最近アラビア語を学び始めたけれど「数字の使い方や表現方法がわからない」「難しそうだから数字から学んでみたい」という方もおられるのではないでしょうか。
本記事では外国語大学に在学しており、アラビア語圏の方と接する機会も多い筆者がアラビア語の数字表現についてわかりやすく解説します。
本記事を読めば、基本的なアラビア語の数字はマスターできるでしょう。簡単に覚えられる歌なども紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
アラビア語の数字とは
数字は情報を読み取る上で重要な文字の一種ですが、アラビア語ではどのように表されるのでしょうか。
アラビア語ではインド数字が使われる
アラビア語ではインド数字が使われています。アラビア語数字の原型となるものは、今から2300年前に現在のインドとなる場所で誕生しました。
それらがアラブの国々へ伝わり、さらにそこからヨーロッパへと伝わっていきます。アラブを介してヨーロッパへと伝わったため、インド数字はアラビア数字と呼ばれるようになりました。
アラビア語は通常右から左へと綴られますが、アラビア数字に関してはインドから輸入されたため、インドのルールに沿って左から右へと綴られます。
男性形・女性形
アラビア語の数字には男性形と女性形が存在し、すべての名詞に性がつきます。これはフランス語やドイツ語など、多くのヨーロッパの言語とも共通します。名詞は性によって少し形が変わるので、名詞の性を把握しておくことは大切です。
例えば、同じ「学生」という意味でも以下のように男性か女性かによって形が変わります。
- 「男子生徒」は男性名詞のため=طالب
- 「女子生徒」は女性名詞のため=طالبة
それでは男性名詞と女性名詞はどのように区別をするのでしょうか。
女性名詞は「ة」(ター・マルブータ)という文字がつきます。例外はありますが、基本的にはター・マルブータがついている場合は女性名詞となります。
それでは数字の性について見ていきましょう。
1と2を女性名詞にする場合、「ة」(ター・マルブータ)を男性名詞の文字の最後に付け加えます。
男性名詞の数字については、後ほどご紹介します。男性名詞を覚えてから女性名詞へ変化させる方法を覚えるのがおすすめです。
3〜9を女性名詞にする場合は1・2の場合と違い「ة」(ター・マルブータ)を文字の最後に加えます。
例えば、3の女性名詞は「ثَلَاث」となります。通常の法則とは少し変化しているので、注意が必要です。
アラビア語数字の読み方|0~10
それでは、男性名詞のアラビア語数字と読み方を見てみましょう。何度も口に出して読むと覚えやすいので繰り返し練習してみてください。
【0】
٠ (スィフル)
【1】
١ (ワーヒドゥ)
【2】
٢ (イスナーン)
【3】
٣ (サラーサ)
【4】
٤(アルバァ)
【5】
٥(ハムサ)
【6】
٦(スィッタ)
【7】
٧(サブァア)
【8】
٨(サマーニャ)
【9】
٩ (ティサァ)
【10】
١٠ (アシャア)
アラビア語数字の書き方|0~10
それでは、次はアラビア語数字の書き順をご紹介します。
【0】
صِفْر
٠ (スィフル)
点を一つ書きます。書体によっては四角くみえますが、鉛筆などで書いた場合にはただの丸です。
【1】
وَاحِد
١ (ワーヒドゥ)
上から下に少し傾いた斜線を書きます。
【2】
اِثْنَان
٢ (イスナーン)
「2」の底の部分を少し長くして90度傾けた形です。
書き順は「2」と同じになります。
手書きでは、お椀のような形の部分は丸い山の形になり、「つ」を90度傾けたような形です。
【3】
ثَلَاثَة
٣ (サラーサ)
【4】
أَرْبَعَة
٤(アルバァ)
アルファベットの「w」を右に90度回転させた形です。上から一筆で書きます。
【5】
خَمْسَة
٥(ハムサ)
丸に近い形ですが、少しだけ三角形にします。
時計回りです。
【6】
سِتَّة
٦(スィッタ)
少しだけ反り返った横線を書いたら、右端から斜め下に斜線を下ろします。
【7】
سَبْعَة
٧(サブァア)
少し反り返った「v」の形です。左端から一筆で書きます。
【8】
ثَمَانِيَة
٨(サマーニャ)
٧(サブァア)を上下反転させた形です。
左端から一筆で書きます。
【9】
تِسْعَة
٩ (ティサァ)
