フランス語を独学で学びたいと思っている人の中には、「結局何から始めたらいいのかわからない」「フランス語初心者が独学で中・上級レベルまで到達できるの?」と悩む人も多いでしょう。
実際、フランス語は英語ほど日常生活に馴染みはなく、学習することに難しさを抱く人が多い印象です。
そこで本記事では、フランス語学習歴20年以上で、フランス語教材の作成経験やフランス語翻訳業務経験のある筆者が、フランス語を独学で身につけたい方に向けて、おすすめの勉強法や参考書・アプリを紹介します。
フランス語を独学で学びたいと思っている人は、ぜひ最後までご覧ください。
フランス語を独学で学ぶことは可能?
そもそも、フランス語を独学で学ぶことは可能なのでしょうか。
ここでは、フランス語を独学で身につけられるのか、技能別に詳しく解説します。
文法・単語・会話定型表現は独学でOK
フランス語学習の中でも、文法や単語、よく使われる会話表現などは、独学で十分身につけられます。
文法については英語とは異なる要素も少なくないので、最初は難しく感じるかもしれません。しかし、現在はフランス語の基本文法をわかりやすく解説した初心者向け参考書が数多く出版されています。
単語や会話の定型表現についても、英語ほどのバリエーションはないものの、音声付きのレベル別単語集や会話表現集なども市販されています。
また、フランス語学習アプリを利用することもできます。
すき間時間を使って音声のリピートや例文のディクテーションなどを繰り返すことで確実に身につけられるので、レベルを問わず独学可能と言えるでしょう。
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リスニング・リーディングも市販教材で学べる
フランス語のリスニングやリーディングについても、市販の参考書や学習アプリを活用してレベルアップすることは可能です。
今までは、音声付き参考書というとCDが付属しているものが主流でしたが、現在はmp3音源をダウンロードする形式に替わってきています。参考書を1冊購入すれば、スマホやタブレットなど、複数の端末で音声を利用することができます。
そのため、学びやすさ・学習ハードルは低くなっていると言えるでしょう。
作文もある程度独学できる
ReversoやDeepLなどの文章翻訳アプリのレベルが向上したことにより、フランス語の作文についても翻訳アプリを利用して「答え合わせ」ができるようになりました。
また、訳文の音声読み上げ機能も利用できるようになっています。
フランス語としての自然さや論理整合性など、より高いレベルではネイティブ講師による添削のほうが優れていると言えるでしょう。
しかし、頭に浮かんだことをフランス語でどう表すかを調べるハードルが格段に下がり、作文練習が独学でできる範囲は確実に広がっています。
対話・面接試験対策は独学では難しい
フランス語での会話のやり取りや仏検・DELFなどのスピーキングテスト対策については、質問したり、応答したりしてくれる相手が必要であるため、すべてを独学でやるのは難しいと言わざるを得ません。
もっとも、普段から日常生活・仕事・趣味などについて、話す内容をフランス語でまとめておくことは独学でも可能です。
独学でできる範囲のアウトプット練習に時間をかけることで、有料のレッスンを受けたときに講師の先生から多くのことを吸収できるでしょう。
フランス語を独学するためのおすすめの勉強法
ここでは、フランス語を独学するためのおすすめの勉強法を紹介します。
勉強法①:参考書で学ぶ
フランス語初心者が独学で中級レベル以上を目指す場合は、体系的な入門書をはじめとする参考書を数冊しっかり学習することをおすすめします。
フランス語に限らず、語学学習をする際は基礎の理解が欠かせないため、入門書を通読して学習言語の基礎部分を学ぶとよいでしょう。
おすすめの参考書は次の章で具体的に解説します。
勉強法②:学習アプリで学ぶ
入門書で学習した文法事項や単語・会話表現などを補強するには、無料のアプリがおすすめです。
アプリは携帯しやすく、また、ゲーム感覚で楽しく続けられるよう工夫されているので、すき間時間を使ってフランス語への接触時間を増やせます。
こちらもフランス語に限らず、学習したい言語を扱う時間を長くするほど、習得までにかかる期間を短くできます。少しの時間でもいいので、毎日学習する環境を用意しましょう。
フランス語を独学するためのおすすめ参考書
フランス語を独学するためのおすすめ参考書について、ターゲット別に1冊ずつご紹介します。
- 「フランス語をひとつひとつわかりやすく。」
- 「CD2枚付 改訂版 耳が喜ぶフランス語 リスニング体得トレーニング」
- 「2023年度版3級・4級・5級 仏検公式ガイドブック(実用フランス語能力検定)
おすすめ参考書①:初心者・初級者向け
フランス語をひとつひとつわかりやすく。ー超基礎からの個人授業
(学研教育出版・2012年)
「ひとつひとつわかりやすく」シリーズは学生向け参考書として定評があり、フランス語を解説するこちらは入門版としておすすめです。
2ページで1テーマずつ、合計44テーマの文法事項を着実に学んでいく形式で、学習を進めやすい点が特徴と言えます。
