「フランス語の疑問文ってどうやって作るんだろう?」「この疑問文で失礼じゃないかな?」などの疑問や不安を抱えていませんか。
疑問文を作れれば、相手に質問できます。すると会話のやり取りが生まれ、より充実したコミュニケーションが取れるので、疑問文の作り方はぜひ身につけておきたいところです。
特に、フランス語の疑問文は、作り方によって丁寧度も変わってくるため、相手や状況に応じてきちんと使い分ける必要があります。
この記事では、フランスに在住及び留学経験があり、フランス語学習歴10年以上の私が、フランス語の疑問文の作り方や使い分けを例文つきで解説します。
フランス語の疑問文の作り方は3つ
フランス語の疑問文は、以下の3つの作り方があります。
- 語尾のイントネーションを上げる
- Est-ce queをつける
- 主語と動詞を倒置する
それぞれの疑問文の作り方を、詳しく解説していきます。
疑問文の作り方①:語尾のイントネーションを上げる
最も簡単な疑問文の作り方が、語尾のイントネーションを上げるという方法です。
英語と同じようにフランス語も、文末の「.」を「?」に変えて、語尾のイントネーションを上げて発音するだけで、疑問文を作ることができるのです。
例:
【元気ですか?】
Vous allez bien?
【あなたは学生ですか?】
Tu es étudiant?
語尾を上げる質問の仕方は日本語にも共通しているので、実践しやすい方法でしょう。
疑問文の作り方②:Est-ce queをつける
2つ目の疑問文の作り方は、文章の頭に「Est-ce que」をつける方法です。
つまり「Est-ce que +通常文(主語+動詞〜)?」という形にすることで、簡単に疑問文を作れます。
例:
【急いでいますか?】
Est-ce que vous êtes pressé?
【スポーツはやるの?】
Est-ce que tu fais du sport?
これは、1つ目に紹介したイントネーションを上げる方法の次に簡単な疑問文の作り方です。
「Est-ce que」という言葉を文頭に置くことで、「これから質問する」という意思を聞き手にいち早く・確実に伝えられます。この点は、①の方法と比べた時のメリットです。
ちなみに、「elle / il / ils / elles」といった母音で始まる人称代名詞が主語の場合、「Est-ce que」と人称代名詞が「’(アポストロフィー)」でくっつくので注意しましょう。
例:
【彼女はりんごが好きですか?】
Est-ce qu’elle aime la pomme?
疑問文の作り方③:主語と動詞を倒置する
最後に紹介するのは、主語と動詞を倒置させる疑問文の作り方です。
動詞を主語の前に移動させ、動詞と主語の間に「-(ハイフン)」を追加すれば完成します。
例:
【あなたは学生ですか】
Es-tu étudiant?
主語と動詞の間で倒置が起きているので、倒置疑問文と呼ばれます。
倒置疑問文は、主語が代名詞の場合と名詞の場合で作り方が若干異なるので、それぞれのパターン別に解説します。
主語が代名詞の場合
まず、作り方が簡単な主語が人称代名詞の場合について説明します。
この場合はルール通り、主語である人称代名詞と動詞の位置を入れ替えて、間に「-(ハイフン)」を置くだけで疑問文が完成します。
以下に通常文と疑問文を並べて記載しているので、その変化を確認してみてください。
例:
【彼は学生です】
Il est étudiant.
↓
【彼は学生ですか】
Est-il étudiant?
【あなたはスポーツをやります】
Vous faites du sport.
↓
【あなたはスポーツをやりますか】
Faites-vous du sport?
この疑問文には、注意点が一つあります。
それは、倒置した動詞の語尾と、主語である人称代名詞の頭文字の両方が母音の場合、「-(ハイフン)」ではなく「-t-」を間に置くことです。
母音が連続すると発音しにくいため、間に子音である「t」を置いて発音をしやすくしているそうです。
例:
【彼女は肉が好きですか】
Aime-t-elle la viande?(※)
※動詞「aime」の語尾は「e」、主語「elle」の頭文字が「e」とどちらも母音のため、「-t-」を間に置きます
主語が名詞の場合
主語が名詞の場合、作り方が少し複雑です。
主語である名詞はそのまま文頭に残し、主語に対応する人称代名詞を新たに追加して動詞と倒置させます。
言葉の説明だけでは、なかなか作り方をイメージしづらいかと思います。例文を載せますので、通常文と疑問文を見比べながら作り方を理解しましょう。
例:
【フランソワは自分の仕事に満足しています】
François est content de son travail.
↓
【フランソワは自分の仕事に満足していますか】
François est-il content de son travail?(※)
※主語「François」は頭に残し、代わりの人称代名詞「il」を追加して、動詞「est」と倒置させます
【マリーは本が好きです】
Marie aime le livre.
↓
【マリーは本が好きですか】
Marie aime-t-elle le live?(※)
※主語「Marie」は頭に残し、代わりの人称代名詞「elle」を追加して、動詞「aime」と倒置させます
主語が名詞の場合は人称代名詞を追加する必要があるため、その分作り方が複雑になります。
フランス語の疑問文への答え方
ここまでに紹介した疑問文には「Oui / Non」で答えます。以下に、疑問文とそれに対する回答の例を記載しています。
例①:
【君は学生ですか】
Tu es étudiant?
【はい、私は学生です】
Oui, je suis étudiant.
