フランス語の正しい発音方法がわからない。
自分の話すフランス語がネイティブに伝わらなかった。
こんな悩みや経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
フランス語学習歴10年を超える筆者ですが、最初の頃は自分が話したフランス語を聞き取ってもらえず、発音に不安を覚えた経験があります。
しかし、フランス語の発音の規則やコツを学び、練習を重ねた結果、「綺麗な発音だね」と言われるまでになりました。
正しい方法を学べば、フランス語の発音をネイティブに近づけることは難しくはないのです。
この記事では、難しいと言われるフランス語の特徴的な発音について、主な規則やコツ、練習方法を詳しく解説します。
この記事に書かれていることを実践して、ネイティブに通じる、自信を持てるフランス語を身につけましょう!
フランス語の発音は難しいのか
「フランス語の発音は難しい!」と、よく耳にしますが、そう感じる日本人が多いのには理由があります。
実は、日本語の母音が5つであるのに対し、フランス語の母音は最大で16あり、子音の中にも日本語にはない発音があります。
つまりフランス語には、日本人が知らない発音の母音や子音があるのです。
日本人がフランス語の発音を難しいと感じる原因の一つは、ここにあります。
だからと言って、日本語の発音方法のままでフランス語を発音しても、なかなかフランス人には正しく伝わりません。
正しく通じるフランス語を話すには、フランス語の発音の規則やコツをしっかりと学び、身につけることが大切なのです。
フランス語の発音の4つのコツ
先ほど申し上げた通り、フランス語には日本語にない母音や子音があります。
それらを発音するためには、正しい発音方法を覚える必要があります。
ここでは、その中でも特徴的な4つの発音についてのコツを解説します。
このコツを身につけるだけで、ネイティブらしいフランス語の発音に一歩近づけますよ。
コツ①:「r」と「l」は舌の位置が重要
英語でもよく話題になる「r」と「l」の発音ですが、フランス語では全く異なる発音をします。
そのため、聞き分けることはさほど難しくありませんが、自分で発音する時も、発音の違いをきちんと意識することが大切です。
「r」と「l」を発音する時に重要なのが、舌の位置です。
「r」の発音は、下前歯裏に舌を付けて離さずに、喉の上部分(うがいをする辺り)を狭めて「はひふへほ」と言うように発音します。
すると、ガラガラと振動した「はひふへほ」の音が出ますが、これこそがフランス語の「r」の音です。
犬が「グルルル…」と喉で唸る様子をイメージすると、出しやすいかもしれません。
反対に「l」は、舌先を上前歯裏の歯茎あたりに触れさせ、その脇にできる隙間から息を出しながら「ルー」と発音します。
「r」の発音方法とは、全く異なることがお分かりいただけるかと思います。
正しい「r」と「l」を発音するには、まずは正しい舌の位置を覚えましょう。
発音練習をする際は、舌が正しい位置にあるかを都度確認するようにすると、身につきやすいです。
コツ②:「b」は息を破裂させる
フランス語の「b」は、両唇破裂音 (りょうしんはれつおん) と言われる音です。
この音は、上下の唇を閉じて空気を一旦せき止めてから、軽く息を破裂させて発音します。
日本語のバ行の音ととても似た発音のため、日本人にとっては発音しやすいと言えます。
「b」の発音で気を付けるべきなのが、「v」と混同しないことです。
次に「v」の発音方法を詳しく解説しますので、それぞれの発音の違いを理解するようにしましょう。
コツ③:「v」は声帯を振動させる
フランス語の「v」は、唇歯摩擦音(しんしまさつおん)と言われる音です。
この音は、下唇の少し内側に上の前歯の先を軽く触れさせ、そこから息を漏らしながら声帯を震動させて「ヴー」と発音します。
携帯のバイブレーションに似た振動音が出れば、正解です。
「b」が破裂音なのに対して「v」は摩擦音であることからも、2つの発音は全く違うということが理解できるかと思います。
よく混同されがちな「b」と「v」の発音ですが、正しい発音方法を覚えれば、それぞれを言い分けることは難しくありません。
