皆さんは、フランス語の「ありがとう」の言葉を知っていますか?

おそらく、多くの人が「Merci(メルシー)」と答えたのではないでしょうか?

もちろん、「Merci」もフランス語の「ありがとう」の正しい表現です。
しかし、皆さんの中には、もっと強く感謝の気持ちを伝える表現はないのか、自分の感謝のニュアンスがより伝わる表現を知りたい、と思っている人もいるでしょう。

そこで、フランス在住歴あり・フランス語学習歴10年以上の筆者が、フランス語の様々な「ありがとう」の表現をご紹介しましょう。

ちょっとした表現の違いで、相手に伝わる感謝の気持ちも変わってくるものです。
ここで紹介するフレーズを覚えて、ぜひ場面や相手に合わせた「ありがとう」を伝えられるようにしましょう!

フランス語で「ありがとう」

【ありがとう】
Merci(メルシー)

「Merci」は、フランス語の中でも最もシンプルで、よく使われる「ありがとう」の表現です。

日本人がよく「すみません」や「ごめんなさい」を口癖のように言うのに対して、フランス人は「Merci」とよく言います
ドアを開けてもらった時やお店を出る時など、日常のあらゆる場面で「Merci」と言う習慣があるのです。

基本となる感謝の表現なので、これを覚えておくだけでも、旅行や日常会話で役に立つでしょう。

フランス語で「メルシー」はカタカナ発音で通じる?

フランス語の「Merci」は、「メルシー」とカタカナ表記されることがあります。
果たして、このままカタカナの発音で読んで、フランス人には「Merci」だと伝わるのでしょうか。

残念ながら、カタカナ発音ではフランス人にはなかなか伝わらないことがあります。
特に後半部分の「rci」の発音がポイントになるので、ぜひ練習しましょう。

r」の発音は、下前歯裏に舌を付けて離さずに、喉の上部分(うがいをする辺り)を狭めて「はひふへほ」と言うように発音します。
犬が「グルルル…」と喉で唸るような音が出れば、正解です。

ci」の発音は、「シ」よりも「スィ」がネイティブの発音に近いです。
この発音は、日本人にもそこまで難しくはないでしょう。

これ以降に紹介するフレーズについて、カタカナ表記している発音は、あえて日本語の発音に置き換えた場合の表記です。
実際のフランス語の発音とは異なる場合がありますので、ご了承ください。

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フランス語で「ありがとう」を丁寧に言いたいとき

【ありがとうございます】
Merci beaucoup(メルシー・ボクー)

より丁寧に感謝の気持ちを伝えるために、「Merci beaucoup(メルシー・ボクー)」を使うことがあります。
これは英語の「Thank you very much」にあたる言葉です。友人同士でも、いつもより強い感謝を伝えたい時にはよく使う表現です。

その他にも、丁寧な「ありがとう」の言い方として、以下のような表現があります。このフレーズは、メールや手紙で使われることが多いです。

【ありがとうございます】
Je vous remercie(ジュ・ヴ・ルメルスィー )

フランス語で「ありがとう」のさまざまな表現

フランス語には、自分の感情やシチュエーションに合わせた様々な「ありがとう」の表現があります。
「Merci」に一言加えるだけでも、より細かいニュアンスを伝えることができます。

状況に合わせて様々な表現を使い分けることで、自分の感謝の気持ちがより相手に伝わりやすくなるはずです。

これから紹介する表現を実際に使いながら、フランス人とのより豊かなコミュニケーションを楽しみましょう!

表現①:ありがとう、嬉しい

【ありがとう、嬉しい】
Merci, je suis content(e)(メルシー・ジュ・スイ・コントン/メルシー・ジュ・スイ・コントントゥ)
※男性の場合はcontent、女性の場合はcontente。発音も変化する。

このフレーズを言うと、相手に何かをしてもらった時などに、お礼と共に自分の喜びの気持ちを伝えられます。
相手も「自分のやったことを喜んでもらえている」と感じられるので、ぜひ使えるようになりたい表現です。

ちなみに自分が男性の場合は「content(コントン)」、女性の場合は「contente(コントントゥ)」と発音が変わるので、注意しましょう。

表現②:ありがとう、大好き

【ありがとう、大好き】
Merci, je t’aime(メルシー・ジュ・テーム)

こちらは、家族恋人同士などで使える感謝の表現です。
というのも、日本語の「大好き」にあたる「Je t’aime」は、恋人か家族に対してのみ使う愛情度の強い表現なのです。そのため、友人同士では基本的にこのフレーズは使いません

誤解を招く可能性もあるので、使う相手には気をつけましょう

表現③:こちらこそありがとう

【こちらこそありがとう】
C’est moi qui vous remercie(セ・モワ・キ・ヴ・ルメルシー)

相手から感謝された時に、こちらからも感謝の気持ちを伝える表現です。直訳すると、「お礼を言いたいのは私(の方)です」という意味になります。

相手の気持ちを受け入れつつ、謙虚に自分の感謝の気持ちを伝えることができます。

表現④:本当にありがとう

【本当にありがとう】
Merci mille fois(メルシー・ミル・フォワ)
Mille mercis(ミル・メルシー)