例②:
【あなたは働いていますか】
Est-ce que vous travaillez?
【いいえ、私は働いていません】
Non, je ne travaille pas.
もちろん「Oui / Non」だけで答えることもできますが、後ろに文章をつけて答えると、より丁寧な回答になります。
フランス語ではシチュエーションで疑問文を使い分ける
紹介した3つの疑問文は丁寧さのレベルが異なります。そのため、相手や場面に応じて正しく使い分ける必要があるのです。
3つの疑問文の丁寧さを1位〜3位に順位付けすると、以下のようになります。
- 倒置疑問文(丁寧度:高)
- Est-ce queを文頭につける(丁寧度:中)
- 語尾のイントネーションを上げる(丁寧度:低)
語尾のイントネーションを上げる方法は、3つの中で1番カジュアルな言い方で、友人や家族との日常会話でよく使われます。
反対に、格式ある場面や正式な書類・文書では使われることがほとんどありません。
Est-ce queをつける方法は、語尾のイントネーションを上げる方法に比べて丁寧な表現とされています。フランス人の友人は、友達間ではあまり使わないと言っていました。お店やビジネスの場で使える丁寧な疑問文と言えます。
倒置疑問文は、主語と動詞を倒置させる複雑さからかなり丁寧な表現とされています。日常会話よりも、文章およびフォーマルな場で使われることが多い表現です。
これらの特徴をきちんと理解して、失礼のない言い方をマスターしましょう。
フランス語の否定疑問文の作り方と答え方
続いて、否定疑問文の作り方と答え方を紹介します。
否定疑問文とは、「〜じゃないの?」「〜しないのですか?」といった形の質問文のことを言います。
否定疑問文の作り方①:語尾のイントネーションを上げる
通常の疑問文と同じく、「.」の代わりに「?」を置き、語尾のイントネーションをあげるだけで否定疑問文を作ることができます。
それでは、否定疑問文の例を見てみましょう。参考として通常の否定文も載せていますので、ぜひ見比べてみてください。
例:
【彼は学生ではありません】
Il n’est pas étudiant.
↓
【彼は学生ではないのですか】
Il n’est pas étudiant?
否定文さえ正しく作れれば、否定疑問文の作り方はとても簡単です。
否定疑問文の作り方②:Est-ce queをつける
否定疑問文は、否定文の文頭に「Est-ce que」をつけることでも作れます。これも通常の疑問文と作り方は変わりません。
例:
【彼は学生ではありません】
Il n’est pas étudiant.
↓
【彼は学生ではないのですか】
Est-ce qu’il n’est pas étudiant?
否定疑問文の作り方③:主語と動詞を倒置する
否定疑問文は、否定文の主語と動詞を倒置させることでも作れます。その場合、語順に注意が必要です。
主語と動詞を倒置させた後、否定の「ne」は文頭に、「pas」は倒置した主語の後ろに置きます。つまり「ne」と「pas」で倒置した動詞と主語を挟む形を作るのです。
例文で見てみましょう。
例:
【彼はスポーツをやらない】
Il ne fait pas de sport.
↓
【彼はスポーツをやらないのですか】
Ne fait-il pas de sport?
【カミーユは魚を食べない】
Camille ne mange pas de poisson.
↓
【カミーユは魚を食べないのですか】
Camille ne mange-t-elle pas de poisson?
否定の倒置疑問文は語順がさらに複雑になるため、一つずつ順番に注意しながら文章を組み立てましょう。
否定疑問文への答え方
否定疑問文は「Si / Non」で答えます。
肯定疑問文の「Oui / Non」とは異なるので注意しましょう。
例:
【君はチーズが好きじゃないの】
Tu n’aimes pas le fromage?
↓
【いえ、大好きですよ】
Si. J’aime beaucoup le fromage.
【はい、嫌いです】
Non, je ne l’aime pas.
「〇〇は好きじゃないの?」という否定疑問文に対して「好きだ」と答える場合は、「Non」ではなく「Si」を使います。
反対に「好きじゃない」と答える場合には「Non」を使います。
日本語訳の「はい・いいえ」と答え方が逆になるので、混乱する人が多いポイントです。繰り返し練習しながら、感覚を掴んでいきましょう。
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疑問文は日常会話やビジネスでもよく使う表現なので、しっかりと身につけたいところです。疑問文を練習する効果的な方法は、実際の会話の中で質問する・答えるということです。
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まとめ:フランス語の疑問文は難しくない
この記事では、フランス語の疑問文には3つの作り方があることを説明しました。
- 語尾のイントネーションを上げる
- Est-ce queを文頭につける
- 主語と動詞を倒置する
この3つの疑問文は丁寧さのレベルが異なるため、状況や相手に応じて使い分ける必要があります。
- 倒置疑問文(丁寧度:高)
- Est-ce queを文頭につける(丁寧度:中)
- 語尾のイントネーションを上げる(丁寧度:低)
また、肯定疑問文・否定疑問文でそれぞれ答え方が違うことも紹介しました。
- 肯定疑問文 → Oui / Non
- 否定疑問文 → Si / Non
フランス語の疑問文は、作り方や使い分けをきちんと理解すれば難しくありません。
ぜひ、さまざまなシチュエーションで積極的に疑問文を使って質問しましょう。そして、相手からの質問にも丁寧に答えていってください。
実践練習を繰り返していくことで、あなたも必ず疑問文を使いこなせるようになります。
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