパ」と呼んでみてください。
注意点③:年齢が離れた男性に対しては使わない
「オッパ」はカジュアルで距離感の近い敬称なので、年上を敬う習慣のある韓国では、年齢が大きく離れている人には使いません。
どんなに親しくても、年齢が一回り以上離れている人やご年配の方を「オッパ」と呼んでいると、周囲から変わった目で見られるでしょう。
歳が離れた男性を呼ぶときは、おじさんを意味する「アジョシ(아저씨)」を使います。
日本語で「おじさん」というと少し失礼な印象を受けますが、韓国語では相手への親しみの意が込められた敬称とされています。
ほかにも親戚の叔父さんは「サムチョン(삼촌)」、飲食店では社長という意味の「サジャンニム(사장님)」と呼ぶなど間柄によって複数の呼び方があるので、うまく使い分けられるよう練習しておきましょう。
注意点④:職場では使わない
「オッパ」は親しい間柄で使うカジュアルな敬称なので、フォーマルな場である職場で使うことは不適切です。
相手に役職がある場合は役職に「様」を意味する「ニム(님)」を付けて呼びます。
例)
【社長】
사장님(サジャンニム)
【課長】
과장님(カジャンニム)
部下が上司を呼ぶときに「ニム(님)」を付け忘れるととても失礼になるので、必ず忘れないようにしましょう。
役職のない目上の人には「先輩様」という意味の「ソンベニム(배)」を使うのが無難です。
ちなみに、ここ最近ではフラットなコミュニケーションを促すため、役職ではなく「ッシ(씨)」「ニム(님)」といった呼び方で統一する企業も増えています。
韓国語の「オッパ」を覚えたら実際に話して練習しよう
今回紹介した「オッパ」のように、うまく使い分けが必要な韓国語はほかにもたくさんあります。
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まとめ:韓国語の「オッパ」の意味と使い方を正しく理解しよう
韓国語の「オッパ」の意味や使い方、注意点を解説しました。
「オッパ」の主な意味は「お兄さん」で、女性が年上の男性を呼ぶときに使われます。背景には、年下を敬う儒教の考え方があると紹介しました。
具体的な使い方は、大きく分けて下記の3パターンです。
- 2人称
- 1人称
- 3人称
「オッパ」を使うときに覚えておきたい注意点も4つ紹介しました。
- 使えるのは女性だけ
- 親しくなってから使う
- 年齢が離れた男性に対しては使わない
- 職場では使わない
「オッパ」という言葉は、相手との距離感をうまく縮められる韓国ならではの素敵な表現です。
この記事を参考に相手との関係性や状況に応じて、「オッパ」を使いこなせるようになりましょう。
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