「9」とほとんど同じ形です。下の方から時計回りに丸を書き、少し斜めに線を下ろします。
【10】
عَشَرَة
١٠ (アシャア)
10以上の数字は、0〜9の数字を組み合わせて表します。10は10の位の1を左に、1の位の0を右に置きます。
アラビア語数字の書き方|11~19
1〜10の理解ができたら、その先は簡単です。次は11〜19までの書き方をご紹介します。20までの数字は日常生活でも頻繁に使いますので、ぜひマスターしておきましょう。
2桁以上のアラビア語数字は『10の位+1の位』で表しますが、アラビア語表記では、『1の位+10の位』になります。
例えば、15を表したいときは『5+10』で、
『عَشَرَة + خَمْسَة』になるのです。
それでは一つずつ見ていきましょう
【11】
أَحَدَ عَشَرَ
١١(アハダ アシャル)
1と1で11です。
【12】
اِثْنَا عَشَرَ
١٢ (イスナー アシャル)
1と2で12です。
【13】
ثَلَاثَةَ عَشَرَ
١٣ (サラーサ アシャル)
1と3で13です。
【14】
أَرْبَعَةَ عَشَرَ
١٤ (アルバァ アシャル)
1と4で14です。
【15】
خَمْسَةَ عَشَرَ
١٥ (ハムサ アシャル)
1と5で15です。
【16】
سِتَّةَ عَشَرَ
١٦ (スィッタ アシャル)
1と6で16です。
【17】
سَبْعَةَ عَشَرَ
١٧ (サブァア アシャル)
1と7で17です。
【18】
ثَمَانِيَةَ عَشَرَ
١٨ (サマーニヤ アシャル)
1と8で18です。
【19】
تِسْعَةَ عَشَرَ
١٩ (ティサァ アシャル)
1と9で19です。
11と12の読み方は少しイレギュラーですが、それ以外の数字に関しては読みやすいのではないでしょうか。
アラビア語数字の書き方|20~29
次は20〜29の書き方を紹介します。複雑に感じるかもしれませんが、ここからは基本的に10の位を覚えるだけです。
10の位を左に、1の位を右に書くのは先ほどと変わりませんが、これ以降の数は「و(ワ)」という文字が読みに加わります。入る場所は10の位と1の位の間です。「و(ワ)」は英語の「and」という意味になります。
それでは20〜29の数字を見ていきましょう。
【20】
عِشْرُونَ
٢٠ (アシュルーン)
20の読み方は少し独特です。
10」の単語「عَشَرَ(アシャラ)」に「~ウーン(ون)」を付け加えて「عِشْرُونَ(アシュルーン)」と表現しています。
【21】
وَاحِد و عِشْرُونَ
٢١ (ワーヒドゥ ワ アシュルーン)
【22】
اِثْنَان و عِشْرُونَ
٢٢ (イスナーン ワ アシュルーン)
【23】
ثَلَاثَة و عِشْرُونَ
٢٣ (サラーサ ワ アシュルーン)
【24】
أَرْبَعَة و عِشْرُونَ
٢٤ (アルバァ ワ アシュルーン)
【25】
خَمْسَة و عِشْرُونَ
٢٥ (ハムサ ワ アシュルーン)
【26】
سِتَّة و عِشْرُونَ
٢٦ (スィッタ ワ アシュルーン)
【27】
سَبْعَة و عِشْرُونَ
٢٧ (サブァア ワ アシュルーン)
【28】
ثَمَانِيَة و عِشْرُونَ
٢٨ (サマーニヤ ワ アシュルーン)
【29】
تِسْعَة و عِشْرُونَ
٢٩ (ティサァ ワ アシュルーン)
アラビア語数字の書き方|30~99
次は30〜99に挑戦してみましょう。基本は29までで押さえているので、あとはシンプルです。
「30」「40」「50」「60」「70」「80」「90」
の7つを覚えると一気に99まで書けるようになります。
【30】
ثَلَاثُونَ
٣٠ (サラースーン)
【40】
أَرْبَعُونَ
٤٠ (アルバァウーン)
【50】
خَمْسُونَ
٥٠(ハムスーン)
【60】
سِتُّونَ
٦٠ (スィットゥーン)
【70】
سَبْعُونَ
٧٠ (サバァウーン)
【80】
ثَمَانُونَ
٨٠ (サマーヌーン)
【90】
تِسْعُونَ
٩٠ (ティサァウーン)
【99】
تِسْعَة و تِسْعُونَ
٩٩(ティサァワスーン)
