ドイツ語には英語と同じくAからZまでのアルファベットに加え、ドイツ語特有の4つの文字が存在します。

例えば、Aの上に2つの点が付いているのを見たことがあるでしょうか。
これぞまさにドイツ語のアルファベットの特徴です。

「Äはどうやって発音するの?」
「ßっていったい何?」

そんな疑問を解決しましょう。

今回は、ドイツ滞在歴5年、ドイツ語レベルB2、現在はドイツ人の旦那を持つドイツ大好き主婦が、よくある発音の間違いを交えながら、ドイツ語のアルファベット30文字をご紹介したいと思います。

ドイツ語アルファベットをしっかりマスターして、ドイツ語の幅を広げていきましょう。

ドイツ語のアルファベット一覧|読み方と発音

ドイツ語基本のアルファベット26文字です。
そこに特有文字4文字(Ä、Ö、Ü、ß)を加えた、合計30文字を使用しています。

英語と同じく大文字と小文字があり、語順も同じですが、発音は英語とは大分異なります

ドイツ語は発音がはっきりとしていて聞き取りやすい言語ですが、日本語にはない音も存在するため、耳でしっかりと覚える必要があります。

繰り返し聞き、口に出す練習をしてみましょう。

アルファベット①:基本

まずは基本のアルファベットを見てみましょう。
発音をしっかりと確認してください。

大文字 小文字 読み
A a アー
B b ベー
C c ツェー
D d デー
E e エー
F f エフ
G g ゲー
H h ハー
I i イー
J j ヨット
K k カー
L l エル
M m エム
N n エン
O o オー
P p ペー
Q q クー
R r エル
S s エス
T t テー
U u ウー
V v ファオ
W w ヴェー
X x イクス
Y y イプスィロン
Z z ツェット

A(アー)からさっそく英語とは発音が違いますね。

ドイツ語は基本的にローマ字読みですので、発音はそれほど難しくありません。
例えば、Bus(バス)はドイツ語で「ブス」、Name(ネーム)は「ナーメ」と読みます。

皆さんもドイツ車の「BMW」をご存知かと思いますが、これもドイツでは「ビーエムダブリュー」とは言いません。
正しくは「ベーエムヴェー」です。

よく混乱するのは、E(イー)がドイツ語では(エー)I(アイ)がドイツ語では(イー)R(アール)がドイツ語では(エル)となる点です。
ここをよく理解しておかないと、綴りを聞き取る際にとてもやっかいに感じます。

他にも、Jは「ヨット」と読みますが、JAPANは「ヤーパン」と発音します。
アルファベットの正しい読みも大切ですが、単語として使われる時の読み方を覚えることも重要です。

アルファベット②:ウムラウト・エスツェット

次に、4つの特殊文字を見てみましょう。

ドイツ語特有の Ä Ö Ü ß は「ウムラウト」と呼ばれます。
発音は次の通りです。

大文字 小文字 読み
Ä ä エー(アとエの間に近い音)
Ö ö エー(オとエの間に近い音)
Ü ü ウー(ウとエの間に近い音)
ß ß エス

ウムラウトの発音は日本語のカタカナ表記では表現が難しいため、確実なのは実際の音を耳でしっかりと理解することです。

また、ßは「エスツェット」と呼ばれ、sが2つ重なってできたドイツ語特有の文字です。
発音は日本語の「ス」に似ています。
サッカーはドイツ語でFußball(フースバル)と呼ばれ、エスツェットが使われています。

ドイツ語のアルファベットの発音の3つポイント

ドイツ語母音にはI・E・A・O・Uの基本母音とウムラウトがあります。

ドイツ語の母音は日本語の「あいうえお」の音に近いのでそこまで難しくはありませんが、ウムラウトの発音には注意が必要です。

また、二重母音についても発音のルールを理解する必要があります。

ドイツ語には多くの発音のルールが存在しますが、中でも日本人にとって非常にやっかいなのは「L」と「R」の音の聞き分けです。
音は耳で理解ができなければ正しく口に出すことはできません
二つの音の特徴をしっかりと理解する必要があります。