テーマの間に基本練習や復習テストなどの練習問題が入っているので、学んだ知識を確認しながら進めていけるのもおすすめできるポイントです。
おすすめ参考書②:中級者・上級者向け
CD2枚付 改訂版 耳が喜ぶフランス語 リスニング体得トレーニング
(Christian Kessler/山下利枝著・三修社 2021年)
こちらは、フランス語の基本文法を終えたレベルの方から上級を目指す方までに適しています。
現在はフランス語中上級者向けの参考書も増加していますが、それらの中でも本著は文章の分量が多いことに特徴があります。さらに、全文にナチュラルスピードの音声が付属しているので、耳慣らしにも最適です。
フランス(海外県を含む)の文化・歴史・社会問題など、さまざまなテーマの文章の音声を繰り返し聴くことで、フランスに対する理解を深められます。
全体で3段階のレベルに分かれていて、STEP1(70~80ワード×50文)は仏検3級~準2級、STEP2(150~180ワード×30文)は2級、STEP3(300~350ワード×20文)は準1級のそれぞれのリスニングレベルに相当すると言えます。
おすすめ参考書③:資格試験対策
2023年度版3級・4級・5級 仏検公式ガイドブック(実用フランス語能力検定)
(フランス語教育振興協会・2023年)
こちらは、仏検5級~3級を受験する方向けの公式ガイドブックです。
仏検の参考書はほかにもありますが、まずは公式ガイドブックで「どのような問題が出るか」を把握することをおすすめします。
また、5級・4級を受験する予定の方は、その級のみの参考書よりも3級対策までを扱った本著を選ぶことで、この先半年から1年くらいの見通しを立てられます。
【関連記事】フランス語のおすすめ参考書は?初心者向け・資格検定・ジャンル別で解説
フランス語を独学するためのおすすめアプリ5選
続いて、フランス語を独学するためのおすすめアプリ5個について、おもに無料で利用できるものの中から紹介します。
- Mondly
- Busuu
- Drops
- Nemoフランス語
- italki
おすすめアプリ①:Mondly
「Mondly」のおすすめポイントは、まず「私の言語(質問などの表示言語)」と「学びたい言語」を選択できることです。
また、「日替わりレッスン」を7日続けると「ウィークリークイズ」に挑戦することができることもおすすめポイントです。
おすすめアプリ②:Busuu
「Busuu」のおすすめポイントは、単語・文法・発音など多様な学習プログラムが収録されていることです。
単語だけ・発音だけなど特定のジャンルに偏ることなく、総合的にフランス語の学習に役立てられます。
また、ほかのアプリ同様、ゲーム感覚で楽しく続けられるのもメリットです。
おすすめアプリ③:Drops
「Drops」の一番のおすすめポイントは、単語と一緒に単語の意味に合ったイラストが表示されることです。
もちろん、音声も聴くことができます。単語の意味をイメージで覚えられるので、記憶の定着にも効果的です。
おすすめアプリ④:nemoフランス語
「nemoフランス語」は、主に単語や日常会話に役立つフレーズを覚えるための学習アプリです。
nemoフランス語のおすすめポイントは、「単語を覚える」ことに役立つさまざまな機能が利用できることです。覚えた単語の確認テストや、ネイティブの発音の後に自分の発音を録音できる「スピーチスタジオ」などを利用できます。
また、有料版も月額課金ではなく、1回限りの課金で日本円で1,000円前後なので、少ない負担で利用可能。無料版と有料版の機能の差は、主に単語の収録数です。
おすすめアプリ⑤:italki
italkiのおすすめポイントは、無料で利用できるコミュニティ機能です。
特に、「ノートブック(日記的な文章をネイティブスピーカーが添削してくれる機能)」や「ディスカッションフォーラム(トピックに参加したり自分でトピックを立ててディスカッションに参加する機能)」などは、通常のアプリの無料機能ではなかなかできない「話す・書く」機会を得られるメリットがあります。
ネイティブ講師のオンラインレッスンは有料ですが、レッスン料金(ドル単位)は1回あたり10~20ドル程度です。また、都度払いが可能であることも、独学主体でフランス語を学びたい方におすすめできるポイントです。
体験レッスン3回分が割引価格で提供されているので、興味がある方は試してみてください。
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まとめ:フランス語を独学してペラペラを目指そう
フランス語を独学で学ぶには、明確な目標意識と自主性が必要になります。
しかし、現在では中・上級者向けの音声付き参考書も増え、楽しみながら続けられるアプリも利用できます。
また、ReversoやDeepLなどの翻訳アプリの翻訳レベル向上と音声機能などによって、アウトプットでも独学できる範囲が広がっています。
独学でできる限りのことをやっていれば、オンラインレッスンやコミュニティなどでネイティブと会話する機会を持った場合にも得られるものが多くなります。
本記事で紹介した参考書やアプリなどを活用して、独学でフランス語ペラペラを目指しましょう。
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