「フランス語の勉強を始めたけど、書店やネットで見ると初心者向けの参考書がたくさんあって、どれを選べばよいかわからない」という方は多いのではないでしょうか。

あるいは中級以上の方で「同じレベルの英語の参考書に比べると数もかなり少ないし、値段も高めだから慎重に選びたい」という方もいると思います。

そこで本記事では、フランス語学習歴20年以上で、フランス語教材の作成経験やフランス語翻訳業務経験のある筆者が、フランス語の初心者向け・中上級者向け・資格受験者向け・ジャンル別のおすすめ参考書を紹介します。

フランス語を参考書で学びたい方は、ぜひ参考にしてください。

フランス語を参考書で学ぶメリットとデメリット

ここでは、フランス語を参考書で学ぶメリットとデメリットをそれぞれ説明します。

メリット:低コストで自分のペースでじっくり学べる

フランス語を参考書で学ぶメリットは、スケジュールの拘束なしに自分のペースで勉強できて、費用も低額で済むことです。

  • フランス語を学ぶ目標を明確に持っている
  • 「今月中にこの本の学習を終わらせる」というように、具体的な学習スケジュールを立てて実行できる

上記に該当するような方は、参考書を活用してフランス語を習得できるでしょう。

参考書の購入はスクールに通うことに比べるとコストも抑えられるため、あまり費用をかけられない人も参考書で学習したほうがメリットは大きいです。

デメリット:目標意識が弱いと挫折しやすい

フランス語を参考書で学ぶ際、目標意識が低いとどうしても挫折しやすく、中途半端に終わってしまう可能性があります。

講師の先生が教えてくれるわけではないので、一人で根気強く学習し続けなければなりません。

そのため、「フランス語を習得する」「現地で滞りなくコミュニケーションをとれるようになる」などの目標意識を明確に持っていないと、勉強を途中で止めてしまうこともあるでしょう。

SNSでその参考書の学習日記を書いたり、学習できたら手帳に丸印をつけるなど、自分なりの継続方法を見つけて実践すれば、参考書を最後までやり通せるはずです。

【関連記事】フランス語の独学は難しい?おすすめの勉強法や参考書・アプリを解説

フランス語の初心者向けおすすめ参考書3選

本章では、まず初心者向けのおすすめ参考書を3冊紹介します。

  1. 文法から学べるフランス語
  2. フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!改訂新版[CD付]
  3. フランス語をひとつひとつわかりやすく。ー超基礎からの個人授業

初心者向け参考書①:文法から学べるフランス語

文法から学べるフランス語
(佐原隆雄著 ナツメ社 2004年)

刊行から20年近く経った今も高い評価を得ている、ナツメ社の「文法から学べる〇〇語」シリーズのフランス語版は、初心者に特におすすめです。

この本では、見開き2ページの解説練習問題1ページ・ミニダイアローグ・訳と重要表現1ページによって、フランス語の文法事項を一つずつ学習します。

最後までやり通せば、基本文法をしっかり理解できるでしょう。

解説中の例文とミニダイアローグの音声は、付属CDで聴くことも可能です。

初心者向け参考書②:フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!

フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!改訂新版[CD付]
(清岡智比古著 白水社 2019年)

2019年の発売以来累計13万部以上と、顕著な発行部数を誇る入門書です。

文法事項にメリハリをつけて、重要な箇所は丁寧に、やや細かい項目は簡潔に解説されています。

なお、多くのレビューで見られるように、著者の語り口に特徴があるようです。

そこで、先ほどの参考書①や後述する参考書③のようなオーソドックスな入門書と併用することで、基本文法の理解を深めるという利用もおすすめします。

初心者向け参考書③:フランス語をひとつひとつわかりやすく。

フランス語をひとつひとつわかりやすく。ー超基礎からの個人授業
(学研教育出版 2012年)