30〜99はすべて「ウーン」で終わるため、1の位の語尾を少し変えるだけで表せます。そのため、新たに数字を覚える必要はありません。
アラビア語数字の書き方|100以上
次は100以上の書き方をご紹介します。
大きい数字になりますが、今までと変わることは特にありません。肩の力を抜いて、確認していきましょう。
100~900
100〜900の書き方、読み方を紹介します。
100以上の数では、以下の順番で数字を書いていきましょう。
- 左=100の位
- 真ん中=1の位
- 右=10の位
【100】
مِئَة
١٠٠ (ミア)
【200】
مِئتين
٢٠٠ (ミアティーン)
【300】
ثلاثْمِئة
٣٠٠ (サラースミア)
【400】
أربَعمِئة
٤٠٠ (アルバァミア)
【500】
خمْسمِئة
٥٠٠ (ハムスミア)
【600】
سِتمِئة
٦٠٠ (シットゥミア)
【700】
سبعمِئة
٧٠٠ (サバァミア)
【800】
ثَمانيمِئة
٨٠٠ (サマーニーミア)
【900】
تِسعمِئة
٩٠٠ (ティサァミア)
100万まで
続いて、1000〜100万までの数字を紹介します。
【1,000】
أَلف
١٠٠٠ (アルフ)
【1,000】
أَلفين
٢٠٠٠ (アルフィーン)
【3,000】
ثلاثة أَلاف
٣٠٠٠ (サラーサタ アーラーフ)
【4,000】
أربَعة أَلاف
٤٠٠٠ (アルバァトゥ アーラーフ)
【5,000】
خمْسة أَلاف
٥٠٠٠ (ハムサトゥ アーラーフ)
【1万】
عَشَرَة أَلاف
١٠٠٠٠ (アシャラトゥ アーラーフ)
【10万】
مِئَة أَلف
١٠٠٠٠٠ (ミアトゥ アリフ)
【100万】
مِليون
١٠٠٠٠٠٠ (ミルユン)
一度にたくさんご紹介しましたが、新たに出てくる単語は、以下の3つのみです。
- مِئَة
- أَلف(複数形はأَلاف)
- مِليون
アラビア語は「20」「200」「2,000」の表現が特殊で、それぞれ「10」「100」「1,000」の単語に「ウーン(ون)」や「イーン(ين)」をつけて表現します。
2桁のアラビア語表記は1の位を先に書き、10の位を後に書くため、小さい桁順に数字が並びます。
3桁以上の数字は逆に大きい桁から並べていき、1,000を表すときには1,000の位、100の位、1の位、10の位という順番になるのです。
1の位と10の位だけ順番が逆ということを覚えておきましょう。
アラビア語数字の歌
なかなか読み書きをするまとまった時間が取れない方は、アラビア語数字の歌を使って覚える方法もあります。リズムに乗って口ずさめば自然に頭の中に入ってくるので、ぜひ繰り返し聴いてみてください。
この曲では0〜100の数字が紹介されています。異国情緒溢れるアラブ音楽を聴きながら、アラビア語数字をマスターしましょう。
まとめ
アラビア語数字は一見複雑で難しいと感じてしまうかもしれませんが、法則さえ覚えてしまえば比較的簡単に覚えられます。
- ポイント①:アラビア語には男性名詞と女性名詞がある
- ポイント②:10の位は左に、1の位は右に書く
- ポイント③:1〜29の法則を覚えてしまうと簡単
学習する時間が取りづらい方はアラビア語数字の歌に合わせて口ずさんだり、聞き流したりするだけでも効果があるのでぜひ試してみてください。
本記事で紹介したフレーズを実際に使ってみませんか?
italkiはアラビア語ネイティブの先生と1回単位でレッスンをすることができるので、会話の練習をしたい方にオススメです。
お試しレッスンも3回できるので、1度見てみてください!
\あわせて読みたい関連記事/
【関連】アラビア語の勉強方法を紹介!自分に合うアプリ、本、サイトを見つけられる!
【関連】基本のアラビア語単語一覧〜品詞別にご紹介〜
【関連】アラビア語の文法は難しい?基礎からの勉強法を徹底解説!
【関連】アラビア語で「こんにちは」を伝えよう!「アッサラーム」を徹底解説
【関連】アラビア語の挨拶一覧!基本から自己紹介、覚えておくと得する便利なフレーズまで一挙紹介
【関連】アラビア語で「ありがとう」を伝えるフレーズ!シチュエーションごとに紹介
【関連】【コピペOK】アラビア語一覧!独特な”文字”の特徴と読み方などを紹介