「フランス語を気軽に楽しく勉強したい」という方にとって、無料や低額課金で利用できるフランス語学習アプリはおすすめの学習方法です。

一方、現在ではさまざまなフランス語学習アプリがあるので、どれを選んだらよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、フランス語学習歴20年以上で、フランス語教材の作成経験やフランス語翻訳業務経験のある筆者が、フランス語初心者向けのおすすめアプリや、アプリを利用した勉強法を紹介します。

フランス語を始めてみたいと思っている人は、ぜひ参考にしてください。

フランス語をアプリで学ぶメリット

フランス語をアプリで学ぶメリットはいくつかある一方で、デメリットもあります。

ここでは、フランス語をアプリで学ぶメリット・デメリットを解説します。

メリット①:すき間時間に効率よく学べる

まず、学習アプリはスマホやタブレットにダウンロードして携帯できるので、移動中や家事の合間などのすき間時間を活かして勉強できます。

参考書を開いて学習するとなると、人によってはハードルが高いかもしれません。しかし、スマホアプリならいつでも開けるので、たとえば、通勤中の電車内で5分だけ学習するなどできるのは大きなメリットです。

メリット②:初心者向けに無料で使えるアプリが多い

フランス語の学習アプリは、初心者向けに無料で使えるものが多いこともメリットと言えます。

無料で使える機能は制限されていることも多いですが、初心者がフランス語の発音や動詞の活用基本単語などを学習するには十分な機能を利用できます。

フランス語をアプリで学ぶ際のデメリット

一方で、アプリ(特に無料版)の機能は、発音・単語・動詞の活用・定型表現などのインプットに関するものが中心です。

つまり、発音を矯正したり、ライティングを添削したり、会話のやりとりをするといった、個々のユーザーのアウトプットに対する「フィードバック」を得るのが難しい点はデメリットとなります。

一定程度学習が進んだ際は、オンライン学習講座などを利用してアウトプットする機会を用意すると、定着のスピードはグッと上がるでしょう。

【関連記事】フランス語をオンラインで学ぶ!講座の選び方は4つのおすすめレッスンを解説

フランス語学習のおすすめアプリ5選

ここでは、フランス語初心者におすすめできるアプリを5つ紹介します。なお、ここで紹介する機能は無料で利用できるものを前提としています。

  1. Mondly
  2. Nemoフランス語
  3. Drops
  4. Busuuitalki
  5. italki

おすすめ会話アプリ①:Mondly

「Mondly」は、主に会話表現を覚えるのに適したアプリです。

Mondlyのおすすめポイントとして、「私の言語(質問などの表示言語)」と「学びたい言語」を選択できることや、無料で利用できる「日替わりレッスン」を7日続けると「ウィークリークイズ」に挑戦できる点です。

おすすめ聞き流しアプリ②:Nemoフランス語

「nemoフランス語」は、主に単語や日常会話に役立つフレーズを覚えるための学習アプリです。

nemoフランス語のおすすめポイントは、「単語を覚える」際に役立つさまざまな機能を利用できることです。まず、すき間時間に単語や例文の音声を流しておくだけでも、単語や会話表現の記憶に役立てられます。

また、覚えた単語の確認テストや、ネイティブの発音の後に自分の発音を録音できる「スピーチスタジオ」なども利用できます。

また、有料版も月額課金ではなく、1回限りの課金で日本円で1,000円前後なので、少ない負担で利用可能です。なお、無料版と有料版の機能の差は、主に単語の収録数です。

おすすめ単語学習アプリ③:Drops

「Drops(フランス語版)」は、フランス語の単語学習に適したアプリです。

Dropsの一番のおすすめポイントは、単語と一緒に単語の意味に合ったイラストが表示されることです。

もちろん、音声も聴くことができます。単語の意味をイメージで覚えられるため、記憶の定着にも効果が見込めるでしょう。

おすすめ総合学習アプリ④:Busuu

「Busuu」のおすすめポイントは、単語・文法・発音など多様な学習プログラムが収録されていることです。

単語だけ・発音だけなど特定のジャンルに偏ることなく、総合的にフランス語の学習に役立てられます。

また、ほかのアプリ同様、ゲーム感覚で楽しく続けられるのも特徴的です。

おすすめ総合学習アプリ⑤:italki

「italki」は、総合的にフランス語を学べる学習アプリです。

italkiのおすすめポイントは、無料で利用できるコミュニティ機能です。

特に、「ノートブック(日記的な文章をネイティブスピーカーが添削してくれる機能)」や「ディスカッションフォーラム(トピックに参加したり自分でトピックを立ててディスカッションに参加する機能)」などは、通常のアプリの無料機能ではなかなかできない「話す・書く」機会を得られるメリットがあります。

ネイティブ講師のオンラインレッスンは有料ですが、レッスン料金(ドル単位)が1回あたり15ドル程度であることや、支払い形式が都度払いであることも、独学主体でフランス語を学びたい方におすすめできるポイントです。