直訳すると「1000回分のありがとう」という意味になるこちらの表現。
「Merci beacoup」と同じように、強い感謝の気持ちを伝えたい時に使えるフレーズです。

フランス人の中でも、どちらかというと年配の人が使う印象があるようですが、どの年代の人も使えます。
フレーズ自体も短く簡単なので、「ありがとう」のフレーズのレパートリーとして覚えておくといいかもしれません。

表現⑤:連絡ありがとう

フランス人がよく使う表現は以下の通りです。

【連絡ありがとう(メール編)】
Merci pour votre mail(メルシー・プール・ヴォートル・メル)

【連絡ありがとう(電話編)】
Merci d’avoir appelé(メルシー・ダヴォワー・アプレ)

【連絡ありがとう(手紙編)】
Merci pour votre lettre(メルシー・プール・ヴォートル・レットル)

包括的にいう場合には、下記のような表現もあります。

【連絡ありがとう】
Merci de m’avoir contacté(メルシー・ドゥ・マヴォワー・コンタクテ)

表現⑥:忙しいのにありがとう

【忙しいのにありがとう】
Merci pour votre temps(メルシー・プール・ヴォートル・トン)

直訳すると「あなたの時間をありがとう」という意味になります。
何かを手伝ってもらったり、自分のために時間を使ってくれた相手に使えるお礼の表現です。

「Merci」と伝えるだけよりも、時間を割いてくれた相手への申し訳ない気持ちも伝えられる表現だと思います。

表現⑦:来てくれてありがとう

【来てくれてありがとう】
Je vous remercie d’être venu(e)(ジュ・ヴ・ルメルシー・デートル・ヴニュ)
※相手が男性の場合はvenu、女性の場合はvenue。発音は変わらない。

誘った催しに参加してくれたり、自分を訪ねてきてくれた人に対してのお礼の表現です。
こちらは、どちらかというとメールでよく使う表現になります。口頭での言い方としては、以下のような表現もよく使われます。

【来てくれてありがとう】
Merci d’être venu(e)(メルシー・デートル・ヴニュ)
※相手が男性の場合はvenu、女性の場合はvenue。発音は変わらない。

表現⑧:お母さんありがとう

【お母さんありがとう】
Merci, Maman(メルシー・マモン)

お母さんにお礼を言う時には「Merci, Maman」と言います。
母の日などの特別な時には、「Merci,Maman. Je t’aime!!」のように「Je t’aime」を付け加えると、より強い感謝と愛情が伝えられます。

ちなみに、お父さんに対しては「Merci, Papa(メルシー・パパ)」と言います。

表現⑨:教えてくれてありがとう

【教えてくれてありがとう】
Merci de m’avoir informé(メルシー・ドゥ・マヴォワー・インフォルメ)

何か情報を教えてくれた時に使えるお礼の言葉です。
後ろに「de ○○」をつけると、具体的に何を教えてくれたことに感謝しているのかを明確に伝えられます。

【天気を教えてくれてありがとう】
Merci de m’avoir informé de la météo(メルシー・ドゥ・マヴォワー・インフォルメ・ドゥ・ラ・メテオ)

表現⑩:~してくれてありがとう

【~してくれてありがとう】
Merci de ○○(メルシー・ドゥ◯◯)

○○の部分に動詞を入れて、「〜してくれてありがとう」という意味になります。例えば、以下のような表現があります。

【私の話を聞いてくれてありがとう】
Merci de m’écouter(メルシー・ドゥ・メクテ)

【招待してくれてありがとう】
Merci de m’avoir invité(e)(メルシー・ドゥ・マヴォワー・インヴィテ)
※自分が男性の場合はinvité、女性の場合はinvitée。発音は変わらない。

このフレーズは、フランス語動詞を覚えていないと応用は難しいかもしれません。
その場合は、よく使うであろうフレーズを丸覚えしておくのが良いでしょう。

フランス語で「どういたしまして」の言い方

【どういたしまして】
Je vous en prie(ジュ・ヴ・ゾン・プリ)
De rien(ドゥ・リエン)

ここでは、よく使う「どうしまして」の2つの表現をご紹介します。
「Je vous en prie」はまさに日本語の「どういたしまして」にあたる、少し丁寧かつ上品な表現です。
目上の人や初対面の人、ビジネスなどで使える表現です。

一方の「De rien」は、「どうってことないよ!」「いいよいいよ!」「いいですよ!」というカジュアルな表現です。家族や友人同士で使うと良いでしょう。

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まとめ

フランス語には、場面相手によって、様々な「ありがとう」があることがお分かりいただけたかと思います。
「Merci」以外の表現を知っていると、より細やかに感謝の気持ちを伝えることができます。

表現を身につけるには、まずは勇気を出して実際に使ってみることが大切です。
様々な表現が使えるようになると、フランス語でのコミュニケーションがより豊かで充実したものになるはずです。きっと、フランス語を使うのが今より楽しくなりますよ。

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