ここではドイツ語の発音のポイント3つに分けて説明したいと思います。

ポイント①:ウムラウトの発音

ウムラウトについては先ほども少し触れましたが、発音が非常に難しいため、改めて説明します。

ウムラウトとは「変音」を意味します。
つまり、「ä」は「a」の音に似ている別の音というイメージです。

まず「ä」は「アー・ウムラウト」と言います。
この母音は、短い音の場合にはドイツ語の「e」(エー)と発音がほぼ同じで、長い音の場合にはびっくりしたときの「え〜!」の音のイメージです。

【パン屋】
Bäcker(ベッカー)

【チーズ】
Käse(ケーゼ)

「ö」は「オー・ウムラウト」と呼ばれ、口を「O」のかたちにしたまま「エー」と発音します。嗚咽の「おえっ」を短く発音するイメージです。

【王】
König(クェーニヒ)

【油】
Öl(ゥェール)

「ü」は「ウー・ウムラウト」と呼ばれ、「U」の形に口をすぼめ、その口で「イー」と発音します。日本語の「ユ」に近い音です。

【背中】
Rücken(リュッケン)

【学生】
Schüler(シューラー)

ポイント②:二重母音の発音

次に二重母音について説明します。

二重母音とはその名の通り「au」や「ei」のように母音が二つ並んだものです。
ドイツ語には ei(アイ)au(アオ)eu/äu(オイ)3つの二重母音が存在します。

母音なのでそのままローマ字読みをしたいところですが、二重母音の場合は発音の仕方が異なります。

【卵】
Ei(アイ)

【自動車】
Auto(アオト)

【今日】
heute(ホイテ)

【木の複数形】
Bäume(ボイメ)

また、「ie」が並ぶ単語については、「イー」と読む場合と「イエ」と読む場合があります。

【愛】
Liebe(リーベ)

【休暇】
Ferien(フェーリエン)

ポイント③:ドイツ語のLとRの発音

最後にドイツ語の「」と「」の発音について説明します。

まず、「」の場合は舌の先っぽに力を込め、シャープな音を出すイメージで発音してみてください。
前歯の裏側の歯茎あたりに舌先をつけると上手く発音できます。

R」を発音する場合は「巻き舌」を意識して「Rrrrrrrrrrrr」のように喉を鳴らします。
実際にイタリア語のような完璧な巻き舌を使う人はあまり見かけませんが、南ドイツの方言ではよく聞かれます。

日本人にとってドイツ語の「L」と「R」の発音はとりわけ難しいので、lernen は(レァネン)、wird は、(ヴィアト)のように、「R」の発音は「ア」を意識して発音すると良いでしょう。

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ドイツ語のアルファベットの筆記体

引用:Schreibschrift|Wikipedia

ドイツ語筆記体で書くことができます。
しかし、世代によって若干書き方が違うため、ドイツ人でも読むのが困難なこともあるようです。

日本でも昔はドイツ語でカルテを記載するお医者さんがいました。
これは、日本が明治時代にドイツ医学を参考にしたからだと言われています。

現在はドイツ人でも筆記体を習わないか、もしくは活字体に酷似する基本体というものを筆記体の替わりに習うそうです。

興味がある方は是非練習してみてくださいね。

ドイツ語のアルファベットの歌

最後に、ドイツ語アルファベットの歌を紹介します。
繰り返し聞き、たくさん口に出すことで定着が早くなります。

耳と口にしっかりと馴染ませましょう!

ちなみに、動画内に出てくる「JUCHHE!」とは日本語でいう「ヤッホー」という意味です。

まとめ

いかがでしたか。
今回は以下の内容でドイツ語のアルファベットをご紹介しました。

  • ポイント①:ドイツ語の基本アルファベットと発音
  • ポイント②:ドイツ語の3つの発音ポイント
  • ポイント③:ドイツ語のアルファベットの歌を紹介

ネイティブの発音をたくさん聞いて、ドイツ語の発音をしっかりとマスターしてくださいね。

「この文字についてもっと詳しく知りたい」という方は、当講座に在籍のネイティブドイツ語講師に聞いてみてください。

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