コツ④:「ou」は唇を突き出す
フランス語の母音の一つでもある「ou」の発音は、「ウ」とカタカナ表記されることが多いです。
しかし、日本語の「ウ」の発音をしても、フランス人が「ou」だと理解するのは難しいでしょう。
というのも、「ou」の発音は決して、日本語の「ウ」と同じではないからです。
フランス語の「ou」は、日本語の「ウ」の口の形よりも、唇を丸くすぼめて思い切り突き出し、「ウー」と発音します。
子供がタコを真似する時の口の形に似ています。
この時、口の中の舌が歯や歯茎に付かないように注意しましょう。
「ou」は、フランス語で「こんにちは」を意味する「Bonjour」にも入っている母音です。
使用頻度もとても高い母音なので、ぜひ正しい発音ができるように練習をしてみてください。
フランス語の発音の4つの規則
フランス語は、日本語にない発音が多くて大変…と感じている方も多いでしょう。
しかし、フランス語の発音自体はとても規則的なのです。
もちろん例外も一部ありますが、正しい発音方法と規則さえ覚えてしまえば、フランス語は比較的発音がしやすい言語とも言えます。
そこで、フランス語の正しい発音のために知っておくべき4つの大切な規則をご紹介します。
規則①:発音は綴りで決まる
「この綴りは◯◯と発音する」というように、フランス語は綴りと音の関係が規則的です(例外もあります)。
例)
au 、eauの綴り → o(狭い口の形のオ)の発音
ch、shの綴り → ʃ (シャ行)の発音
つまり、「この綴りはこう発音する」という規則さえ覚えてしまえば、知らない単語でも大抵は正しく発音することができるのです。
規則②:子音を発音しない場合がある
日本語は、基本的に書かれている文字は全て発音しますが、フランス語では子音を発音しない場合があります。
これが、フランス語の発音を学ぶ日本人がつまずくポイントの一つです。
でも安心してください。
発音しない子音には規則があります(例外もあります)。
それが、「フランス語の語末にくる子音字は、c、r、f、l 以外は発音しないことが多い」という規則です。
例)
Paris(パリ) :後末のsは発音しない
Chocolat(ショコラ) :後末のtは発音しない
この規則を覚えていれば、発音する子音・発音しない子音を判断できるようになります。
もちろん、上記の規則には例外がありますが、例外の単語と出会った時に覚えるようにするのが良いでしょう。
規則③:複数形のあとに続く「s」は発音しない
英語と同様にフランス語も、名詞の複数形には語尾に「s」をつけます。(名詞によって例外はあります)
しかしこの「s」は発音をしません。そのため、フランス語では単数系と複数形の発音が全く同じになります。
例)「本(libre)」を単数から複数に変化させた場合
単数 複数
Libre(リーブル) → libres(リーブル)
発音の時に注意するのはもちろんですが、書く時にも、複数形の「s」をつけ忘れないように注意する必要があります。
規則④:「h」は発音しない
4つ目に紹介する規則は、フランス語の「h」は発音をしない、ということです。
日本人の多くは、「h」に「はひふへほ」の音の印象を持っているので、慣れるまで難しい規則だと思います。
例)
Huit(ユイット) 8
Homme(オム) 男性
Hotel(オテル) ホテル
Hopital(オピタル) 病院
Histoire(イストワール) 物語
実は「h」の発音は、日本語を学ぶフランス人にとっても厄介なものなのです。
というのも、フランス語は「h」を発音しないため、日本語の「はひふへほ」の発音に苦労するフランス人が多いんですよ。
母国語にない音を発音するのが難しいのは、どの国の人も一緒なんですね。
フランス語の発音の正しい練習方法3つ
ここまで、フランス語の発音のコツや規則を詳しく説明してきました。
しかし、説明を読むだけでは、フランス語を正しく発音することはできません。
実際に発音練習することが、発音を習得をする上で何よりも大切になります。
ここからは、フランス語の発音をより効率的に習得するための正しい練習方法をお教えします。
効果的な練習方法を通して、確実にフランス語の発音を身につけていきましょう!
