ロシア語は日本人にとっては難しい言語の1つと言われています。
というのも、見慣れない文字を使っていて発音も聞き慣れず、さらに文法が複雑だからです。
とはいえ、独学でロシア語の勉強を進めていくことは可能です。
重要なのは、上手くいかなくても、継続して繰り返し取り組むことです。
この記事では独学でロシア語の学習を進めるのにおすすめのアプリや参考書をいくつかご紹介しています。ご自身に合ったものを見つけて、ロシア語学習を続けるようにしましょう。
ロシア語のことわざで「Первый блин – комом(ペールヴィイ ブリン コマム)」というものがあります。「最初のブリン(ロシア料理のクレープのようなもの)はダマになる」ということで、「初めから上手くいくことはない」というような意味です。
筆者はロシア語歴10年の翻訳者・通訳者・講師ですが、初めのうちは上達が実感できず嫌になることもありました。しかし継続して勉強を続けてきたことで理解度が深まりました。
この記事でご紹介する内容がロシア語学習継続のきっかけになれば幸いです。
ロシア語が難しい理由
ロシア語は、私たちがよく知っている日本語と異なるので難しく感じます。
具体的には、以下の3つの理由がポイントとなります。
- 見慣れないキリル文字
- 聞きなれない発音
- 複雑な文法
しかし、3つの理由はロシア語学習のポイントにもなります。
各理由を詳しくみてみましょう。
理由①:キリル文字
見慣れない文字は「キリル文字」と言います。
パッと見たときにすんなりと読むことができない文字で書かれているので難しそうに感じます。
とはいえ、ロシア語で使われているキリル文字は全部で33文字です。
何回も繰り返し練習することで、短い期間でも文字を覚えることが可能です。
日本語で使われている文字ほど多くないと前向きに捉えましょう。
理由②:発音
ロシア語が難しい2つ目の理由として、発音があります。
発音ができないと、音を聞き取ることも困難です。
特に、発音が似ている音は区別するのが難しいです。
例えば以下の文字は発音が似ているので要注意です。
「р」と「л」
「р(エル)」は巻き舌です。
「л(エル)」は巻き舌ではありません。英語の「l(エル)」の発音のようなイメージです。
「б」と「в」
「б」は唇を離すイメージで発音します。
「в」は英語の「v」のような音で、下唇を軽く噛んで発音するイメージです。
この他にも、日本語には無い発音も難しく感じます。
発音を身につけるコツはネイティブの発音をきいて真似ることです。
理由③:文法
ロシア語が難しい3つ目の理由は、文法です。
例えば、以下の4つの品詞には「格」があります。
- 名詞
- 形容詞
- 代名詞
- 数詞
格をもつ上記の4つの品詞は常に形が変化します。
格は以下の6種類あります。
- 主格
- 生格
- 与格
- 対格
- 造格
- 前置格
格は品詞のはたらきを変える役割をもちます。日本語でいう助詞のような役割を担っています。
また、動詞には「体(たい)」があります。
原則として1つの動詞につき不完了体と完了体の2つの形があります。
体によって1つの動詞でも使い方やニュアンスが異なります。
こういった複雑な文法も、ロシア語が難しい理由の1つです。
ロシア語は難しいが、独学でマスターできる
ロシア語は難しい言語ですが、学習するポイントを押さえれば、独学でマスターすることは不可能ではありません。
ポイントとなるのは、ロシア語が難しい理由でもある「文字」「発音」「文法」です。
特にこの3つの分野を重点的に取り組むようにしましょう。
また、独学で学習を進めるにあたって注意したいのが「生(なま)のロシア語に触れる」ことです。
できる限り多くのロシア語に積極的に触れるようにしましょう。
独学の方法はいくつかありますが、ご自身に合った方法を見つけて継続して取り組むようにしましょう。
ロシア語を独学でマスターする方法
ロシア語をマスターするためにポイントとなる「文字」「発音」「文法」について、項目ごとにおすすめの方法をまとめました。
是非学習に役立ててください。
方法①:キリル文字は馴染みのある文字から覚える
まずは見慣れないキリル文字を覚える必要があります。
見慣れないとはいえ、33文字のキリル文字の中には既視感のある文字もあると思います。
例えば、以下のような文字は英語の文字と似ているので覚えやすいのではないでしょうか。
- а(アー)
- к(カー)
- м(エム)
- о(オー)
- т(テー)
一方で、以下のように英語の文字とは異なる文字もあります。これらの文字には注意しましょう。
- е(イェー)
- н(エヌ)
- р(エル)
- с(エス)
文字を覚えるときには、見たことのある文字から覚えていくようにしましょう。
実際に文字を書いて発音しながら覚えるのがおすすめです。