学生向け参考書として定評のある「ひとつひとつわかりやすく」シリーズのフランス語入門版もおすすめです。

2ページで1テーマずつ、合計44テーマの文法事項を着実に学んでいく形式です。

文法事項の間に基本練習や復習テストなどの練習問題が入っているので、学んだ知識を確認しながら進めていけます。

参考書①と同様のオーソドックスな入門書で、①に比べるとサイズが大きく(B5版)、ページ数は6割ほどなので、ノート感覚で気軽に取り組めるでしょう。

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フランス語資格試験のおすすめ参考書

続いて、仏検などのフランス語資格試験受験者向けのおすすめ参考書を3冊紹介します。

  1. 仏検4級・5級対応 クラウン フランス語単語 入門
  2. 仏検準2級・3級対応 クラウン フランス語単語 中級
  3. 仏検準1級・2級対応 クラウン フランス語単語 上級

検定試験用参考書①:仏検5級・4級受験向け

仏検4級・5級対応 クラウン フランス語単語 入門
(ジョルジュ・ヴェスィエール著 三省堂 2020年)

こちらは、フランス語に必要な基本レベルの1,500語について、日常会話で使える平易な例文から覚えられます。

仏検5級・4級を受験する層に向けて、カタカナ発音や発音記号も付記されており、初心者向けの工夫も特徴的です。

音声はアプリをダウンロードする形式で聞けるため、ながら時間で学習することもできるでしょう。

検定試験用参考書②:仏検3級・準2級受験向け

仏検準2級・3級対応 クラウン フランス語単語 中級
(ジョルジュ・ヴェスィエール著 三省堂 2021年)

同じシリーズの中級編として、2,500のフランス語をフレーズ・文章・ダイアローグによって覚えられるのが本書の最大の特徴です。

フランス語の中級レベルの単語を多角的に学習できる市販の参考書は、あまり出版されていない印象です。

そのため、この単語集は、仏検3級・準2級受験者だけでなく、初心者向けの教材では物足りなくなった学習者におすすめできます。

音声のスピードはディクテーション対策を想定したもので、ナチュラルスピードよりはゆっくりです。

速さに慣れたい方は、ニュースサイト(NHK World-Japan)や「耳が喜ぶフランス語」などの音声を利用することをおすすめします。

検定試験用参考書③:仏検2級以上・DELF B1・B2受験向け

仏検準1級・2級対応 クラウン フランス語単語 上級
(ジョルジュ・ヴェスィエール著 三省堂 2019年)

高頻度で使われるフレーズと、ディクテーション対策用のさまざまなジャンルの文章40例から構成される、中上級者向けの単語集です。

掲載されている文章例のすべてについて、ダウンロード音声が利用できます。

文章の音声は、ナチュラルスピードディクテーション用のスピードの2パターンが用意されています。

【関連記事】フランス語検定の種類は?特徴やレベル、受験メリットなどをまとめて解説!

フランス語のジャンル別おすすめ参考書

ここでは、フランス語のジャンル別でおすすめの参考書を紹介します。

具体的には、文法・リスニング/リーディング・スピーキング・ライティング・音声付き単語集の順で、以下の5冊を紹介します。

  1. 増補改訂版 新・リュミエール フランス文法参考書
  2. CD2枚付 改訂版 耳が喜ぶフランス語 リスニング体得トレーニング
  3. 超初級から話せる フランス語声出しレッスン[音声DL付]
  4. フランス語作文ラボ:ニュアンスで使い分けるための添削教室
  5. CDブック これなら覚えられる!フランス語単語帳

ジャンル別参考書①:文法

増補改訂版 新・リュミエール フランス文法参考書
(森本英夫/三野博司著 駿河台出版社 2013年)