練習方法①:口と舌の体操をする
フランス語は、日本語の発音とは異なる口の形や舌の位置で発音をします。
つまり、日本語の口の形のままでは、フランス語を正しく発音するのは難しいのです。
フランス語の発音練習をする前には、口をフランス語の発音がしやすい状態にしておくのがベストです。
そこで重要なのが、発音練習前に口と舌の体操をしておくことです。
口と舌の体操としておすすめするのが、フランス語の母音と子音を一つずつ発音していくことです。
これをすると、母音と子音それぞれの口の形、舌の位置を復習できます。
すると、続く発音練習の時に、正しい口の形と舌の位置をすぐに思い出すことができるのです。
フランス語の発音練習を行う前には、ぜひ口と舌の体操をして準備しましょう。
練習方法②:発音の口の形を見る
ここまでも何度かお伝えしてきましたが、フランス語の正しい発音をするためには、口の形がとても重要です。
逆を言うと、口の形が正しくなければ、正しい発音をすることは難しいでしょう。
そのため、発音練習する時には、必ず自分の口の形を鏡などで確認しながら発音しましょう。
フランス語の参考書や学習サイトには、口の形や舌の位置をイラスト付きで解説しているものも多くあり、大変有用です。
発音練習をする際は、それらのイラストや解説動画を参考に、正しい口の形ができているか常に確認すると良いです。
最初のうちは混乱することもあるかと思いますが、繰り返していくうちに、徐々に体に身についてくるはずです。
練習方法③:ネイティブの指導を受ける
ここまで、独学でフランス語の発音を学ぶ方法をご紹介してきました。
独学には、自分のペースで学べるというメリットがあります。
その一方で、「間違った発音方法を身につけてしまう可能性が高い」というリスクもあります。
そこでおすすめしたいのが、「ネイティブの指導を受けること」です。
フランス人の知り合いなんていないよ…という人も心配いりません。
最近は、手頃な値段でネイティブから指導を受けられるオンラインレッスンなども充実してます。
また、言語交換をするネイティブを無料で探せるサイトやアプリも多数あります。
中には、レッスン1回単位で受講できるものもあり、自分のタイミングや目的に合わせてネイティブの指導を受けられます。
こういったオンラインレッスンや言語交換は、自分のフランス語の発音が通じるかを実際に確認できるチャンスでもあります。
より効率的に正しい発音を身につける方法としては、ぜひ活用すべき有効な手段です。
italkiは1回単位でフランス人ネイティブのレッスンを受けることができ、マンツーマンでいつでもどこでも受講ができます。
教師の資格を持った先生にお願いしても、手軽なレッスン費用で始められるので、一度チェックしてみてください!
まとめ
日本人にとってフランス語の発音は難しいと言われています。
しかし、ここまで説明した通り、発音の規則やコツを覚え、正しい練習方法を繰り返すことで、誰にでもネイティブの発音に近づけることができるのです。
ぜひ、この記事で紹介したことを確認しながら、実際に発音練習をしてみましょう。
ネイティブに自分の発音を聞いてもらう機会があると、より良いですね!これを繰り返していけば、きっとフランス人に伝わる発音を身につけることができるはずです。
\あわせて読みたい関連記事/
【関連】【保存版】フランス語会話の例文集!シーン別にご紹介
【関連】【初心者必見】フランス語の勉強方法をわかりやすく解説!
【関連】言語交換ができるアプリやサイト8選!それぞれの特徴もご紹介!
【関連】フランス語で「愛してる」の言い方とは?カタカナ発音もあわせてご紹介
【関連】フランス語で「ありがとう」の言い方とは?カタカナ発音の「メルシー」は通じるかも解説