方法②:ネイティブの発音を聴く
ロシア語をマスターするためには、ネイティブの発音に慣れることが重要です。
ネイティブの発音を繰り返し聴いて真似をすると、リスニング力も向上し、正しい発音も身につけることができます。
ネイティブの発音を聴く時には特定の人の発音だけではなく、さまざまな人の発音を聴くようにしましょう。色々な人の発音を聴くことでリスニング力が向上します。また、ロシア語では性別によって語尾が変わることがあるので男女両方の発音を聴くのがお勧めです。
ネイティブの発音を聴くために、動画やポッドキャストを活用しましょう。
特に、ポッドキャストは耳からの情報のみに頼るのでリスニング力向上におすすめです。
方法③:文法は参考書をひとつに絞って覚える
文法の学習には参考書が役立ちます。
ロシア語に関する参考書はそれなりに数があるので迷ってしまうかもしれません。
重要なのは、たくさんの参考書をやるのではなく、一冊の参考書を完璧にマスターすることです。一冊の参考書を何回もやり込むことで、文法事項はもちろん、基本的な単語も合わせて身につけることができます。
また、多くの参考書には音源が付いてるので活用しましょう。すきま時間などに音源を聴くことでネイティブの発音に触れることもでき、参考書の理解を深めることもできるので一石二鳥です。
難しいロシア語を独学でマスターするためにおすすめの教材
ロシア語学習を独学で進めるためにおすすめの教材をご紹介します。
いずれの方法もメリットがあるのでご自身に合った方法を見つけて学習を継続しましょう。
もちろん、教材①から③を組み合わせて活用するのもおすすめです。
教材①:アプリ
アプリのメリットとして、すきま時間に勉強しやすいこと、通知機能などを駆使して習慣づけしやすいことなどがあります。毎日5分でも結果はともなってきますので、積極的に活用しましょう。
「italki」「duolingo」「Bussu」といったアプリではいずれも学習者のレベルに合わせて基本的な文法を学ぶことが可能です。
また、これらのアプリではネイティブと直接やりとりをすることも可能です。
「生(なま)のロシア語」に触れる良い機会ですので活用するようにしましょう。
その他、ネイティブとやり取りが可能な言語交換アプリとしては「HelloTalk」「Tandem」といったものもあります。
使いやすいアプリを見つけて継続して取り組むようにしましょう。
教材②:サイト
ロシア語を学べるサイトを2つご紹介します。
いずれのサイトも大学が監修しており、初心者をターゲットにしています。
そのため、ロシア語の学習をゼロから始める方に特におすすめです。
また、音源も掲載されているのでネイティブの発音に触れることもできます。
ご自身のペースに合わせて学習を進めることができるのでサイトを活用するようにしましょう。
教材③:参考書
参考書は色々ありますが、まずは初心者向けのものを一冊に絞ってやり切りましょう。
独学で学習を進めるための参考書としておすすめなのは、文法解説を中心とした以下のような参考書です。
- 「ニューエクスプレスプラスロシア語(白水社)」
- 「初級ロシア語文法(三修社)」
- 「これなら分かるロシア語文法 入門から上級まで(NHK出版)」
「ニューエクスプレスプラスロシア語」は会話集をメインとして文法を解説している参考書です。
会話集がメインとはいえ、文法の解説もされているので初めの一冊としておすすめです。
一方、「初級ロシア語文法」「これなら分かるロシア語文法 入門から上級まで」はより文法に重点が置かれている参考書です。
いずれも文法が詳しく解説されています。
「ニューエクスプレスプラスロシア語」「初級ロシア語文法」の参考書には、CDが付属しているので合わせて活用しましょう。
繰り返し音源を聴くことで、ネイティブの音に触れ、参考書の理解を深めることができます。
まとめ
この記事では以下の内容をご紹介しました。
- ロシア語が難しい理由
- ロシア語は難しいが、独学でマスターできる
- ロシア語を独学でマスターする方法
- 難しいロシア語を独学でマスターするためにおすすめの教材
ロシア語は難しい言語ですが、ポイントを押さえて継続してすれば、独学でマスターすることも可能です。独学で勉強を進めるには教材選びが重要です。本記事でご紹介した内容がロシア語学習に役立てば幸いです。
ロシア語をより効率的に勉強したい方は、当講座に在籍するロシア語講師にぜひ相談してみてください。
italkiはロシア語ネイティブの先生と1回単位でレッスンをすることができるので、会話の練習をしたい方にオススメです。
お試しレッスンも3回できるので、1度見てみてください!
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