1993年の初刊から増補改訂を経て、30年にわたり、フランス語文法参考書の代表的な存在となっている一冊がこちらです。

入門レベルから中級レベルに向けて、文法を体系的に学びたい方におすすめです。

文法事項の解説が丁寧で詳しく、練習問題の量も豊富なので、買って損はしないでしょう。

ジャンル別参考書②:リスニング・リーディング

CD2枚付 改訂版 耳が喜ぶフランス語 リスニング体得トレーニング
(Christian Kessler/山下利枝著 三修社 2021年)

初級文法を終えたレベルの方から、仏検準1級やDELF B2レベル以上を目指す方までにおすすめできる、リスニング・リーディング教材がこちらです。

合計100の文章は、長さと難易度によって仏検リスニング準2級レベル~準1級レベル程度までの3段階に分かれています。

初級文法を終えたレベルの方でも、以下の方法でSTEP3まで進めることが可能です。

  1. 辞書や対訳を参照しながら文章を読んで内容を理解する
  2. 文章を見ながら音声を聞く
  3. 文章を見ないで、その音声の聞き流しやシャドーイングを繰り返す

基礎を積み重ねて、少しずつレベルアップしていきましょう。

ジャンル別参考書③:スピーキング

超初級から話せる フランス語声出しレッスン[音声DL付]
(トリコロル・パリ[荻野雅代+桜井道子]著 アルク 2022年)

こちらは、1日3文ずつ、合計180の例文を声に出してアウトプットする「声出しレッスン」シリーズのフランス語版です。

例文は、仕事・趣味・フランス旅行など、6つのジャンルに分かれています。

徹底的に「聴く・声に出す」を繰り返すことにより、発音と会話表現を身につけられる一冊です。

ジャンル別参考書④:ライティング

フランス語作文ラボ:ニュアンスで使い分けるための添削教室
(クリス・ベルアド著 白水社 2018年)

こちらは、フランス語の上級者レベルを目指す方に最適のライティング演習書です。

1つの日本語文に対して複数の仏訳例を示し、問題点を指摘して段階的に改善した上で、模範解答を提示しています。

文法的に間違ってはいないがフランス語として不適切あるいは不自然な表現に対して、不適切または不自然である理由を明確に示しています。

仕事でフランス語を扱いたい方は、本書で学びを深めるとよいでしょう。

ジャンル別参考書⑤:音声付き単語集

CDブック これなら覚えられる!フランス語単語帳
(六鹿豊著 NHK出版 2008年)

本書は、フランス語初級レベルの1,500語を品詞別に分けて、800語については見出し語に例文と音声がついている一冊です。

音声は、「見出し語(仏語)→訳語→例文(仏語)」の順に吹き込まれています。

文字が大きく、例文も平易で覚えやすいので、「初級レベルだが仏検5級・4級レベルの単語帳では物足りない」という方に特におすすめです。

参考書の学びをフランス人講師と会話しながらアウトプットしよう

市販の参考書を利用することで、発音や文法知識、語彙力、ライティング力などを鍛えられます。

一方、参考書で学んだことを実際のコミュニケーションに活かすためには、ネイティブ講師との会話レッスンが最もおすすめです。

フランス語オンラインレッスンのプラットフォームitalkiでは、友達感覚で気軽に話せるコミュニティチューターから高品質のレッスンを提供するプロ講師まで、さまざまな講師のレッスンをリーズナブルな料金で受講できます。

ぜひ、italkiのオンラインレッスンで参考書の学びをアウトプットして、効率よくフランス語のスピーキング力を身につけてください。

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まとめ:フランス語の参考書を使って効率よくインプットしよう

フランス語を話せるようになるためには、参考書によって文法・語彙・リスニング力などの基礎を固めた上で、会話レッスンなどでアウトプットするのがベストです。

特に、入門書は1回読んだだけで理解できないのは当然です。

入門書だけを繰り返し学習するのもよいですが、学習アプリやほかの参考書などに進みつつ、頻繁に入門書を見返すというやり方でも基礎を固められます。

本記事で紹介した参考書などを活用して、効率よくフランス語の土台を築いていきましょう。

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