体験レッスン3回分が割引価格で提供されているので、興味がある方は試してみてください。

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フランス語学習アプリを使った勉強法

ここでは、先ほど紹介したようなフランス語学習アプリを使った勉強法を5つ紹介します。

  1. 単語を覚える
  2. 動詞の活用を覚える
  3. リスニングを勉強する
  4. 作文練習する
  5. コミュニティ機能を活用する

勉強法①:単語を覚える

ほとんどのフランス語学習アプリには、単語学習プログラムが収録されています。そして、以下のような単語を覚えるためのさまざまな機能を利用できます。

  • 表示された単語をクリックすると発音が流れる機能
  • 表示されたイラストに合致する単語を選択肢から選ぶクイズ
  • センテンスの穴埋め選択クイズ

前章でご紹介したアプリの中で、Mondlyではこれら3つすべての機能が利用可能です。

Nemoフランス語Busuuでは、単語をクリックすると発音の音声が流れる機能・センテンスの穴埋め選択クイズ機能を使えます。

Drops では単語をクリックすると発音が流れる機能、イラストに合致する単語を選択肢の中から選ぶクイズ機能が利用可能です。

言語学習には単語の理解が欠かせません。まずは単語をできる限り覚えて、フランス語表現の前提となる引き出しの数を増やしましょう。

【関連記事】フランス語の発音をわかりやすく解説!コツや正しい練習方法をご紹介

勉強法②:動詞の活用を覚える

フランス語初心者にとって、動詞の活用を覚えることが一つの大きな課題です。

フランス語の文法学習に特化したアプリでは、無料版で動詞の活用を覚えるための機能を利用できます。アプリの動詞変化学習機能を利用すると、たとえば以下のような学習が可能です。

  • ある動詞の活用変化形を入力する

   (例:avoirの直接法単純未来形1人称単数j’aurai)

   →その動詞の原形(avoir)と、入力した語の時制・人称を教えてくれる

   (例:avoirの直接法単純未来形1人称単数)

  • 特定の動詞の特定の時制を指定する

   (例:aimerの半過去)

   →その人称変化6個が表示される

   (j’aimais、tu aimais、il aimait・・)

  • クイズ形式で特定の動詞の特定の時制形を問う問題が出る

   (例:英語のhearにあたるentendreの条件法現在)

   →その人称変化6個を入力する

   (j’entendrais、tu entendrais、il entendrait・・)

   →間違っているものがあれば直してくれる

iPhone版限定ですが、Conjuuというアプリでは、上記のような機能を利用できます(無料版では重要動詞の現在形に限定)。

単語を覚えつつ、動詞の活用も覚えることで、フランス語を効率よく学べるでしょう。

勉強法③:リスニングを勉強する

外国語のリスニング学習は、細かく分けると以下の方法があります。

  • 聞き流し:移動中などにその音声を聞き続けること
  • シャドーイング:聞いた音声を1秒遅れくらいのタイミングで声に出してリピートし続ける方法。リピーティングとの違いは、音声を途中で止めず、その音声が止まるまで続ける点です。
  • リピーティング:1センテンスあるいは1フレーズごとに音声を止めて、聞いた音声を声に出してリピートすること
  • ディクテーション:音声を書きとること。特に、フランス語学習では同じ意味のフランス語で「ディクテ」と呼ばれます。

フランス語学習アプリでは、これらをすべて行えます。特に、リピーティングとディクテーションアプリの機能が便利です。

リピーティング機能では、あるセンテンスと次のセンテンスの間にポーズ(休止)が入る、ディクテーション機能では同じセンテンスがナチュラルスピードで1回、スロースピードで2回以上流れるなど、実践しやすくする工夫がされているため、積極的に活用しましょう。

前章でご紹介したアプリの無料版の中では、Nemoフランス語Busuuで、会話表現の都度再生機能(再生ボタンを押す度にそのフレーズやセンテンスの音声が1回流れる)を利用すると、リピーティングやディクテーションを練習できます。

勉強法④:作文練習する

アプリの無料版では、短い文の仏訳や並べ替え問題などができます。

また、辞書アプリでは文章翻訳機能がついているものがあるので、日本語の文章を自分で仏訳してから翻訳機能を使って答え合わせをすることができます。

辞書アプリだけでなく、ReversoDeepLなどの文章翻訳アプリを使っても作文の練習はできるため、アウトプットする機会として取り入れていきましょう。

勉強法⑤:コミュニティ機能を利用する

アプリによっては、SNSに似た機能を持つものもあります。

たとえば、日本語を学ぶフランス語話者との間で文章を添削しあう「エクスチェンジ」や、フランス語学習者の間でトピックを立てて行う「ディスカッション」などを利用すると、学んだフランス語をアウトプットできます。

インプットだけをしていてもフランス語は上達しないため、恥ずかしがらずにアウトプットしていくのが上達の鍵です。

italkiでも無料のコミュニティ機能を利用できます。ログインすればコミュニティに簡単にアクセスできるので、ぜひ活用してみてください。

まとめ:フランス語アプリを活用して効率よく学習を進めよう

フランス語の学習アプリにはさまざまな機能があります。その中でも、音声付きの機能はアプリを利用する一番のメリットと言えるでしょう。

すき間時間にアプリで単語や動詞の活用、会話表現を覚えるようにすれば、フランス語学習に集中できる時間をディクテーションや作文練習などのより難度の高い学習に充てられます。

これによって学習効率をさらに上げられるはずです。本記事で紹介したフランス語学習アプリを活用して、楽しみながらレベルアップしましょう。

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